12JUN.2021@群馬CSCロードレース 6月大会, JPT #07
群馬CSCロードレース 6月大会
– 群馬県利根郡みなかみ町/群馬サイクルスポーツセンター –
6km/27周回 162km
1位 小林 海(マトリックスパワータグ) 4:02:43 ave40.04km
2位 沢田 時(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +01:19
3位 井上 文成(弱虫ペダルサイクリングチーム) +02:01
4位 冨尾 大地(CIEL BLEU KANOYA) +02:13
5位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +02:23
6位 西村 大輝(宇都宮ブリッツェン※オープン参加) +02:23
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27位 小林 弘幸(LEOMO Bellmare Racing Team) +02:45
35位 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +04:34
DNF 小畑 郁(LEOMO Bellmare Racing Team)
6月12日土曜日、Jプロツアー第7戦となる「群馬CSCロードレース6月大会」が群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンターを舞台に開催された。大舞台の2021ツアー・オブ・ジャパンを終え、戦いの場を再びJプロツアーに戻したLEOMO Bellmare Racing Teamからは、才田・小畑・小林選手の3選手が出場。
今回の見どころの一つはJCL所属選手の参戦。レース出場機会に恵まれないJCL所属選手のためにJBCFが門戸を開き、JCLから20名の選手が参戦(ただし、オープン参加扱い)した。また見どころの二つめは、コースがいつもと逆回りで開催される点で、全出場選手が初めて体験するコースレイアウトとなった。
この日のレーススタート時刻は午前8時半と早く、7時前に会場に到着した選手達は初めての体験となる逆周りのコースレイアウトを確認するために続々と試走に向かう。試走後の選手の感想としては、心臓破りの下りから先のコーナーでコースアウトしてしまうかもしれないという点、意外と流れるコースレイアウトというところだった。
いつもとは反対サイドの狭いバックストレート側に設定されたスタートラインに101名の選手が集合。最初の1周半はニュートラルとされたため、和やかな雰囲気の中でスタートしていった。
ローリングスタートが切られるとアタック合戦が開始。LEOMO Bellmare Racing Teamから小林選手も参戦し、一旦逃げに入るもこれは吸収される。その後、リーダージャージのホセ選手(マトリックスパワータグ)や今季逃げに入る機会の多い沢田選手(TEAM BRIDGESTONE Cycling)と井上選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)が入る総勢16名の逃げが形成され、これが勝ち逃げ集団となった。レース終盤に入り、逃げ集団と中でアタックや牽制が始まると、最終的には小林海選手(マトリックスパワータグ)が単独で抜け出し、そのまま独走で優勝を飾った。
LEOMO Bellamre Racing Teamの3名は、序盤から小林選手が集団前方の良い位置に入り、アタック合戦にも参戦していく。このサポートに入りたい小畑選手だったが、目の前で発生した落車を割けきれず、転倒の上にバイクが破損。機材交換後にレース復帰するも、レース途中でのDNFとなってしまった。残り2名となったチームだが、レース中盤から終盤にかけては才田選手が集団の活性化に動く。才田選手の追走アタックに対して、小林選手がカウンターアタックで入部選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)と共に追走に出るなど積極的にレースを動かす動きを見せるものの、最終的には逃げ集団の先行を許すレースとなった。
PHOTO REPORT
再びJプロツアーに戻ってきたLEOMO Bellmare Racing Teamの面々がそれぞれレースの準備を進める。
いつもと逆周りのコースレイアウトで開催されたレース。狭いバックストレート側に設定されたスタートラインから101名の選手がスタートしていく。
ニュートラル走行中のメイン集団がメインストレートを下ってくる。いつもとは真逆の風景。
小林選手のアシストに入りたい小畑選手だったが、目の前で発生した落車を避けきれず、落車・機材トラブルの後にDNFとなってしまった。
16名の逃げを先行させたメイン集団はTEAM BRIDGESTONE Cyclingがコントロール。
メイン集団から抜け出す形で現れた才田選手が追走集団の先頭を牽く。
才田選手の動きにカウンターで合わせてメイン集団から抜け出した小林選手と入部選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)。
吸収後も虎視眈々と次の動きを狙う才田選手。小林選手も才田選手のそばでレースを進める。
レース終盤、毎周のようにメイン集団の先頭から飛び出してくる才田選手。
RIDERS REPORT
才田選手:
直前の新潟自転車旅のライドでは、乗り始めはきついが時間が経つにつれて良くなってくる感覚があった。初の逆回りとなったレースでも序盤のハイスピードがキツくて何もできない状況だったが「どこかで良くなるだろう」と信じて耐えた。
そんな状況だったので後手を踏んで出走人数の少ないLEOMOとしては厳しい展開になったが、小林選手をいかに最後に勝負させるかを考えて集団牽引や、アタックによるペースアップを繰り返して完走。これだけ動いて最後まで保ったのだから練習で感じていたものは間違っていなかったと思う。
大好きな夏が近づいてきたので、気温と共にさらに調子を上げていきたい。
小畑選手:
TOJでの走り込みを終え、少しは踏める感を感じながらの初体験の群馬右回りコースでした。試走の段階で、心臓破りの下り路面が濡れていなければ思いの外安全に走れ、比較的集団が棒状になる時間の長いコースプロフィールになっていました。このコース設定が吉と出るか凶と出るか…
レースもパレード走行が一周半となり、集団走行の雰囲気も掴めて安心してリアルスタートとなりました。すぐさまアタック合戦が始まるも、初めてのコース展開で手探りのアタックの応酬。やはり最も谷になっている通常周回の下りヘアピンカーブ付近からの上りが斜度の変化と踏み続ける時間がまあまあ長いので周回を重ねるごとにジャブの様に効いてくるなと感じ。
4周目、集団は一つのままで周回。小林選手のポジションが集団前方の良い位置で、自分も集団内を上がって行く中、S/F地点付近ですぐ前の選手が突然落車。突っ込むしかなく、なんとか前転して大怪我は免れましたが、後方に居た小山選手(Team UKYO)も覆い被さる状態となり、3人で立ち往生となりました。
リヤメカが曲がっているため車輪が回らないのを手で直し、走り出せると思ったらローターも曲がっていたために走り出せず。そのままレースを止めようかと思いましたが、気を取り直して車輪を交換してもらって走り出しましたが、流石に前半のアタック合戦中に集団に追いつける訳もなく…1周してDNFでした。
3名参加のチームとしては1人が何も出来ない内にいなくなるという最悪の展開になってしまい申し訳ない限りです。大怪我しなかったのを救いと思い、次戦の広島に向けて気を取り直してトレーニングに励みたいと思います。
小林選手:
目標はチームメイトと密なコミュニケーションを取って勝負に絡む走りをする事。TOJが終わり、筋トレのやり過ぎなどで調子を崩した期間もあったが、水曜日の練習では状態の良さを感じて良い状態でレースに臨むことができた。
レース序盤、有力チームを多く含んだ勝ち逃げに対してチームから誰も乗せられずに後手を踏んでしまい、勝負に絡めなかったのは大きな失敗だった。しかし、才田選手とコミュニケーションを取り、逃げへのブリッジに乗ってみたり、才田選手が捕まる前提のアタックをして自分が追走をマークするという動きを試したりと、試行錯誤をしながら160㎞のサバイバルなレースを完走できたのは良かった。
次戦は広島。今年の全日本の会場になるので上位に食い込んで良いイメージを持つために3週間しっかり準備して臨みたい。
宮澤監督から
距離が160kmと長いレースの場合、レース途中の展開の緩みが顕著となる国内レースの中で、どう動くかを考えるレースとなった。今回は門田選手がフランスへ帰ったために3選手でのスタート。コースは逆回りで全ての選手が経験がないが、正周りよりは流れる展開になると予想した。
序盤の逃げにリーダージャージを着るホセ選手(マトリックスパワータグ)が入ったところへ小林選手も合流するが、一旦集団に吸収された後の16名の逃げが勝ち逃げとなり、そこにチームの選手は乗る事ができなかった。小林選手は後半に動きを作るべく、才田選手の引きできっかけを作ったが、経験の少なさからか飛び出した集団に入る事ができなかった。だが、全体的にレースを作れた事は評価に値する。
レースで何もできずにいた小林選手の去年までの実力を考えると、今季は成長はしている。しかし、もっと多くの試行錯誤を繰り返し、早急にアップデートしてほしい。才田は強かったがレース中最も空振りをしてしまった選手だっただろう。力はあるのでクリーンヒットにつなげて欲しい。
才田 +¥13,000
小林 +¥5,000
小畑 ¥0
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.