2021年シーズンを終えて…

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2020年に引き続き新型コロナウィルスの影響を大きく受けた2021年が終わろうとしています。LEOMO Bellmare Racing Teamとしても少ないメンバでの活動となりましたが、歩みを止めることなく、Jプロツアー全18戦を走り切ることができました。困難な状況の下、レースが開催され、レースを走る場を提供いただいた事に感謝を申し上げます。レース主催者・関係者の皆様、開催地の皆様、ありがとうございました。

 

大変な事ばかりな2021年でしたが、その中でTour of Japanに出場できた事は、チームにとっても選手にとっても一つの大きな出来事でした。特に門田選手にとってはフランスでのレース活動が制限される中、日本で走る環境を得ることができ、その後のフランスでの活躍に繋げることができたのではないかと思います。また2年目となった小林選手もレースを完走するだけでなく、一桁台の順位に入るなど大きな成長を見せてくれた一年でした。新加入の世古選手も高校生とは思えない走りを見せてくれました。
この2名の選手は来季はチームを離れ、学業や大学でのレース活動に専念することになりますが、今年一年の経験を糧に、それぞれの目指す道に向かって頑張ってほしいと思います。

 

昨年に引き続き、大変なシーズンにはなりましたが、今年も得るものがあったシーズンでした。2021年の最後を迎えるにあたり、宮澤監督と5名の選手のコメントで今シーズンを締めたいと思います。

 
 
 

宮澤崇史監督


 

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コロナ禍から脱却し、多くにレースを行っていただいたJBCF様にまずは感謝を申し上げます。
チームとしては非常に苦しいシーズンになりましたが、西日本チャレンジ広島大会での才田選手の走りやTour of Japanをきっかけに、門田選手がフランスで活躍し、コンチネンタルチームと契約を結べたことは最高のニュースとなりました。昨今、ヨーロッパを目指す、世界を目指す選手が絶滅危惧種になっていますが、LEOMO Bellmare Racing Teamは、世界に挑戦する選手を今後も育成していきたいと思います。世界へ挑戦したい選手の派遣をTeam NIPPOと提携して実現し、今後も多くの若い選手にとって夢のあるチームとなりたいと思っております。

 
 
 

才田直人選手


 

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コロナウイルスと鎖骨骨折の影響で最終戦のみの参戦になった2020年。最後にレースの感覚を確かめられたことが今考えると大きかったと思います。
個人的に今年は昨年にも増して全国を自転車旅しながら仕事とトレーニングを行うライフスタイルを確立しました。日々走り続けて、やりたいことができている充実感で常に良い状態でレースに臨むことができました。
春先の西日本チャレンジは集団から二人で逃げ切り2位。また表彰台に戻ってこれるとは思っていなかったので、大きな自信になり、最高のシーズンインになりました。周りの方が喜んでくれたことも嬉しかったです。
チームのTOJ参戦も良い刺激になりました。海外チームが来日できない中、春先の結果も評価されて出場を勝ち取れたことは小さなチームの大きなチャレンジになりました。三日間に短縮された今年のTOJでしたが、チームの練習フィールドを舞台にしたレースとして高いモチベーションを持って臨みました。大会期間中はもちろん、トレーニングから試走を繰り返し、試行錯誤してレースに臨めたというのはチームとして本当に良い経験になりました。TOP10を狙っていた個人総合は14位。一歩届きませんでしたが、久しぶりのステージレースは天気にも恵まれて大きな充実感を持って終えました。
今年は昨年に比べるとチームの人数も減り、正直チーム力は大きく落ちました。レース中盤に一人二人しか残っていない、ということも多い中、ただレースの流れに身を任せるのではなく、自分達から何か動かそうというアクションをとれたレースもありました。メンバーが変わっても、チームとしての動きを最低限継続できたのは来年につながると思います。
今年も1年間応援ありがとうございました。
また、出口のなかなか見えない状況下でレース開催に尽力していただいた関係者の皆様、本当にありがとうございました。そしてお疲れ様でした。

 
 
 

小畑郁選手


 

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今年は一年通して気持ちと走りが噛み合わない年になってしまったと思い返しています。
初戦のJBCF播磨はまあまあのトレーニングボリューム&強度の準備ができて臨んだつもりでいましたが、スタートしてみると、2レースともにアクシデントから慌てて対応ミスをするなど結果はDNF。そのまま広島に移動して参戦した西日本チャレンジでも、簡単にメイン集団から遅れてしまってのギリギリ完走。このレースでは終盤に才田選手が留目選手(エカーズ)との思い切りの良いレース運びで逃げを決めて2位に。
この才田選手のリザルトが効いたのか、チームがTOJに参加する事ができました。個人的には約10年振りの参加でした。毎ステージ、チームとしてより良いリザルトを目標として走る…そんな機会が持てて、この年齢になってレースの現場でまた一つ強い気持ちを持つという重要な事を再確認ができた点は収穫でした。最終の東京ステージ、宮澤監督の今までの読みが的確過ぎてそれを盲信してしまい、チームの為に勝ち逃げを潰しに行く動きの判断ができなかった…これは大きな反省点でした。半ばレースを捨ててしまったのと一緒だったと思います。
シーズンを通して距離が長く厳しいレースになるとDNFとなってしまいました。レースを強くイメージしたトレーニングを積んで、ゲームに参加できる力をつけたい。
コロナ禍でもレースが走れた事、チーム関係者、競技会に関係する運営・地元の方々に本当に感謝しています。
ありがとうございました。

 
 
 

門田祐輔選手


 

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今シーズンはフランスでの活動をメインに日本でレースを走る際に所属させて頂きました。今年はエリート1年目と言うこともあり、自分の中では勝負の年でした。
シーズン当初のフランスではコロナの影響でレースが少なく、日に日に状況が変わる状態でした。日本でレースを走る際に所属先があったことは僕にとって非常に良い状況でした。4月にフランスがロックダウンになった時、宮澤監督に相談して迅速にスケジュールを考えて頂きました。5.6月と日本でしっかりと練習し、レースをこなすことができ、フランスでの後半戦に繋げられました。その後半戦で成績を残すことができ、EF education NIPPO development teamへの移籍を決めることができました。
LEOMO Bellmare Racing Team での活動は、短い間でしたが、沢山の応援ありがとうございました。来年からはチームが変わりますが、引き続き応援宜しくお願い致します。

 
 
 

小林弘幸選手


 

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このチームで走る2シーズン目となった今年は、南魚沼で行われた経済産業大臣旗での5位をはじめ、成長を感じる一年でした。去年は完走がわずか2レースだったことを考えるとよくやったと思います。春先から神奈川県のチームハウスに移り競技に集中できたのが大きかったです。充実した1年だったと思います。
今後についてですが、今シーズンをもって選手から身を引く決断をしました。
自転車に乗るのは好きですが、それで食べていけるかは別問題でした。自分はこの2年プロ選手として世界で活躍することを目指してやってきましたが、このロードレースというのが自分には激しすぎて心身ともに余裕がなかったです。これからは趣味として自転車と付き合っていきたいと思っています。
大学から競技を始めて5年という短い競技生活でしたが悔いなくやりきれました。チームスポンサーの皆様、練習を見てくださった宮澤監督、一緒に走ってくれてた選手の方々、秦野での生活をサポートしてくれた石田家の皆さん、支援してくれた家族のおかげです。多くのご支援、本当にありがとうございました。
今後は大学に戻って法律を勉強し直します。将来的には、小学生のころから憧れる法律家として社会に貢献すべく精進していく所存です。
お世話になった皆様には重ねて感謝申し上げます。ありがとうございました。

 
 
 

世古眞太郎選手


 

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今年はLEOMOに入って一年目。初めてjプロツアーに参戦し、高校生だけの全国大会とプロ選手も走るレースで走り方など様々な違いを見つける事ができ、自分にとってとても良い経験で勉強になりました。自分にとってのデビュー戦は石川クリテ、ロードレース初参戦で完走をする事ができ、良かったと思います。しかし今期のレースで完走したレースがクリテを除く石川ロードレースの一戦のみ。他のレースは完走出来なかったのが悔しく、自分の練習不足だと感じます。石川以降、完走が出来なかったにしても自分で挑戦できる動きをもっとすれば良かったと思います。南魚沼ではアタックに反応できる位置にいたにも関わらず反応ができなかったのがとても勿体ないと思いました。
トラック競技は出場した大会は全て賞状を持って帰る事ができました。
東日本トラックでは33バンクでしたが、3km個抜きでは自己ベストで実業団新記録を出す事ができました。競争種目のオムニアムでは、西日本トラックはエリミネイションのみが自分で上手く動けたと思います。他の種目は無駄な動きなど修正点が多かったです。続く、東日本トラックではその経験を活かし、改善に努めて動くべき場面で自分では改善された動きができたと思います。境川の時は調子があまり良くなく、2日目の途中まで思うような走りができず、レースの動きも正直良くなかったです。東日本では成長を感じましたがそこからは不調が続き、成長すべきなのに成長ができてないのが悔しいです。全日本選手権トラックも本来であれば一番良い走りをして誰もが納得するいい成績を出したかったのですが、思うような走りが出来ず皆様にご迷惑をかける事になってしまいました。
今年は今までで最も充実した競技生活になりました。今期できなかった事、失敗を反省し、アクションを起こして挑戦しないと成長しないので、今後はもっと自分からアクションを起こし、挑戦して日々成長を目指していきます。
来年から大学に進学しますが、大学のクラブ活動と実業団の両立が難しいとのことなので、4年間は実業団から離れてしまいます。ですが4年後に更なる成長をしてまた実業団に復帰したいと考えています。
今年一年、レースのサポートをしてくださった方々に心より感謝申し上げます。大学卒業後、実業団に復帰した時には更なる成長をし、今期できなかった事を克服し、磨かれた自分で誰もが認める結果を出します。ご迷惑をたくさんおかけする事がありましたが、一年間ありがとうございました。

 
 
 

Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.