15SEP.2019@第5回JBCF南⿂沼ロードレース, Day-2, JPT #17
第5回JBCF南⿂沼ロードレース
– 新潟県南⿂沼市/三国川ダム周回コース(左回り) –
12km/11周回 132km
1位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 3:26:04 ave38.43km
2位 ロビー・ハッカー(TeamUKYO) +01:24
3位 入部 正太朗(シマノレーシング) +01:38
4位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) +01:38
5位 オールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ) +01:39
6位 孫崎 大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +01:40
…
9位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +01:41
17位 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +02:02
26位 岩瀬 照(LEOMO Bellmare Racing Team) +06:01
54位 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team)
9月16日(日曜日)、Jプロツアー第17戦となる第5回南魚沼ロードレースが開催された。コースは三国川ダムサイトの麓をスタートし、ダムサイトの登りからダム湖の周回道路をほぼ一周。その後ダムサイトの脇を下ってのフィニッシュとなる。今回は前年までとは異なる逆周りのコースが設定されており、登り区間の距離が伸びたものの難易度は下がった印象となっている。Jプロツアーのレースは1周12kmのコースを11周回する132kmで行われた。
今年の南魚沼は、2周目でほぼ決まった。前年覇者のフランシスコ・マンセボ選手(マトリックスパワータグ)ら数名の選手が2周目の登坂区間で先行すると、その後はマンセボ選手の独走状態となる。そのまま約120kmを逃げ切ったマンセボ選手が2年連続での優勝となった。
※今回はプレス班が不在のため、各選手のレースレポートをメインにお届けします。
PHOTO REPORT
南魚沼では岩瀬選手のお父様に撮影して頂きました。いつもとは雰囲気の違う写真の数々をお愉しみください!!
RIDERS REPORT
才田選手:
試走の段階で下りの2つ目の左コーナーが嫌だなと思っていたが落車は起きず。良かった。逆回りになったことで上りは勾配が緩くなり時間は長くなった。周回数が多いので消耗戦になり、タイミングで抜け出せばチャンスはあると思いスタート。
安全策で下ることで、上りは集団後方からという危険な展開。かなり危なかったが、落車もなく、脚は使ったものの序盤の2周をクリア。マンセボ選手の単独逃げと宇都宮ブリッツェン中心のコントロールで落ち着いて距離を消化。自分の位置取りが悪かったこともあり、残り4周から強烈にペースが上がり、中切れを埋めながらなんとか前にジョインする。米谷選手、岩瀬選手もきつくなってきていることを確認。特に米谷選手は怪我の影響もあってアタックに乗るような動きは難しいとのこと。
残り数周の登りも切れかかりながら耐えてラスト1周へ。マンセボ選手の逃げ切りは濃厚で集団は疲弊していて動きたくない空気感。ここから気持ちを強く持って登りの中腹から攻撃に入る。自分も疲労していて脚が残っていないので集団が緩んでくれないと決まらない状況だが、とにかく数を打つ。展開をガチャつかせて周りが脚を使ってくれれば、無理に動かないと決めている米谷選手にも若干は有利か。2回のアタックが失敗に終わって、自分のカウンターで入部選手が行ったところでもう1発。ここに追いついたのは良かったがもう一緒に反応したロビー選手(チーム右京)が異常に強くて1度ローテを回ったところで切れてしまった。結局この2人は逃げ切ったので、ローテを飛ばすなりもう少し冷静に立ち回れば4位はあったかもしれない。その後はしばらく独走して残り4kmくらいで集団に吸収され、スプリントは出来ずに後方でゴール。きつい展開の中で得意とは言えないコースプロフィールだったが米谷選手が9位に入ってくれたのはチームとして良かった。
序盤の展開で無駄足を使ったわりには終盤動けていたので調子は良いと思う。残りの3週間を個人・チーム共に結果を狙いたい。
岸選手:
前週は思うように乗れていなかったので乗れる時に乗って週末を迎える。スタート直後の登り頂上からアタックがかかり、自分も流れで前々で展開。一時的に良いメンバーでの逃げが決まりかけるもマトリックスに封じ込められる。2周目の登りでマンセボ選手らが先行し、そこで一度集団から遅れたが、集団も落ち着いた模様で再度集団に復帰。そこから集団で周回をこなすも全体の半ばあたりで若干のペースアップに耐えれずレースを降りた。
後半戦が始まり、焦りからかレースの前半から動き過ぎて後半脚がない状態が続いてる。次戦の経産旗は気持ちを切り替えて走りたい。
米谷選手:
スタートして集団前方まで上がってみるも、驚くほど踏めない自分がいた。岸選手が前で動いていて、岩瀬選手も自分の少し前に位置取りしていた。集団内の位置を下げながら下り、登りに入るとマンセボ選手(マトリックスパワータグ)らのアタックでペースが上がる。前から降ってくる選手を交わしながら集団にジョインし、ダム湖往路で追走に乗ろうと動いたが決まらず、逃げを容認して集団は止まった。
3周目に対岸をマンセボ選手が単独で走っている事を確認、当初飛び出していた他の選手は集団に戻って来た。集団が落ち着いたところで自分の調子が良くない事をチームメイトに伝える。才田選手も良くないが、岩瀬選手は良いとの事だった。岩瀬選手とは追走に気をつけながら終盤に備えようと話した。
タイム差が最大6分ほどまで開いた時点で宇都宮ブリッツェンがペースを上げてコントロールし始めたがタイム差の詰まり具合は思わしくなかった。1分半程まで詰まった残り3周、オールイス選手(マトリックスパワータグ)のアタックでブリッツェンのコントロールが崩壊。組織的な追走が難しくなり、マンセボ選手の逃げ切りが確定的になった。
自分は集団のペースが上がる中、右ふくらはぎが攣りかけていて、もがくのが不安な状態だった。強くもがくタイミングを作らないように流れに乗りながら集団に残り、残り2周あたりで才田選手にその事を伝えた。岩瀬選手が残り2周の登りで切れた事、才田選手も苦しい事を伝えられた。
最終周の登りで横塚選手(チーム右京)含む数名がアタック。吸収されたカウンターで才田選手がアタック。頂上付近で入部選手(シマノレーシング)がブリッジして行ったがすぐに集団が吸収。さらに才田選手がアタックを続け、3回目のアタックでロビー選手(チーム右京)と入部選手と抜け出したが、前から遅れて中ぶらりんになり、復路で集団に合流した。才田選手が動いてくれていたので、自分は今動いて足が攣り集団ゴールできなくなるというリスクは取らず、温存しながら残り距離をこなしてスプリントへ。下りに自信がなく集団後方で下ったため後からのスプリントにはなったが、垂れてきた選手やスプリントを止めた選手をを交わして集団の6番手でゴール。
先週土曜日の落車の影響が残る中でのレースだった。コースが逆回りになり想像以上に登りの難易度が下がったため、例年より集団が強い展開になると予想した。とはいえ、有力な外国人選手と一緒に動くのは厳しいため、強豪選手が動く前に動いて、前で待って勝負に残ることを目標とした。勝負としてはマンセボ選手の圧倒的な力に国内チームはまとめて一蹴された形だった。地力が違いすぎて、真っ当にやったら勝負にならないとすら感じてしまった。
後半戦の目標の1つだったレースだけに、万全のコンディションで臨めなかったことが悔やまれる。万全の調子で臨み、最終盤のアタックで才田さんと交互に動くなどの作戦が取れれば、表彰台のチャンスもあったと思う。一方で、調子が良くないなりに上手くまとめたとも思う。ベストな形ではなかったが、結果的に終盤に才田さんと連携して自分を温存してもらい、フィニッシュで一桁順位に入ることはできた。怪我から回復してきている証明になると思う。
岩瀬選手:
新潟ラウンドということで応援してくれる方が多く、今年の目標として定めていたレース。先週の群馬よりも調子良く当日を迎えられた。今シーズンでは一番調子が良く、怪我続きの中で予想よりも調子が上がってくれていた。レースは序盤からハイペースになる事が予想され、リアルスタート直後が登りな事もあってウォーミングアップは入念に行ってスタートを迎えた。
予想通り4周目までハイペース。そこでの落ち着きと余裕は自分の中での自信になった。4周目途中から宇都宮ブリッツェンのコントロールで集団も落ち着く。ここでいかに休むかを考え、強豪チームの後ろに位置取りたかったので、米谷さんにチームで固まりたいと声をかけたりしながら周回を重ねた。レース中、ペースの上がった登りでも余裕を持ってクリア出来た事にも自信を感じた。
ただ千切れたのは残り3周の登り。千切れたメンバーで平坦を回してると集団がペース落ちていたので復活することができたが、アタックが繰り返されていてインターバルに耐えつつも残り2周の登りで再度千切れて完全に遅れた。
登りは余裕を持ってクリア出来ていたがラスト3周からの登りでのアタックについていけなかった事はインターバル能力が欠けていた。8月に落車してから下りが怖くて集団内での位置取りも以前より引き気味になっていて無駄に踏んでいた場面が多かったが、今回のレースは自信に繋げる事ができたのが収穫。この身体の感覚を身につけられるようしっかり確認しながらトレーニングを積み、シーズンを良い形で終えたい。
宮澤監督から
(後日掲載予定)
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Shuichi IWASE