30MAY.2021@2021 ツアー・オブ・ジャパン, 第3ステージ 東京
2021 ツアー・オブ・ジャパン, 第3ステージ 東京
– 大井埠頭周回コース –
パレード3.8㎞ + 7.0㎞ x 16周 = 112.0㎞
【第3ステージ総合順位】
14位(→) SAITA Naoto +0:04:38
18位(↓1) KADOTA Yusuke +0:07:16
35位(→) NISHIMOTO Kenzaburo +0:17:47
50位(→) KOBAYASHI Hiroyuki +0:24:30
62位(↑1) OBATA Kaoru +0:34:39
5月30日日曜日、2021 ツアー・オブ・ジャパンの第3ステージ東京を終え、全日程が終了。
今日の狙いは集団スプリントになるだろうという集団の隙をついて残り4kmで門田選手と西本選手が2人で抜け出しての逃げ切り勝負。そのため、集団を疲弊させ、逃げが決まらないように常に集団を活性化させ続けるようにチームが動いていくことを戦略として設定。チームにとっての初めてのツアー・オブ・ジャパン、その最終ステージにLEOMO Bellmare Racing Teamが挑んだ。
序盤から中盤にかけてのアタック合戦にチームで積極的に参加し、集団を落ち着かせないようにレースを展開するLEOMO Bellmare Racing Team。目論見通りになかなか逃げが決まらないままレースが進んでいった。レース中盤までこの展開を引っ張れたのは良かったが、できればもう少し引き伸ばしたかったところ。
最終局面では、才田選手が単独で動いて再度集団を不安定にさせ、カウンターで門田選手と西本選手がアタックするという形で動く。しかし、逃げが上手く決まらずにメイン集団に吸収され、中盤から先行した集団がそのまま逃げ切るフィナーレとなった。
最終盤は監督とのコミュニケーション不足、集団の残った力の把握の見誤り、逃げとのタイム差を正確に把握できていなかったことで上手く動けず。最終的には逃げ切りを許してしまい、チームの作戦は失敗に終わる。しかし、上手く行った点や失敗した点について、レース後に内容のある反省会ができたことは、今シーズンのチームにとっては一番の収穫かもしれない。
PHOTO REPORT
2021年ツアー・オブ・ジャパンの最終ステージのスタートライン。
まずはパレードラン。とはいえリアルスタート直後のアタック合戦に備えて、集団前方でパレードを進めるLEOMO Bellmare Racigの面々。
リアルスタート直後からアタックをかける小林選手。才田選手も集団前方で次の動きを見据える。
勝負を任された門田選手と小林選手はメイン集団の前が見える位置で周回を重ねていく。
小畑選手に前を任せて、才田選手と小林選手は集団横からのカウンター・アタックのタイミングを図る。
この日は小林選手の積極的な動きが目立つ…一方で、ボトル運びなどの献身的な働きも見せた。
最終局面へ向け、チームでまとまり始めたLEOMO Bellmare Racing Team。
ペースが上がり始めたメイン集団は、縦に伸び、蛇行しながら進んでいく。
残り2周回、撹乱のために再度単独アタックを仕掛ける才田選手。
初めてのツアー・オブ・ジャパン。3日間のステージレースを終えた選手達とスタッフ陣。お疲れさまでした。
RIDERS REPORT
才田選手:
レース前のアップ時点でこの3日間で一番脚が軽かった。チームの作戦は最終周回での門田選手と西本選手のアタックからの逃げ切り勝利。そのためにいかにアタック合戦の時間を引き伸ばして、集団を疲弊させられるかがポイントだった。自分からアタックするのではなく、逃げを追う集団からワンテンポ遅らせて追いかけたり、自分が入った逃げが決まりかけた時もローテーションには積極的に入らずに再度振り出しに戻したり、少し脚を使うが集団が活性化し続けるように工夫した。
第2ステージと同様、展開を把握しきれずに最終局面の動きは失敗に終わったが、中盤以降までアタックが繰り返される展開にできた点は上手くいっていたので、勝負に絡む動きをどう作っていくかが次の課題と感じた。3日間を通してチームメイトともレース内外でたくさんコミュニケーションを取れたし、普段はなかなかチャンスのない旅をしながら進むステージレースを楽しめた。
小林選手:
この日の役割はきつい展開を作ってステージ優勝を狙う門田選手と西本選手の動きのサポートをすること。朝は調子が悪く、ウォーミングアップではいつものメニューがきつくて少しワットを落とした。
気温が高かったにも関わらず、レース前半はずっとアタック合戦でうちのチームとしては嬉しい展開だった。個人的にもチーム的にも前半のアタック合戦は良く動けていたと思う。ただ、目の前の選手を追うことで頭が一杯になってしまい、前にチームメイトがいるのに集団をけん引してしまうミスがあったりして、広い視野を持つ必要性を感じた。またレース中、特に逃げができてからののチームメイトとのコミュニケーション不足という課題も残った。
門田選手:
目標は逃げ切り優勝。最終ステージも序盤からアタック合戦が始まり、自分は良い逃げには反応しつつも、自分からはあまり動かなかった。1時間位のアタック合戦の末に5人が抜け出す。そこに自分のチームからは誰も乗っておらず、後手に回ってしまう展開。自分は追走を試みたが上手く抜け出せず、集団ではコントロールが始まった。そこからは集団前方にチームで固まって周回を消化していった。
残り約20km地点の監督の指示で残り3キロ地点でチームメイトの西本選手とアタック、そのままゴールまで逃げ切る作戦。自分と西本選手はイメージした通りの位置でアタック、しかしその直後のコーナーで後輪を滑らせてしまい、西本選手と離れてしまった。この結果、逃げを立て直すことが出来ず、集団から逃げ切ることが出来なかった。集団スプリントには加わらずに遅れてゴール。決めていた作戦に固執し過ぎた為、柔軟に対応することが出来なかった。
この3日間を通して、レース中の判断力がまだまだかけていると感じた。この点を意識してフランスで成績を残していきたい。
宮澤監督から
ゴールを狙う上で、総合で戦っているチームが逃げを容認する展開を考えられなかったのが反省点。レースにおける全ての動きを、自分達が有利になるような展開に結びつけられるよう、全体を通して考える事の重要性を感じるステージとなった。
門田と西本は個々のレースを「自分のアピールの場」として使えるように考える資質が必要。今回はそれが問われるレースとなった。
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.