第10回JBCF輪島ロードレース JPT #19
第10回JBCF輪島ロードレース
– 石川県輪島市門前町 –
12.6㎞/7周 88.6km
1位 雨澤 毅明 (宇都宮ブリッツェン) 2:37:02 av33.84km
2位 土井 雪広 (マトリックスパワータグ) +01:21
3位 佐野 淳哉 (マトリックスパワータグ) +01:22
4位 ホセ ビセンテ (マトリックスパワータグ) +01:23
5位 西村 大輝 (シマノレーシング) +01:32
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7位 米谷 隆志 (LEOMO Bellmare) +01:35
11位 才田 直人 (LEOMO Bellmare) +05:41
13位 横塚 浩平 (LEOMO Bellmare) +07:16
DNF 古田 潤 (LEOMO Bellmare)
DNF 森崎 英登 (LEOMO Bellmare)
DNF 林 祐作 (LEOMO Bellmare)
レース展開
今回で10回目を迎え、今年で最後の開催となる輪島ロードレース。LEOMO Bellmare チームは才田・横塚・米谷・古田・森崎・林の6名で挑む。登りの厳しいコースであり、チームとの相性も悪くないため、チャンスがあれば狙っていきたいレース。何とかして最後の輪島ロードレースに名前を残しておきたいところ。
スタート直後に登りが始まる輪島のコース。毎年、1周回目で20名前後の先頭集団が形成される事が多く、チームとしてはスタート時点で前でまとまって走る事を確認した。また、才田・横塚・米谷は先頭集団に入り、横塚はホセ選手をマーク。古田・森崎・林はスタートを出遅れず行けるところまで粘る様に指示。選手達はスタート直後の登りに備え、入念なアップをこなしてスタートラインへ向かった。
スタートラインでは指示通り全員前に固まって並ぶ。短いパレード走行の後、レースが始まった。
1周回目。才田・横塚・米谷は1つ目の登りを先頭集団で通過する。ここ数レースで調子を上げている米谷は、マトリックスとブリッツェンの主力を含む動きには乗っていき、取り残されないように走っている。エンジンのかかりの遅い才田も集団内をキープ。横塚もペースに苦しみつつもポジションを落とす事もなく前方に上がっていく。
古田と林も集団で登りに入っていくが、ここで森崎にトラブル発生。スタート時にクリートキャッチをミスした選手のハンドルが森崎のシフトに当たってしまい、ダンシング中にインナーに落ちてしまう。結果、集団中盤からのスタートになってしまい、先頭で登りに入ることが出来なかった。
1周回目の2つ目の登り。ここでチームに次の不運が襲う。才田がバイクのチェーンを落としてしまい、落ちたチェーンがフレームに噛み込んで復帰に1分以上かかる。また、古田・森崎・林の3名は、ペースの上がる集団に耐えきれず先頭集団から遅れてしまった。
2周回目。ここでさらにチームに不運が襲う。ホセを徹底マークした状態で1つ目の上りを終えた横塚。その直後の下りのS字コーナーで落車。すぐ走り出そうとするも痛恨のチェーン落ち。チェーンを戻して下り切った時点で前を行く先頭集団から30秒以上離されていた。その後、2つ目の上りを全力で踏むが捕まえられず、後方集団でのレースとなってしまう。
3周回目。徐々に人数を減らした先頭集団は20人ほどに。1つ目の登りでブリッツェン雨澤選手、マトリックス田窪・佐野選手が先行し差が開き始める。マトリックス土井選手が追走集団をコントロールし抑えはじめたところで米谷が追走集団からアタックし追いつく。この動きで先頭集団は10名前後に絞り込まれる。2つ目の登りでも人数が減り、先頭集団な8名程で4周目に入る。ここでブリッツェン雨澤選手が再度アタック。米谷はマトリックス土井選手とブラーゼン吉岡選手らと回しながら登り、1つ目の下りで吸収する。この動きで吉岡選手が遅れ、先頭集団はマトリックスのホセ・土井選手、ブリッツェン雨澤選手、エルドラードのハビエル選手と米谷の5名となる。
米谷は5周回目も先頭集団内で坦々とこなしていくが、5周回目の1つ目の登りで右足ふくらはぎが攣りそうになる。なだめながら走るうちに一度は落ち着くが、6周回目の1つ目の登りで雨澤選手がペースを上げ始め、ハビエル選手が切れる。登りの中腹で米谷も左脚のハムストリングが攣ってしまい、先頭集団から遅れてしまった。脚の攣りも少し治まってきた米谷は、なだめつつ登って20秒差ほどで下りに入る。下りで痙攣はおさまり、前がぎりぎり見える位置で最終周回に入っていく。
最終周回。米谷は1つ目の登りで落ちてきたハビエル選手を抜くも、2つ目の登りの中腹で後方から追い付いてきた佐野選手に抜かれてしまう。2つ目の登り頂上手前で追い付いてきたブリッツェン飯野選手とシマノレーシング西村選手と合流。3名の集団で下り、前方にマトリックス3名の姿を捉えながらゴールを目指す。
ゴール前、飯野選手・西村選手と米谷の3名の集団では、残り250m程で西村選手が先行。米谷も反応するがスリップにつけず離されてしまう。さらにゴール直前で飯野選手に差し込まれ米谷は7位でゴール。
チェーントラブルからも諦めずに走り続け、前から落ちてくる選手を拾いながら第2集団まで戻った才田だったが、リズムを掴み始めたところで…再びチェーン落ち。そして再度チェーンがフレームに噛み込むという不運。再度気持ちをつないで走るもさすがに垂れてしまう。互いにトラブルで遅れてしまった才田と横塚は、3周回目の1つ目の登り頂上付近で合流して周回を重ねて行くが、6周回目に横塚が遅れ始める。結局、才田は11位、横塚は13位でレースを終えた。
また、森崎は2周回目、古田も残り3周回の手前でレースを降ろされてDNFとなる。
一方の林は集団から遅れてしまった後も淡々と周回をこなす。登りでは集団より先行して自分のペースで登り、下りの途中で追い付かれるパターンを繰り返しながら4周回の途中まで粘り続けた。結局完走は果たせなかったが、事前に監督から指示された3周回を超え、米谷・才田・横塚に続く走りを見せた。
大村監督代行から
例年1周回目で20名前後先頭集団が形成される事が多いので、チームとしてスタートを前を固める事を確認した。才田・横塚・米谷は先頭集団に入る事、古田・森崎・林はスタートを出遅れず行けるところまで粘る様に指示。最初の逃げに乗れた横塚は落車で遅れてしまい、才田はメカトラで先頭から出遅れてしまうことで、米谷単独での先頭展開となってしまった。
先頭集団が削られる中、米谷は躊躇せず積極的に展開し、自身の力は出し切れたのではないかと思う。終盤まで先頭の5名に残れたのは評価出来るし、残り2周回でパワーで千切られてしまったが、先頭の立ち回りは良かったと思う。
才田・横塚はメカニカル・トラブルや落車を起こしてしまったが最終的には順位を上げており、トラブルが無ければ先頭集団内で3名で戦えていたのが悔やまれる。
古田は輪島のコースは厳しかったが残りのシーズン最善を尽くしてほしい。森崎・林は、登りはジュニアギアは関係ないとはいえ平坦区間はキツかったと思う。ただレース中盤まで踏めていたので、徐々にその力を伸ばしてほしい。
宮澤監督から
前方でスタートする事で横塚はトラブルがあっても集団の中段でスタートできた。スタートから全員前に並びリスクを少なくすることを感じ、常に起こりうるリスクを回避する事を考えて走ってほしい。
才田のメカニカル・トラブルはチェーンウォッチャーを動かした事で起こってしまった可能性があり、そのあたりはレース前に全て済ませておくべきだっただろう。
米谷は足が攣る中なんとか我慢して走ってくれたと思う。今まで以上に攻めの姿勢を貫き通していることが良いし、上りだけではなくインターバルに強くなってきている。今まで以上に厳しい展開になればなるほど実力を発揮できるタイプになり、才田との連携が今後の鍵になるだろう。
横塚は余計な動きをしないようホセをマークさせたが、相手を確認する事で自分と見ている視野が違うことに気づいてほしいと思う。離れていてもその選手が何を考えているかわかるともっと楽に走れるだろう。勝ちを意識しすぎて空回りすることがあるが、得意なコースで結果が出るためにも落車リスクも含め、次に繋がる走ってほしい。
古田は苦手なコースで完走を目標に走ったが、トレーニング不足と力不足が出た結果となった。高校生2名は輪島程度の登りはなんとか我慢してほしかった。若い選手こそ輪島のような短くパワーが必要な登りで我慢してついていく事を繰り返し、チカラを身につけていってほしい。
次の群馬は得意なコースなので、走りに期待している。
才田 -10,000
横塚 3,000
米谷 30,000
古田 -10,000
森崎 0
林 0
PHOTO REPORT
追記: 10月14日、高木秀彰カメラマンの訃報が伝えられました。チームのFBにも書かせていただきましたが、チームレポートでも最後となった輪島ロードレースでの高木さんの姿を記憶として残させて頂ければと思います。高木さんに撮って頂いた写真だけでなく、選手達にかけて頂いた言葉の数々は、それこそ高木さんが大好きだった星の数ほどかと思います。もうレース現場で高木さんの笑顔に出会えないと思うと悲しいばかりですが、高木さんに撮って頂いた沢山の写真は残り続けていきます。チームとしても前を向いて、恥ずかしくないレースを続けていきます。
高木さん、今まで有り難うございました。
ご冥福をお祈りします。
レース当日、スタート直後から登りが始まるため、アップの強度も普段より高め。選手達の顔からは汗が滴り落ちる。
予定通り前方に並ぶ選手達。才田選手はバイクを置いてお散歩(?)へ…横塚選手はTOP10のためこの後最前列に並ぶ。
落車とメカトラで遅れてしまった横塚選手と才田選手。必死に前を追う二人。
この時は1人が逃げ、追走集団内で2つ目の登りに向かう米谷選手。
ジュニアギアで4周回半まで粘り続けた林選手。先日の赤城山ヒルクライムに引き続き、調子も戻りつつあるか?
先頭集団で粘り続けたが、脚が攣ってしまいドロップしてしまった米谷選手。単独で先頭集団を追う。この時撮影しながら思わず「あぁ…」とため息を漏らしてしまいましたが、そのため息が米谷選手に聞こえていたらしく「思わず後ろ振り返っちゃいましたよ(笑)」とレース後に米谷君にツッコミ頂きました(汗)。撮影班もキモチが入っちゃうんです…
最後はゴール直前でブリッツェン飯野選手に差されてしまい、7位でゴールする米谷選手。
Text: Kensaku SAKAI(FABtroni+camera), Yutaka OMURA and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)