17MAR.2018@第1回JBCF修善寺ロードレース Day-1, JPT #03
第1回JBCF修善寺ロードレース Day-1
– 日本サイクルスポーツセンター –
8㎞/10周 80km
1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ・アルコレア (マトリックスパワータグ) 02:22:32 av33.67km
2位 黒枝 咲哉 (シマノレーシング) +00:00
3位 横山 航太 (シマノレーシング) +00:01
4位 岡 篤志 (宇都宮ブリッツェン) +00:01
5位 窪木 一茂 (チームブリヂストンサイクリング) +00:05
—
12位 才田 直人 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:30
30位 米谷 隆志 (LEOMO Bellmare Racing Team) +07:41
37位 岩瀬 照 (LEOMO Bellmare Racing Team) +08:49
DNF 小嶋 渓円 (LEOMO Bellmare Racing Team)
LEOMO Bellmare Racing Teamの2018年Jプロツアーは、今シーズンから新たに組み込まれた修善寺2 daysが初戦となった。天気は晴れ、ではあったがかなり冷え込んだ土曜日の朝。会場に到着したチームカーから見慣れた顔や新しい顔が飛び出してくる。
先シーズン共に戦ってきた横塚・古田・森崎の3選手はそれぞれ新しい世界へ飛び込んでいき、新加入は小嶋・岩瀬の2選手。今年のチームは才田・米谷・小嶋・林・岩瀬の5選手をメインに戦うことになる。昨年Jプロツアー1勝とJAPAN CUP オープンレースで勝利を上げた横塚選手、彼を支えた古田選手、そしてJBCFユースで1勝を上げた森崎選手の退団による戦力ダウンは正直否めない。ここは新加入の小嶋・岩瀬の両選手の活躍に期待したいチームであったが、この初戦は2つの両極端な「驚き」をチームに残す結果となった。
土曜日は8kmを10周回する80kmのレース。日本サイクルスポーツセンターで通常使用される5kmコースに3kmコースが追加された設定で、いつもより厳しさが増すコースとなった。午前中に降り注いでいた日差しがなくなり、風の強さもあって、持ち込んだ防寒具を全部着込まなければ耐え切れない気温の中、13:50にレース開始。
チームオーダーとしては、米谷選手が前半から前で逃げのメンバーをチェックし、レース後半で才田選手が勝負に出る展開。レース前半の対応を任された米谷選手は、タイ合宿後半から続いていたFTP付近を超えると急激に苦しくなる感覚がレースの2日前から抜けはじめ、体調は悪くないと感じつつスタートラインに並ぶ。集団の利があまりなく、序盤の有力な動きが決まる可能性込みで後方待機は危険だと考え、マトリックス・ブリッツェン・シマノ・ブリヂストンを含む動きには序盤から反応していく作戦でスタートしていく。
この直後、いきなりチームに1つ目の「驚き」の知らせが入る。1周回目の下り区間。最初のコーナーへ集団の20番手付近で入っていった小嶋選手がオーバースピードで落車。自身がレースに復帰出来なかっただけでなく、他の選手を巻き込んでしまう結果となってしまった。
レース前は心拍の上がりもよく脚も軽く感じていたので調子は良いと感じていた小嶋選手。同時に新しい環境での初戦で結果を出さなければならないという「焦り」があったのも事実。レース後「落車をしてしまうと他人を巻き込んでしまい、怪我をさせてしまうことを痛感しました。今後は冷静に、コースの下りと危険な箇所をしっかりと意識をするようにします」と反省している。
1周回目でいきなり1名を失ってしまったチーム。レース前半は予想通りブリヂストン・シマノ・ブラーゼンなどの有力チームが集団前方で激しく動くが決定的な逃げは決まらない展開。この頃、米谷選手は集団前方で孤軍奮闘。有力チーム含む動きに次々と対応していくがなかなか集団が割れない状況が続く。一方「小嶋の落車でビビって」と後方待機を選択した才田選手。前走者との車間をあけて集団が落ち着くまでの序盤の数周回をやり過ごす。
レースも後半に入る5周回目、ここで動き出すレース。
岡選手(ブリッツェン)のアタックに米谷選手が対応したところでさらにブリッツェン・マトリックス含むカウンターアタック。危険だと判断して反応し続けた米谷選手だったが1人では厳しい状況。回復しきれないまま山岳ポイントを通過。登り返しの中でもブリッツェン・ブリヂストン勢の反復攻撃が続き、かなり苦しくなった2号橋からの登りで土井選手(マトリックス)が抜け出しを図った時点で限界が近づいてくる。
6周回目。集団前方では再度2号橋からの登りで動きが発生し、カウンターアタックが繰り返される。7周回目手前の登りで主要チームを全て含む抜け出しがあったがチームからは誰も乗ることが出来ない。7周回目。向かい風のホームストレートを他チームの牽引の背後で耐え、勾配が増すところでブリッジを図るが集団もついて来る。7周回目の山岳ポイント登り終盤でさらにペースが上がり、そこは集団前方で耐えた米谷選手だったが次の登り返しで一気に足が動かなくなり千切れてしまう。
レース前半から繰り返されるアタックに対応し続けた米谷選手。最後までは耐え切れず、まだタイ合宿の疲労を感じる走りだったが「スタート直後からしっかり体が動いたのは良かった。5周目に苦しくなるまでは注意すべき動きには対応できていたと思う」と語る。一方で「反面、5周目までにほぼ足を使い切ってしまった事は問題だった。自分の今の力を正しく把握できていなかった。去年の宇都宮ロードと同じ失敗をした。また、レース中チームメイトと一切コミュニケーションを取らなかったことも問題だった。なかなか集団が割れないと感じた時点で一度才田さんと合流し、冷静になっていれば終盤の余裕が変わったかもしれない」と反省の弁。この後、グルペットと合流し、前に20人以上いるのは分かっていたが…一応グルペット集団の先頭でゴールした米谷選手は30位。
この時点で米谷選手を失い単騎となった才田選手。最終周回まではメイン集団に食らいつく。その後、優勝争いのスプリントには入れず3人の第2集団でゴールし、初戦を12位で終えた。レースとしては「序盤に後ろに貼り付けにされていたせいで後手後手になってしまい攻勢に回れなかった」とのコメント。「前半は米谷が前の動きに対応してくれていて助かった。岩瀬は最も力を使わない良い位置で走れていたと思う」とキャプテンとしての目も。
さて、その岩瀬選手。
LEOMO Bellmare Racing Teamの新人高校生ライダー。はじめてのおつかいJプロツアーレースは集団20番手以内の位置をキープすることを目標にスタートしていった。レース開始直後から3周回目までは集団の密集度に慣れることが出来ない。20番手以内に位置取りすることは出来てもハンドルが当たるなどの恐怖心から譲ってしまうような状況が続いた。4周回目からは集団走行にも少し慣れた模様で集団前方で見かけることもしばしば。
レース前「初のJPTレースでペースはどれくらいなのかなど想像もつかずに不安は沢山あった」と語っていたが、グルペットとは言えJプロツアー初レースを37位で見事完走。通常より登リ下りが厳しいコースを不利なジュニアギアで走り切った事になる。この岩瀬選手の完走はチームへの2つ目の「驚き」をもたらした。
宮澤監督から
米谷はまだタイの疲労が抜けていないと思われる時期だったが、自分の仕事をできる範囲で行えたと思う。疲労の取り方と、今後のトレーニングの積み上げが大事になってくるだろう。岩瀬は集団内でのポジションも良く走れていた。自由に走りたい位置で走れるようになる事がまずは大事。今後展開が見えてくればアタックに乗っていかれることもできるようになるだろう。才田は思った以上に体が動かなかった。寒さという事もあるが今後ウォームアップクリームの内容も検討する。
PHOTO REPORT
レース後半、米谷・岩瀬両選手を失い、メイン集団付近で孤軍奮闘する才田選手。
メイン集団から遅れてしまった米谷選手。粘り続ける岩瀬選手と合流し完走を目指す。
Text: Kensaku SAKAI(FABtroni+camera) and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)