08APR.2018@第43回チャレンジサイクルロードレース

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第43回チャレンジサイクルロードレース
– 日本サイクルスポーツセンター –
■ A-E 5㎞/13.5周 69km


1位 入部 正太朗 (シマノレーシング) 1:55:46  av35.75km
2位 徳田 優 (TeamUKYO) +00:03
3位 平塚 吉光 (TeamUKYO) +00:16
– – –
4位 才田 直人 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:22
9位 米谷 隆志 (LEOMO Bellmare Racing Team) +02:06

■ A-U 5㎞/12.5周 64km


1位 中井 唯晶 (京都産業大学) 1:46:38  av36.00km
2位 尾形 尚彦 (中央大学) +00:00
3位 佐藤 遼 (法政大学) +00:00
– – –
20位 小嶋 渓円 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:59

 


 

今回は4月8日に開催された第43回チャレンジサイクルロードレース2日目のレポートをお届けします。Jプロツアーの初戦に引き続き修善寺でのレース。LEOMO Bellmare Racing TeamからはA-Eクラスに才田・米谷の2選手、A-Uクラスに小嶋渓円選手が出場しました。

 


 

A-Uクラスに出場した小嶋選手。レース中盤に出来た勝ち逃げ集団に乗ることができず集団での20位ゴールとなりました。ただ先日のJプロツアー戦で落車DNFとなり、その怪我の影響も心配でしたが後半は動けるようになったとのこと。レース前の調整方法も見直して今週末のJプロツアー戦での活躍に期待です。以下、小嶋選手のレポートです。

 

小嶋選手:
レース前の心拍の上がりが妙に高くあまり調子が良くないと感じたので序盤は集団で待機して後半にかけて動こうと考えた。レースは登りの度にアタックがかかり、下りで吸収の繰り返しだった。レース前半の自分は心拍的にとにかく辛く、集団の15番手位で付いていくのがやっとだった。5周目に秀峰亭の後の登りで6名が先行したが、自分は集団で耐えることしか出来なかった。
そこから7周目までは少しペースが落ちたので休むことができた。8周目から10周目はペースが上がっても序盤ほどは辛くなかったので早稲田の選手と一緒に先頭を引いたが、思うようにローテが回らず逃げとの差が広がってしまった。そこから最終周回まではまたアタック合戦になった。ここからやっと動けるようになり、慶応の選手のペースアップに反応し15名位の集団で最後の登りに。ラスト300mで仕掛けたが、早めに仕掛けた法政の2名に追いつけずにゴール。
こんなにも心拍が辛くなったのは初めてだった。良かった点は後半にかけて動けるようになったこと。また、脚的にはまだ余裕はあったこと。心拍が上がりすぎて辛いのは、レース前に心拍への刺激が不十分だったと思う。レース前日に軽く心拍に負荷をかけて慣らすようなにし、脚・心拍ともにフレッシュな状態でレースに臨む。

 


 

A-Eクラスには才田選手と米谷選手が出場。昨年は元チームメンバの横塚選手(現TeamUKYO)が逃げ集団に入り、最終周回の最後の登りでロングスパートをかけて優勝。今年もチームの活躍に期待がかかります。
例年序盤に有力な小集団ができそのままの逃げ切りが多いレースということで、米谷選手は有力な飛び出しを逃がさないことに注意してしてスタート。一方の才田選手はいつも通り後方からスタート。参加者のレベルに差があるので中切れに注意しながら序盤の数周回をこなす。レース序盤からTeamUKYOが集団を絞りにきていることは明らかだったので、TeamUKYOの選手を含む動きには確実に反応していく。

 

3周回目付近。TeamUKYOの平塚選手とシマノレーシング湊選手を含む5人程の中に米谷選手も入り集団から先行する。しだいに集団との差が開いていく中、集団待機の才田選手は集団に疲労の色が見えると判断しブリッジをかける。その後才田選手も先行集団に合流し9名程度の逃げ集団が形成された。

 

タイム差が開き集団が安定してからは淡々とローテして距離を消化していく。この状況下で米谷選手の課題が見えてくる。他の選手がローテーションを飛ばして体力を維持する一方、米谷選手は下がってきた選手にローテに入るよう促されて上手く休めず、むしろ普通にローテに入っているより消耗する悪循環。小集団になった時に脚を使わないように立ち回れないのは昨年のJプロツアー秋吉台ロードレースから引き続きの問題点。自分がきついことを声を出してアピールするなど、今後同じ失敗を犯さないように何をすべきかをはっきりさせる必要がある米谷選手。

 

残り5-6周回付近。ペースが苦しく感じるようになってきた米谷選手はそのことを才田選手に伝える。才田選手は30位以内で全日本選手権の資格も意識して走るように、ローテは飛ばして良いと指示。才田選手としてはこのままアタックがかからずに周回を重ねれば米谷選手が千切れてもメイン集団に捕まらずに逃げ切れる可能性があるとの読み、あくまで淡々と回ることを意識していく。前回のJプロツアー修善寺ではレース中のコミュニケーションがほとんど取れていなかったが、今回のようにチーム内で状況を理解し合う事で終盤に向けた各自の動き方もより明確になってくる。

 

残り4周回。苦しい米谷選手にさらなる追い打ち。ホームに向かっての下りでチェーン落ちが発生、立ち止まらず復帰するもさらに体力を削ることになる。

 

残り3周回。2周回目に入る前の秀峰亭の登りでアタックがかかり先行集団は活性化する。ここで米谷選手は先行集団からドロップ。才田選手は米谷選手を失った状況とスプリントでは勝てない点を考慮して先手で動くことを意識し、自分から積極的に動き始める。

 

ラスト周回に入る秀峰亭でペースアップを繰り返してTeamUKYO徳田選手と抜け出すも入部選手と平塚選手に捕まる。さらに湊選手が追ってきていることから入部選手はツキイチ。湊選手が追いつくと同時に湊選手が自らアタックして入部選手はまたもツキイチの状況に。湊選手を吸収するタイミングで今度は徳田選手がアタック。ここで入部選手が反応していくが、才田選手はいっぱいでついて行くことが出来ず、平塚選手と2名で追走状態になる。ただ前に同じチームの徳田選手が入っている平塚選手は当然ながら追走に協力してくれない。才田選手が引いて最後の秀峰亭で平塚選手に置いていかれ、才田選手は4位でゴール。それぞれ2名ずつを残したシマノレーシングとTeamUKYOの波状攻撃に沈んだ結果となった。
一方の米谷選手。先行集団からのドロップ後、メイン集団までは2分程あることを確認しメイン集団からは逃げ切るためにペースを刻んで9位でゴールした。

 

チームの連覇は達成できませんでしたが、前回の反省点を改善しつつ次に向けた課題も見えてきたレースとなりました。以下、才田選手と米谷選手のコメントです。

 

米谷選手:
狙い通りに有力な小集団に才田さんと2人で入れたことは良かった。予想通りに展開したので中盤まで慌てることはなかった。また、懸案だった全日本参加資格も獲得した。反面、中盤までに無駄足を使い勝負が始まったとたんに遅れ、終盤なにも出来なかったのが最大の問題だった。
の最低限の目標は全日本参加基準の30位以内。コースの性格の近い前回のJプロツアー修善寺1日目と比較すると、千切れるまでの時間とNP、5分以下の各ピークパワーがほぼ同じだった。このデータが今の自分のパフォーマンスに近く、2レースとも序〜中盤に同じような脚の使い方をして同じように苦しみ千切れたと考えられる。短期的にはこのリミットを踏み越えない範囲で展開できればリザルトを改善できるのかもしれない。トレーニングを積むのは当然として、記憶が鮮明なうちに何が無駄だったか、どうすれば良かったのか考えてみようと思う。

 

才田選手:
先頭集団を破壊して単独で逃げ切るには実力不足。数的不利もあって後手に回った瞬間にとにかく追わされる展開になってしまった。ただ9人の逃げに米谷と二人で入れたことは今後につながる内容で、去年の終盤を思い出すようなレースだった。今年も徐々に連携を深めるような走りで勝利を狙いたい。最後単騎になった場面で自分がきつい時にアタックを繰り返せたことはコンディションが上がってきている証拠だと思う。
「自分がきつい時は周りもきついはず」
 


 

Text: Kensaku SAKAI(FABtroni+camera), Photo: Itaru MITSUI/三井至