09JUN.2018@第2回JBCF那須塩原クリテリウム, JPT #09

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第2回JBCF那須塩原クリテリウム
– 栃⽊県那須塩原市 –
2.3㎞/27周 62.1km


 

1位 ホセ・ビセンテ・トリビオ (マトリックスパワータグ) 01:25:18  av43.67km
2位 アイラン・フェルナンデス・カサソラ (マトリックスパワータグ) +00:26
3位 松田 祥位 (EQADS) +00:26
4位 木村 圭佑 (シマノレーシング) +00:26
5位 雨澤 毅明 (宇都宮ブリッツェン) +00:31

DNF 米谷 隆志 (LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 小嶋 渓円 (LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 岩瀬照 (LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 才田 直人 (LEOMO Bellmare Racing Team)

 


 

梅雨入り宣言の関東地方でしたが当日は晴れ。
すっきりとした青空の下で開催された第2回JBCF那須塩原クリテリウムのレースレポートをお届けします。
レース開始時間に余裕をもって会場入りした選手たち。指定されたチームエリアは正面に仮設トイレで背面がゴミ箱エリア。選手にとっては便利な立地でしたが、広報班にとってはどうしても背景にトイレかゴミ箱が入ってしまうという悪条件でした(笑)。ここでチームにちょっとしたトラブル発生。JBCFから事前に配布されたテクニカルガイドのポディウムサイン参加チームリストにはLEOMO Bellmare Racing Teamの名前が。時間通りにポディウムに向かい、他チームと談笑していると…「ポディウムサインのリストに入ってませんよ」と運営スタッフの方に言われる事態発生。どうやらテクニカルガイドが間違ってたみたいです。苦笑いしながらチームテントに戻る選手でした。

 

新潟県自転車競技選手権で2位に入るなど調子を上げていた岩瀬選手。ここ数日はカラダが重く調子が上がらない状態でレース当日を迎えた。森井マッサーの入念なマッサージとストレッチで張っていた筋肉と筋をほぐして準備を進める。米谷選手と小嶋選手はレースのあいた週末に2人で遠出のライドへ出かけていた模様。仲良き2人。いまだに右膝の状態が気になる米谷選手は、ここ1週間の練習を軽めに調整してこの日を迎えた。疲労が抜けた分、体の感覚は悪くないとのこと。コーナーと立ち上がりのダッシュを繰り返す今回のコース。特性上スタートからきついのは予想できたので全選手がしっかりと脚を回しスタートラインに向かう。

 

ちょっとしたハプニングもありつつも、12時20分に2.3kmのT字型コースを27周する62.1kmのクリテリウム・レースがスタート。太陽が一番高い時間帯なだけに、那須塩原駅前のアスファルトの上は数分歩いただけで汗だくになる暑さ。加えて3つの180度コーナーと2つの90度コーナーを繰り返すコース。体力と脚を削られ続けるサバイバルなレース展開が予想されました。

 

レース開始直後からアタックと吸収が繰り返されるレース展開。全く安定しないまま周回が続き、集団後方の選手にとっては地獄のようなレース序盤。LEOMO Bellmare Racing Teamにとっては予想通りではあったが、その展開に対応することが出来ず、次々とレースを降ろされてしまう。

 

まずは才田選手。数周目から集団後尾で走る苦しい展開。コースの形状的に集団前方で走らなければならないのは分かっているが、スタート直後の不安定な集団内で積極的に位置取りが出来ず、頻繁に発生する中切れを埋め事が出来ずに赤旗を振られてしまう。

 

一方の岩瀬・小嶋・米谷の3選手は一時チームで固まる場面も見せるものの、一人また一人とレースから去ってしまう。

 

調子に不安を抱えていた岩瀬選手はハイペースな展開に対応する事ができずただただ耐えるのみ。米谷選手と小嶋選手の近くチームとしての位置取りを優先に走るが、一度位置を落としてしまうと元に戻ることができない。先輩2人の背中からたった2-3人分後ろでも上がり切ることができないという厳しい展開の中、毎コーナーで脚を削られ、インターバルに耐える事しかできずにレースを終えた。レース後には「このハイペースのレースで生き残るためには、当たり前のことだが、まず極力スピードのアップダウンの少ない前に位置取る。その当たり前のことをしっかり出来るように、コンディション整えて疲労をしっかり抜いて、また明日、今日の反省を活かしチャレンジする」と語った。

 

小嶋選手には「一瞬の油断」という魔の手が伸びる。「ハイペースで伸び縮みが凄かった」とコメントした小嶋選手。序盤は米谷選手と2人で集団の20~30番手でまとまって走るも、1/3を消化したところの180度コーナーで少し油断してしまう。一気に集団の最後尾まで落ちてしまい、そこから上がることができずにレースを降ろされる。レース後に「180度コーナーの立ち上がりがキツかったが、その後のコーナーの手前で少しだけ緩むので、そこで出来る限り集団の前に行こうとした」と語った小嶋選手だったが一瞬の油断で位置取りを失ってしまう。これぞクリテリウム・レースの厳しさなり。ただ、前回の宇都宮クリテリウムと比較すると米谷選手とまとまって走れたため、集団の位置取りは比較的楽だったとのこと。レース中にコミュニケーションも取れたことで少しリラックスを出来た場面もあった。レースの合間の遠出ライドで深まった2人の関係。

 

比較的位置取りの上手い米谷選手。スタートから2周程で集団前方に上がり、シマノレーシングが固まっている後方付近に小嶋選手と固まって位置取るが、なかなか安定せずに上がり直す動きを何度も繰り返す。小嶋選手も失ってしまい、コース上に独り残されてしまった米谷選手。レース中盤にホセ選手(マトリックスパワータグ)と雨澤・阿部選手(宇都宮ブリッツェン)の逃げで集団が一旦緩んだところで番手を落としてしまう。不運なことに前に戻れないでいる最悪のタイミングで逃げ吸収にむけての動きが始まる。強烈なペースアップで千切れてくる選手を脚をつかってかわしながら20人ほどの集団の最後尾で走らなくてはならなくなる展開。結果、レースの半分弱を残して勝負集団から切れてしまう。その後は追走集団で完走を目指したが、残り3周で降ろされてしまった。レース後の米谷選手は「3名の選手が逃げて集団が緩んだ時に番手を落とし、それをすぐに取り返しに行かなかったことが今日最大の失敗だった。すぐに次のペースアップがあるのは理解していてたのに、コンチネンタルチームが固まっているところまで上がるのを躊躇してしまい中途半端なところまでしか行けず、結局中切れに巻き込まれ脚を使い、そのまま振り回されて切れた。譲ってはいけないところで譲ってしまった気合い負けだった。さらに、Uターンが他選手に比べ圧倒的に遅かった。序盤は集団の中で誤魔化せたが一列になると誤魔化しが効かなくなり、立ち上がりで毎回1人だけ遅れ脚を使った。もともと得意ではない低速コーナーが、宇都宮クリテのUターンでの落車でさらに怖くなった。スキル練習の時間をとるなどして克服する必要がある」とコメント。右膝を含めてカラダの調子は悪くなく、レース中のパワーも出ている状態。あとは躊躇しない強いキモチとテクニックが課題かもしれない。

 


 

宮澤監督から
 
クリテリウム小嶋選手と米谷選手を中心に岩瀬選手と共に集団内で集団前方での位置取りを目標にするよう指示。米谷選手はアキレス腱の痛みからトレーニングができず、岩瀬選手は体調不良。エースとして走る選手の体調が悪く終始展開に絡むことができなかった。今年のレースは体調の良い状態でキープすることに不安要素が多く、苦手とはいえクリテリウムで完走すらできない現状は前半戦で打破したいと思っていた。未だそれが出来ない点は選手個々の問題ではあるが気持ちを切り替えてロードに集中してほしい。

 


 

PHOTO REPORT

 

快晴の那須塩原駅前。天気が良いと選手も笑顔。岩瀬選手は森井マッサーの入念なマッサージを受けてレース前の準備。
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この日も美味しい差し入れが…すでに少ししか残ってない!!。
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呼ばれたはずのポディウム・サインを待つ選手たち。しかし、スタッフさんに「リストに入ってませんよ」と言われて苦笑いでチームテントに戻りました。
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気を取り直して、レースに向けてウォーミングアップ。
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招集エリアにて、なんとなくEXILEのChoo Choo Train状態な3人。
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スタートし180度の第1コーナーをクリアする選手たち。このコースは180度コーナーが3箇所と90度コーナーが2箇所設定されており、ターンとダッシュを繰り返す厳しいコースとなっている。
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序盤は若手3選手がまとまって走るシーンも。
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この段階で遅れてしまう才田選手。集団後方で頻発する中切れを埋め切れずにDNF。
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集団後方で苦しむ岩瀬選手。この後で力尽きてしまいDNFとなった。
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小嶋選手も米谷選手の近くで粘るが「一瞬の油断」で集団最後尾まで位置を下げてしまう。赤旗を振られレースを降りた。
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メイン集団で粘る米谷選手。やはり位置取りの上手さがクリテリウムでは生きる。
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最後に残った米谷選手を応援する大村監督代行と才田選手…というか、ベテラン選手たちがニヤニヤと野次ってる現場(笑)。
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そんな米谷選手も油断から勝負集団から遅れてしまう。追走集団内で積極的に動いて20位以内での完走を目指すも赤旗を振られてレース終了。この時点でLEOMO Bellmare Racing Teamの全選手がコースから去ってしまった。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera