12MAY.2019@第6回JBCF宇都宮クリテリウム, JPT #06
第6回JBCF宇都宮クリテリウム
– 栃木県宇都宮市/ 宇都宮清原⼯業団地内 –
3km/20周回 60km
1位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) 1:18:53 ave. 45.63km
2位 黒枝 士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
3位 窪木 一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
4位 沢田 桂太郎(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
5位 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) +00:00
6位 大久保 陣(KINAN Cycling Team) +00:01
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33位 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:17
65位 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team) +02:10
DNF 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team)
Jプロツアー宇都宮2連戦の2日目は今季第6戦となる第6回JBCF宇都宮クリテリウム。宇都宮市内の清原工業団地へ場所を移してのクリテリウム・レースとして開催された。清原工業団地内に設置されたコースは6箇所の90°コーナーと1箇所のヘアピンコーナーで構成され、Jプロツアーではこのコースを20周する合計60kmのレースとなる。前日と比べて朝は少しひんやりとする会場ではあったが、Jプロツアーのレースが始まる頃には強い日差しが降り注いだ。
前日と同様にLEOMO Bellmare Racing Teamからは才田・岸・中川の3選手が出場したが、この日のエースは中川選手。まだ19歳の若手選手ではあるが、チームとしては彼のスプリント能力を伸ばしていきたい。レース中は才田選手と岸選手がアシストし、最終盤にどれだけ良い位置に中川選手を連れて行けるかがポイントになってくる。
12時50分にレースがスタートすると、集団はハイスピードで周回を重ねていく。この中で才田選手は序盤から集団の最後尾。実は宇都宮2連戦の前に肋間筋を痛めており、ダンシングが辛い状況。コーナーの度に減速と加速を繰り返すクリテリウムでは立ち上がり時にダンシングで加速できないと集団に付いていくことが厳しくなってくる。粘る才田選手ではあったが、なかなか前に上がる事が出来ないまま集団からも遅れて赤旗DNFとなった。
一方、岸選手と中川選手は集団内でレースを進める。序盤から集団前方で周回を重ねていた岸選手は4周回目に形成された12名の逃げ集団に入る。逃げ集団内ではこのまま逃げ切りたいシマノレーシングらの選手と、あまり積極的ではない選手達に分かれていたが、岸選手は逃げ切りを目指して逃げ集団の前方で積極的にペースを作っていく。一方、メイン集団はキナンサイクリングチームが主にコントロール。1分に満たない差をキープして周回を重ねる。
レースも中盤を過ぎると徐々に逃げ集団とメイン集団の差が縮まり始める。15周回目付近で全ての逃げの選手が吸収されると、メイン集団の先頭付近ではシマノレーシングやチームブリヂストンサイクリングの列車の争いに。集団に戻った岸選手は中川選手のアシストに動こうとするが、目の前で発生した落車に巻き込まれて集団からドロップしてしまう。その後、集団を追走するも、スプリントに向けて速度の上がった集団に追い付くことは出来ず、集団から遅れてのフィニッシュとなった。一人残された中川選手。活性化する集団の中で孤軍奮闘し、残り数周までは集団前方に上がってなんとか粘り続ける。しかし最終スプリントに向けてさらに激しさを増した集団には付き切れず、最終周回中に集団から遅れての完走となった。
才田選手レポート:
練習も兼ねて2時間半ほど乗ってからスタート。逃げに乗ることが目標だったがスタートからの立ち上がりなど強度に耐えられす後方に。中途半端に前に上がろうか迷う動きが多くて無駄に足を使ってしまった。最後は集団からも切れて赤旗。メリハリをつけて休むところと番手を上げるところをはっきりさせるべきだった。
疲労感が大きいので次のレースまでに状況を整理して準備したい。
岸選手レポート:
前日のロードレースが情けない走りだったので、この日のクリテリウムはなんとしてもと思いつつスタート。4周目にできた逃げに乗る。自分としては小集団スプリントの方が有利だと思い展開としては最高な状況。メンバを見るとシマノレーシングの4人の他に平坦に強いメンバが乗っているのを確認するが、やはりこのまま行っても勝負はできないと考えたチームブリヂストンサイクリング、宇都宮ブリッツェン、キナンサイクリングチームは徐々に回らなくなる。シマノはこのまま行く気で、自分と思惑が一致してる為、全力で回るがメイン集団の牽引が強力で残り6周付近で吸収。
この時まだ余裕があったので中川選手のアシストに動こうと引き続き集団先頭で待機するも、全く中川選手が見当たらず、集団後方に下がるとコーナーの度に脚を使う走り方をしていて無駄に感じた。ラスト3周のホームストレートで再び番手をあげようとしたが、そのタイミングで目の前で落車が発生して集団から遅れてゴール。
展開こそ作れたものの結果が出てないので一回身体をリフレッシュさせ、もう一段階上げたい。
中川選手レポート:
今回は数少ないクリテリウムで、以前から自分にとってチャンスだと狙っていた。観客も多いのでモチベーションも高かった。ウォーミングアップは宿舎から岸さんと一緒に鬼怒川沿いを走り、ゆっくりと強度を上げていった。途中で少し強度を上げてみた感じでは、脚の調子は悪くなさそうだった。スタート前に、ヘアピンの立ち上がりは脚を残すために毎回全力で踏まなくてもいい、ホームストレートが向かい風なのでペースが落ちるから番手を上げやすいと宮澤監督に教えてもらって、意識して行いながら走った。レースがスタートして、序盤は集団後方で走って、このままではいけないと前へ上がる。しかし、位置取りがうまく出来ずに集団前方をキープすることは難しかった。それからも脚をセーブして走ることができずに消耗し、最終周でペースが上がったところで集団から遅れてゴール。
課題は密集度を恐れずに集団前方に位置取ることや、他の選手の動きに追随して前に上がっていくこと。またチームメイトとのコミュニケーションや同じように動くことがまだまだ出来なかった。今回できなかったことを一つ一つ改善して、これからのレースでは展開に絡んでレースを楽しめるようになっていきたい。
宮澤監督から:
岸選手は良い動きで逃げに入った点は評価できる。才田選手はダンシングができない致命的な状態だったが、我慢の走りはできていた。集団コントロールも視野に入れていたが、岸選手が逃げた事で仕事の内容が変わったのは良い事とも言える。
中川選手は岸選手と同じ位置でレースを見ることができていたらレースの動きがさらに読めるようになるだろう。今回は初めてエースという立場で走ったが、レース中盤では中途半端に集団後方に位置していたように見えた。また、まだまだJプロツアーの集団内で落ち着いて走る余裕がなかった。宮澤がトレーニングして、一緒に走れるレベルになれば最後まで教えられるのだが…(笑)。あとは岸選手が集団に吸収された時点で近くに行ってコミュニケーションを取らなければならなかった。残り2周回で前に上がる動きも見せていたが、風を受けている時間が長いようにも見えた。それらの点を上手く改善できれば得意のスプリント力を発揮できるようになるだろう。
クリテリウムは全体を通して「休める時間が無い」と考えた方が良い。前方に上がっていっても、常に前に前に位置取りする選手が絶えない為、目の前にいる選手の数が30名を超えない様に走るのがポイントだ。常に前に上がれるチャンスを伺いながら、少ない移動距離で、良いポジションを確保する動きを繰り返せるようになるとチャンスは広がるだろう。
才田 ¥3,000
岸 ¥20,000
中川 ¥8,000
PHOTO OF THE DAY:
前日のロードレースで期待された走りを見せることが出来なかった岸選手。今日は一転逃げに乗り、積極的な走りを見せてくれた。
PHOTO REPORT:
レース前の会場の木陰にて。それにつけても、一番若い中川選手の70年代アイドルっぽさが毎度気になる広報班(今シーズン2回目)。
集団最後尾から前を追う才田選手。ダンシングが辛い状況でインターバルが続くコースに苦戦。
序盤に形成された逃げに乗った岸選手。積極的に前を牽いて終盤まで逃げ続けた。
この日のエース、中川選手も集団内でレースを進める。が、少しポジションが後ろ過ぎるのが今後の課題…
ホームストレートを駆け抜ける逃げ集団の岸選手とメイン集団の中川選手。
…眼の前で発生した落車の影響でメイン集団からドロップしてしまった。
一人残されてしまった中川選手だったが、終盤は単騎で集団前方まで上がるなど粘る走りを見せた。
レースを終えた3人…あと一歩という感じが否めないが、次に繋がる場面も見えた2日間だった。
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.