14JUL.2019@第18回JBCF⽯川サイクルロードレース, JPT #12

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第18回JBCF⽯川サイクルロードレース
– 福島県⽯川郡⽯川町/⽯川町・浅川町周回コース –
7km+13.6km/7周回 102.2km


1位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) 2:36:46 ave41.70km
2位 吉岡 直哉(TeamUKYO) +00:00
3位 木村 圭佑(シマノレーシング) +00:00
4位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +00:01
5位 中井 唯晶(シマノレーシング) +00:01
6位 安原 大貴(マトリックスパワータグ) +00:01

16位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:05
51位 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +04:39
54位 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team) +05:24
DNF 岩瀬 照(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team)


 

Jプロツアー第12戦となる第18回JBCF石川サイクルロードレースが7月14日に開催された。18回目となる石川サイクルロードレースは、福島県石川郡石川町の学法石川高校がスタート地点。石川町の古い街並みの中をパレードし、周回コースに入った登りからリアルスタートとなる。その後、S/F地点を通過してから13.6kmのコースを7周回する合計102.2kmのレースとなっている。アップダウンに富むこのレースは、過去に才田選手が表彰台に上がった事もあり、今回はその才田選手と、岸・米谷・岩瀬・中川の計5選手が出場した。

 

強い日差しと蒸し暑さの中で開催された前戦の広島ラウンドから一転、再び雨の中でレースがスタートすると、2周目から6名の逃げ集団が形成された。逃げのメンバーは入部正太朗(シマノレーシング)、新城雄大(キナンサイクリングチーム)、小森亮平(マトリックスパワータグ)、徳田優(TEAM BRIDGESTONE Cycling)、武山晃輔(TeamUKYO)、そして欧州から帰国中の雨澤毅明選手がJCF強化指定選手チームとして出場して早速逃げに乗った。

 

メイン集団は宇都宮ブリッツェンが終始コントロール。このままの形で周回を重ね、最終周回に宇都宮ブリッツェンが全ての逃げを吸収した。最後の登り区間に入ると集団先頭でアタックがかかるが決定的な動きとはならず、石川サイクルロードレースでは珍しく最後は集団スプリントへ。最終コーナーに木村圭佑(シマノレーシング)が先頭で飛び込むも、最終コーナーに3番手で入った岡篤志(宇都宮ブリッツェン)が前の2人を抜き去っての優勝となった。

 

LEOMO Bellmare Racing Teamでは、米谷・岸・才田の3選手が完走し、それぞれ16位・51位・54位でのフィニッシュとなった。怪我からの復帰後、米谷選手にとっては狙っていたこの日のレース。レース中の米谷選手の動きについては本人の詳細レポートを転載します。

リアルスタートからのアタック合戦には集団前方で流れに乗りながら対応。ブリッツェンが積極的には動かないのを確認し、1周目でブリッツェンを含まない逃げを容認して落ち着いた。すぐにブリッツェンがコントロール開始、コントロールしきった昨年と同じ展開になることが濃厚になる。3周目の長い登りで10名程が抜け出した時、岸さんに道を作ってもらって集団から抜け出してジョインしたが、すぐにブリッツェンに捕まってしまう。4周目に入ってすぐの登りで再び10人強が抜け出す。コントロールを放棄されて乗り遅れる怖さもあり、ブリッツェンの選手が動いたら自分も行こうと決めて様子見。すると増田さんが動いたので少し後追いになったが無理やりジョインした。しかし、再度この動きも吸収されていしまい、ブリッツェンのコントロールに対する本気度を感じる。

 

コントロールしきるつもりだとは思いつつも、突然のプラン変更も怖く、集団前方に位置取るようにしたが、雨のコーナーや位置取りを怖がって番手を下げては上がり直す動きを繰り返すことになった。6周目の登りには前で入りたいことを岸さんと確認し、5周目は一緒に動いて前で登りに入ることができた。5周目に逃げを吸収し、6周目のコントロールライン後の登りで佐野さん、平塚さんなどがアタック。登り口でブリッツェンの後ろを取り合うよりは、アタック合戦になってコントロールが崩壊するか、逃げに乗って前で待つ方がレースを進めやすいと考えて反応したが、三度ブリッツェンに吸収されてしまった。

 

5周目のリハーサルで岸さんが位置を上げるタイミングが分かったので途中までは一緒に前にいられたが、最後の小さな登り返しの位置取りではぐれ、そこから一気にポジションを失い、30番手後半で6周目の登りに入った。予想通りブリッツェンが攻撃を開始、中切れしていく集団をパスしようと踏んだがいつの間にか思ったより脚が失くなっていて攣りかけた。補給所手前で集団に追いついたが、ほぼ脚を使い果たし、自分から攻撃する余裕は失くなってしまった。
最終周回の道中は集団でしのぎ、位置取りの小競り合いでひやっとする場面はあったが転びはせず、そのまま最後の登りへ。集団で耐えるのが精一杯、終盤のペースアップで位置を下げながらほぼ最後尾でスプリントに入り、一人交わして16位でのゴールになった。

 
 

PHOTO REPORT


 

また雨か…という印象は否めない石川サイクルロードレースのスタートライン。
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一方で石川町の紫陽花は雨の中で生き生きと(汗)。
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石川町の落ち着いた町中をパレードランで走り抜けるJプロツアーの集団。何故か笑顔が見える岸選手と米谷選手はこの日終始タッグを組んでのレースとなった。才田・岩瀬・中川の3選手は集団後方でパレードを進む。
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怪我の再発を防ぐためにポジション調整に取り組んでいる岩瀬選手。今回は慣れないポジションに腰の痛みを出してしまい、さらに前輪のパンクによってレースを降りることになった。
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登りや集団内の位置取りで難しいレースが続く中川選手だが、この日はレースの3分の2まで耐え切った。
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あまり得意とは言えない雨のレース。耐える才田選手も最後は集団から遅れてしまい51位でのフィニッシュとなった。
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米谷選手と連携しながらレースを進めた岸選手は、最後に米谷選手の位置取りをアシストして54位でのフィニッシュ。調子も上がりつつある岸選手、今日は勝負しても良かったかもしれない。
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終始岸選手と連携しながらレースを進めた米谷選手。残り2周の登り区間でポジションを下げてしまった(2枚目)。最後の勝負には絡むことが出来ず16位完走となった。広島から石川とチーム内での連携が見え始めてきた。選手たちの歯車が噛み合えば昨年の山口の再来は必ずある。
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RIDERS REPORT


 

才田選手:
今年は本当に雨が多い。ウォーミングアップの段階では脚が重かったが、それも気のせいだと思ってスタートした。予想はしていたがやはり下りが怖い。ペースが速いこともあって前に上がれない。身体的なキツさと恐怖心で心が折れそうになりながらひたすら我慢。米谷と岸に今日は何もできそうにないと伝えたいが、米谷めがけて登りで踏んで位置を上げきれず、下りに入って最後尾に下がる事を繰り返してラスト2周で千切れての完走だった。
結局レース中に一度も米谷、岸と話すことができなかった。このレースに向けての米谷の集中力は見ていたので、何かしてあげたかったが力不足だった。落車することもなく無事にレースを終えられたので、それだけは良かった。

 

岸選手:
広島遠征で調子が上がっていることを確認できたので、石川までの1週間は集中してトレーニングできた。感触も悪くなく前日・前々日とローラーでの調整だったが、当日のアップでも脚が軽いことは確認できた。だが当日は雨。正直スタート前はナーバスになっていたが、スタートしてみると1周目は例年と同じくペースが速く雨ということもあり耐える展開。やっと逃げができ、集団も落ち着いたタイミングで番手を徐々に上げていく。そのうち目も身体も雨に慣れてきて集団前方でレースを進めていった。
気づくと集団には米谷選手と自分しかいない状況。調子は良かったものの、ちょっとした事で脚を使ってしまっていたのか、ラスト3周から2周に入るとこで疲れを感じ始める。米谷選手としつこいほど話をして作戦を練り、2人でラスト1周に入る登りを20番手以内で入って米谷選手を先頭に送り込むことにする。
実際は最終周回に入る位置取りではぐれてしまい、自分は20番手以内で入れたが米谷選手は後退してしまう。しかし登り区間に入ると集団には戻っていたので後を託した。前半は米谷選手と1番コミュニケーションが取れたと思うが、味方が少ないのに米谷選手を1人にしてしまったのは勿体無い。また自分も調子が良かったので、自分が勝ちに行く動きをしても良かったかもしれない。調子は上向きだったし、メンタル的にも良い状態だったので、この先レース間隔が開くのは正直勿体ないが、あとは上がるだけと思ってトレーニングを続けていきたい。

 

米谷選手:
怪我明けの復帰が那須になり、広島ロードのコースが分からなかった時点で、勝負できるレースはここしか無いと狙っていたレース。直前練習の感覚も悪くなく、調子は予定通りまずまず。広島での一桁も自信になり、雨は残念だが表彰台に上がるチャンスはあると思えた。岡選手(宇都宮ブリッツェン)の調子が良いのは想像できたので、宇都宮ブリッツェンの序盤の立ち回りを見て戦略を決めようと考えた。

 

やってしまった。

 

実際に調子は良かったと思うし最初から身体も動いた。それだけに乗り遅れてレースを失う怖さから前半で動き過ぎ、コントロールされると分かっていても中途半端に追走に対応し過ぎ、ポジションを失うことにナーバスになって立ち上がりを踏み過ぎ…といろいろ雑になった挙句肝心なところで脚がなかった。ありがちな失敗だと聞いていたけれど、脚がなくなるまで綺麗に頭から抜けていた。
逃げへの対応を見た時点でブリッツェンの意図は読めていたし、動かないのが正解だろうと思っていたならキッパリと待機を決断すべきだった。立ち上がりの処理も去年の石川では出来ていた事で、それによって終盤まで脚を残せた経験もあった。上位の面々と力の差があった事も認めないといけないが、丁寧にやれていれば終盤もっと余裕をもって動けていたのではないかと思う。6周目の登り口での位置取り失敗も致命的。余裕を失う直接の原因になった。雨でのコーナーやブレーキを怖がったためだが、登り返しなどでもっと脚を使ってでも前に出てしまえばよかった。ただ、それをやらなかった時点で脚の重さにどこか感づいていたのかもしれない。
レースまでの準備はうまくいった。パワーもある程度戻ってきて疲労も抜け、当日を好調で迎えられたことは良かった。今できる準備は出来ていたと思う。気持ちを切らさずに最後まで走れたことも悪くはない。脚が無いと気が付いた時に頭が真っ白になって一瞬投げたくなったが、岸さんがいなくなったので絶対に切れる訳には行かないと思って最後まで頑張れた。「着に絡めないならもう嫌だ」と普段なら絶対にしない思考にその瞬間は入りかけていた。それだけ気を張っていたんだと思うが、それで切れていたら今の比ではない後悔をしていたと思う。特に道中色々と助けてもらった岸さんには、結果が残せず申し訳ない。残念な形にはなったが、これで前半戦のロードレースは終わり。良い経験と思って反省して、一区切りつけてリラックスして、渡良瀬TTに備えたい。

 

岩瀬選手:
身体の調子は今シーズンで一番良く、レース当日も調子良く感じていたが、結果的はDNF。良かった点は1-2周目のハイペースな登り区間でも自分のリズムを作って余裕を持って走れたこと。悪かった点は、ポジション改良の為にステムを3cm伸ばした影響か、2周目の後半でステムの長さに慣れずに腰が痛む。そこから思うように力が入らず少しずつ登りで遅れてしまって集団からドロップ。その後で前輪のスローパンクに気付く。3周でレースを降り、練習に変更。15分走3本と登りで2分走3本。調子が良かっただけにレースを降りた事が悔しく、メニューでしっかり追い込んだ。調子の良さは変わらないので引き続きトレーニングを積んでいく来週末は新潟県で国体予選のトラックレースがあるので、久しぶりのトラックレースをまずは転ばないように攻めた走りをする。

 

中川選手:
レース前日やレース前のアップでは調子は良くも悪くもないといった感じだった。真ん中よりも少し前でパレードスタート。道幅が狭くなったり交通規制が片側だけだったりと混乱してしまい、パレードの最中に少し位置を下げてしまった。リアルスタートは少し後ろから。いきなり集団のスピードが上がり、集団内の番手を落としてしまった。最初の登りは後方で耐える。しかし、その後の下りで雨で怖くて少し車間を開けてしまい、下りでも休めずに踏むことになってしまった。下りきってからの登り返しでキツくなってしまって集団から遅れた。正直、登りが長くて苦手なレースだと覚悟していたが、こんなにも早く遅れるとは思っていなかったのでショックだった。
その後は同じく遅れた選手とずっと2人で走る。練習するつもりで一定ペースで1周でも長く走れるように走った。結局70kmくらい走ったところでレースを降ろされた。今回のレースでは調子どうこうではなく自分の弱さを改めて感じた。しかし、切り替えて渡良瀬タイムトライアル、そしてJBCF全日本トラックへの練習を積んで万全の状態でレースに挑みたい。

 
 

宮澤監督から


 

(後日掲載予定)


 
 

PHOTO OF THE DAY:


 

この日は米谷選手と岸選手が組んでのレース。ここに才田選手や若手の2人が常に入れるようになりたいところ。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.