07JUL.2019@第2回JBCF広島クリテリウム, JPT #11

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第2回JBCF広島クリテリウム
– 広島県広島市/⻄区商⼯センター内特設コース –
1.7km/30周回 51.0km


 

1位 黒枝 士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 1:23:15 ave36.75km
2位 沢田 桂太郎(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
3位 黒枝 咲哉(シマノレーシング) +00:00
4位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) +00:00
5位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +00:01
6位 横塚 浩平(TeamUKYO) +00:01

30位 岩瀬 照(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:17
33位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:17
53位 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team) +01:58
DNF 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team)


 

Jプロツアー広島ラウンドの2戦目はJプロツアー第11戦となる第2回JBCF広島クリテリウム。スタート/フィニッシュ地点に置かれた温度計が34℃を指し示す暑い空気と強い日差しの下で開催された。

 

レースは序盤からLEOMO Bellmare Racing Teamの岸選手を含む3名の逃げ集団が形成され、それをシマノレーシングが中心となって一定ペースで追うメイン集団という安定した展開が終盤まで続いた。レース終盤の残り10周程でメイン集団の先頭に宇都宮ブリッツェンが位置取ると、逃げとメイン集団との差が急激に縮小。序盤から逃げ続けた岸選手だったが26周目で逃げ集団からドロップ。さらに残り3周となる28周目で一旦全ての逃げが吸収された。ここから細かな動きが出るものの集団内の動きはスプリント・モード。シマノレーシング・宇都宮ブリッツェン・チームブリヂストンサイクリングといったスプリントの有力チームが隊列を組みながら最終周回に入って行く。

 

スプリントは4名。黒枝咲哉(シマノレーシング)、小野寺玲(宇都宮ブリッツェン)、黒枝士揮と沢田桂太郎のチームブリヂストンサイクリング勢が横一線でフィニッシュラインにハンドルを投げると、ほんの僅かな差で黒枝士揮(チームブリヂストンサイクリング)が先着し、優勝となった。

 
 

PHOTO REPORT


 

スタート/フィニッシュラインに置かれた温度計は34℃を指し示す。
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レース前に開催された市民パレードに米谷選手と中川選手が参加。
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3周目から逃げ始めた3名がジワジワとメイン集団との差を広げ始める。この中に岸選手が入り、メイン集団はシマノレーシングがコントロール。
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レースを外から見ていると逃げとメイン集団の安定した展開に見えるが、メイン集団内では熾烈な位置取りが行われている。
前に見える岩瀬選手の位置まで、そのほんの少しがなかなか埋められなかったとレース後に語った米谷選手。
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メイン集団の安定した位置で走りたかった中川選手だが「もう一段の踏み込み」が足りなかった。レース中盤に集団から遅れてのDNFとなった。
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一方の岸選手はレース中盤以降も粘り強く逃げ続ける。
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この日良い位置取りで走り続けたのは岩瀬選手。集団前方を固める強豪チームの岡選手(宇都宮ブリッツェン)や黒枝選手(シマノレーシング)の横や背後に位置しながら周回を重ねていった。
レース最終盤までメイン集団内で走り切り、結果30位と今季初の完走となった。
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レース終盤に集団前方に上がる動きも見せた米谷選手だったが、最後まで位置取ることは難しく33位でフィニッシュラインを超えた。
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レース終盤まで逃げ続けた岸選手は、26周目で逃げ集団からドロップし53位での完走。
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RIDERS REPORT


 

才田選手:
出場せずに東広島から吉備津まで練習。山陽も良いところでした。

 

岸選手:
前日の調子からみても身体もある程度動くと思っていた。最後に勝負出来そうであれば勝負する、無理そうだったら逃げに乗ると考えてスタート。
スタートは集団後方から。2〜3周目にかけて前方に上がると、前に上がったタイミングで入部選手が先頭に居て逃げの雰囲気を感じた。案の定、コーナーを立ち上がるタイミングで小森選手(マトリックスパワータグ)と吉岡選手(チーム右京)の2名が先頭に出てそのままの勢いで踏んで行ったので、自分も軽く踏んで3名での逃げが決まる。そこからは地獄のようにきつかったが、次のレースのためにも我慢して周回をこなし、ラスト3周付近で集団に捕まって完走。
逃げには入っていたが、1/3もローテーションを回れなかったので周回賞は2人へ。今回の広島遠征は、ここ最近の調子から明らかに戻ってきたと感じたし、レース自体も楽しめた。次週の石川ロードはもっと高コンディションで臨みたい。

 

米谷選手:
前日のロードの疲労はあるが、会場まで走った感じでは身体はよく動いた。コースはT字型で後ろにいるとインターバルがかかり続けるコース。去年は落車が頻発し、自分も序盤の落車に巻き込まれたので、安全に走りたかった。有力チームが隊列を組んでいる直後の位置か、逃げてしまうかが安全なのは分かっていたし、出来れば逃げたいと考えていた。最初のコーナーが右ヘアピンなのでコーナー手前でインが開くと考え、右側に並んでスタート。
最初のコーナーまでは皆が突っ込んでいったためうまく前に上がれなかった。その後もコーナーごとに不安定に動く集団を怖がって位置を下げてしまい、岸さんを含む逃げが決まって落ち着くまでそのままだった。岩瀬が安定していい位置をキープしていたため、何度か岩瀬を目標に位置を上げたが、やはりコーナー前の位置取りで一歩引いてしまうためにポジションをキープ出来ない。前が安定して逃げ続けていることでペースは安定していて、苦しくもなかったが、その分人数も減らないために前にいるのが難しかった。
そこで、前に居続けるのではなく最後だけは集中して前に居ようと切り替え、残り4周で岸さんが吸収されるタイミングで各チームが隊列を組む後ろまで一気に上がり、そのままキープしようとした。しかし、残り2周辺りでふっと転んだ時のことが頭をよぎり、その位置を保つことが出来なくなった。ずるずると位置を下げ、集団の後ろで完走。
怪我をする前はここまで怖いとは思わなかったし、去年の大田原や宇都宮クリテなども終盤まで位置取りが出来ていたのに、今回はだめだった。どこか自分も周りも信用できず、怖がって一歩引いて、を繰り返してしまって位置取りが出来ない。レースを繰り返す中で慣れていくしかないだろうか。
体はよく動いたし、強度に苦しむことはそんなに無かったのは良かった。来週は石川。東広島ロードより自分に向いていると思うし、前半戦最後のロードレースなので、悔いのないように楽しみたい。

 

岩瀬選手:
2日目は脚が疲労が抜け切れてなくて身体が重い。朝の自走で脚を回して体を慣らし、徐々に脚も動くようになってきて感覚は良し。レースは常に前々で位置取る事を意識してスタート。クリテリウムではプロチームの後ろに付けてレース序盤から前々で落ち着いて走れた事が良かった点。一方で、集団前方まで上がり切れない場面が多かった点が上手く行かなかった点。
コース上、前に上がれるポイントは多かったのに、ここぞというところで踏み切れない事が多く、その連続でレース後半後ろに回ってしまいラストの直線で集団から少し離されてゴール。結果30位と今季やっとリザルトを残せた。怪我により完走すらできないレースが続いてモヤモヤしていたが、全日本から吹っ切れた感覚を大切にして気持ちも切り替えた。調子も上がってきているので1つずつ段階を踏んでレースに挑む。2日間とも怪我の痛みは出ておらず、ひとまず安心。

 

中川選手:
コースはT字で立ち上がりが多くて苦手なコース。また1周が短くて周回数も多い。他の選手は那須クリテよりも楽だと言っていたが、那須クリテくらいきついだろうと覚悟した。パレードで試走して、スタートゴール付近の道の凸凹には気をつけなければならないと思った。実際にレース中ハンドルから手が落ちて落車している人もいた。思ったより道路幅が広いため那須よりは楽なコースだった。
前で走りたかったので集団前方からスタート。宮澤監督や米谷さんの助言を受けて右側から。しかし集団内は入り乱れていて気後れしてしまい、後ろの方へ下がってしまう。チームメイトの岩瀬選手は集団内で上手く走っていたのでまとまって走りたかったが、後ろからのもうひと踏みが出来ずに前に上がる事が出来なかった。また、同じように後ろへ下がってしまった米谷さんと一緒に番手を上げたかったがやはりもう一段階踏むことが出来なかった。集団後方で車間を切りつつ走っていたが、17周目辺りで集団から遅れ、同じように遅れた選手と数周ローテを回して走ってDNFとなった。
今回の遠征ではチームメイトからの刺激をたくさん受けた。これからもそれを吸収していきたい。石川ロードではまた厳しいレースになると思うが、今回の経験を活かしてタフなレースでももっと生き残れるようにしたい。

 
 

宮澤監督から


 

クリテリウムは位置取りが全てのレースだった。序盤から逃げた岸だったが、逃げの中で力の差を感じただろう。あそこで逃げ切れるような走りができる事が急務だ。

 

才田 ¥-8,000
岸 ¥-8,000
米谷 ¥-5,000
岩瀬 ¥-3,000
中川 ¥-8,000

 
 

PHOTO OF THE DAY:


 

これまでのレースでは序盤に見せ場を作るものの、なかなか最後までもたなかった岸選手。この日はレース最終盤まで逃げ続けて展開を作った。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.