03-04AUG.2019@第50回JBCF全日本トラックチャンピオンシップ

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第50回JBCF全日本トラックチャンピオンシップ
– 長野県松本市美鈴湖⾃転⾞競技場(周⻑:333.33m) –


男子スプリント(タイムは予選時)
7位 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team) 10秒906

男子ケイリン
5位 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team)

男子ポイントレース(30km)
6位 岩瀬 照(LEOMO Bellmare Racing Team) 32ポイント

男子スクラッチ(10km)
10位 岩瀬 照(LEOMO Bellmare Racing Team)


 

Jプロツアーも夏休みとなった8月上旬。LEOMO Bellmare Racing Teamの若手、岩瀬選手と中川選手の2人が第50回JBCF全日本トラックチャンピオンシップに出場した。岩瀬選手は高校時代にトラック競技経験があるものの、中川選手はほぼ初心者状態。同行した宮澤監督から様々なアドバイスをもらいながら競技に挑んだ。そんな中川選手だったが、初日の男子スプリント予選(200mFTT)では宮澤監督も驚く10秒906のタイムを出し、男子ケイリンも決勝まで進んでの5位となり、全日本選手権の出場条件をクリアする健闘を見せた。一方の岩瀬選手も男子スクラッチとポイントレースに出場。予選は問題なく通過し、決勝ではそれぞれ10位、6位に入った。

 

短距離系種目:
まずは男子スプリント。チームからは中川選手が出場。予選(200mFTT)ではいきなり10秒906の好タイムを出し、出走24名中6位で通過した。しかし1/4決勝で末廣快理(同志社大学)に破れて5-8位決定戦に回る。後方からまくりたい中川選手だったが5-8位決定戦のくじ引きは先頭。レースも上手く立ち回ることが出来ず、最終順位は7位となった。タイムは出せたがスプリントの駆け引きを身につける事が今後の課題となった。
男子ケイリンにも中川選手が出場した。予選では上手く走る事が出来ず4着となるが、敗者復活戦を1着で乗り越える。1/2決勝では周囲の展開を把握しながらの上手い走りを見せ、2着で決勝に進んだ。迎えた決勝戦。イン側に位置取ってしまった中川選手は他選手に被せられ、行き場を失ってしまっての5位。スプリントと同様に、駆け引きやバイクコントロールが改善すると、1つまた1つと順位を上げることが出来ると思わせるレースとなった。

 

中長距離系種目:
ポイントレースとスクラッチいずれも岩瀬選手と宮澤監督が出場。初日に行われたスクラッチ予選では両選手とも難なく決勝へ。岩瀬選手は予選3位で通過した。続くポイントレース決勝では、ラップにも成功した岩瀬選手が中盤から終盤にかけて周回ポイントを重ねる健闘を見せる。しかし上位陣は2回のラップなどでポイント差を広げていき、岩瀬選手は6位でレースを終えた。最後のレースはスクラッチ決勝。岩瀬選手は-1ラップとなってしまい10位となり、全ての競技を終えた。

 
 

PHOTO REPORT


 

レースを待つ中川選手と岩瀬選手。
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2人でストレッチ…意外と固い中川選手。
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実は宮澤監督もスクラッチとポイントレースに出場。予選は通過したものの、決勝の結果は秘密。
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宮澤監督からのアドバイスを受けた直後の男子スプリント予選(200mFTT)、いきなりの好タイムを叩き出した中川選手。
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宮澤監督と隊列を組む岩瀬選手。
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男子ケイリン1/2決勝では上手い走りを見せ、愛三の草場選手に続く2着で決勝へ。
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集団先頭を進む岩瀬選手。
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男子ケイリン決勝は位置取りが上手く行かず、強豪勢に先行を許してしまった中川選手。それでも最終的には5位に入り、全日本選手権の出場条件をクリアした。
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RIDERS REPORT


 

岩瀬選手:
今回はポイントレースとスクラッチに出場。結果はポイント6位、スクラッチ10位。目標はどちらのレースも積極的な展開を意識する事。レースでは積極的に逃げに乗り、カウンターアタックにも続けて乗るなど思った以上に走れたと思う。ポイントレースでは取りたいポイント周回に合わせて展開を作り、狙い通り獲得できたことも良かった。久しぶりのトラック競技で不安はあったけれど、このレースで勝負勘が少し戻った。この勝負勘をJプロツアーでも活かせるように、まずは展開が見える位置で走ることからトライしていきたい。

 

中川選手:
1日目。まずはトラックの経験のある岩瀬選手と宮澤監督から333mバンクの走り方について教えてもらう。特に宮澤監督にはハロンの掛け方について試走しながら詳しく教えてもらった。
迎えた男子スプリント予選200mFTT。ハロン10秒台を出したいなと思っていたが、大会でハロンを測る事も、333mバンクで測る事も初めてだったので不安はあった。スタート待機中、ハロンの走り方について宮澤監督から細かく教えてもらった。これがかなり効いて、実際に走った時には、掛けるまでに脚を使わずスピードを乗せられ、バンクのカントを上手く使って計測ラインまでにスピードに乗せる事が出来た。タイムは10秒906。予選6位で通過できてホッとした。
次は、男子ケイリン予選。同組に愛三の草場選手がいたのでマークするつもりが、くじ引きで草場選手1番、自分6番と離れてしまった。スタート後、まずは後ろから皆の様子を確認しながら走った。しかし、どんどん前へ行くべきだったと思う。残り1周手前で草場選手が先頭でペースを上げ、そのまま1着でフィニッシュ。自分は後ろに取り残され、捲くることも出来ずに4着となった。1着の上がりタイム10.977とハイスピードなレースだった。
初日の最後は男子スプリント1/4決勝。同志社大学の末廣選手と対戦。後ろから仕掛けたかったがくじ引きで先行を引いてしまう。相手を先行させようとゆっくり走るが前に出るつもりは無さそう。後ろを確認しながら走り、ラスト1周前の4コーナーで相手が少し油断したように見えたのでそこで掛け下ろした。一気に1周逃げ切るつもりで全力で踏んだが、4コーナーを過ぎてから差されて敗退。
2日目。最初のレースは男子ケイリン敗者復活戦。ラバネロの方に同じ組のチームチェブロの選手が強いよと教えてもらったので、その方をマークした。くじ引きで1番を引く。スタートして1周してから4番手くらいに下がった。すると、前の選手が余裕がなさそうだったので2-3番手くらいに出た。そのまま脚を使わないようにして、ペースを上げた選手の後ろに着く。ラスト1周のバックストレートで前のチェブロの選手が仕掛けたので、後ろから加速して追い抜いて1着でゴール。落ち着いて走る事ができた。
2レース目は男子スプリント5-8位決定戦。1名欠場のため実質5-7位決定戦。またくじ引きで先頭を引く。ゆっくりスタートしてスピードを乗せている間に他の2人に追い抜かれてしまった。最初の半周は先頭で通過しなければならないので、この時点で勝負は終わってしまった。これは、自分のルールの理解度が100%ではなかった事が原因。このようなことは繰り返さないようにしたい。リザルトは7位。
続いては男子ケイリン1/2決勝。今回は愛三の草場選手とイナーメの堀江選手が強いと分かっていたのでこの2人をマークした。くじ引きで4番を引き、草場選手は3番だったので着いていくことにした。ペーサー中に細かい揺さぶりがあり、脚を使って結構きつかったが、草場選手が加速したタイミングで集中して着いていった。そのまま3着以内に入った事を確認して最後少し力を抜いて2着でゴール。今回も落ち着いて走れた。ギア比を上げたこともいい方向に作用した。
最後は男子ケイリン決勝。やはり強いのは愛三の草場選手とイナーメの堀江選手。くじ引きで堀江選手1番、自分2番、草場選手5番を引いた。堀江選手に着いていくか後ろから来る選手に乗るか迷い、中途半端になってしまった。結果イン側に取り残され、5番手くらいに。自分のバイクコントロールにも不安があって譲ってしまう。ラスト1周のジャンが鳴ったところで草場選手が一番後ろから仕掛けてスプリント開始。自分は1人しか捲れずに5位でゴール。立ち回りやバイクコントロール次第で結果が変わっていたと思うので悔しい。今回勝った草場選手は、地脚が強いのはもちろんだが勝負に慣れていて、自分の実力を把握してそれを上手に活かしてちゃんと実行して戦っていると感じた。

 
 

宮澤監督から


 

スプリント予選に出場した中川。初めて200m予選を走るので、まずは200mのバンクのかけおろし方から教える。飲み込みも早く、予選では10秒906というとんでもないタイムを出す(他選手のかけおろし方が上手くなかった事にも助けられたが)。このタイムは評価に値するだろう。初めてだったとはいえ、慣れない333mのバンクでも力が発揮できた事を考えると、バンクに慣れれば10秒6程度は出せそうだ。スプリントは駆け引きをあまり知らないせいか全く噛み合わなかった。
逆にケイリンはゲーム性が高く、うまく立ち回りながらレースを優位に進めることが出来た。決勝まで残れたが、密集した中で戦術を読む事ができずに4位。ほぼ初心者だったが、十分に力を発揮できたレースとなった。
岩瀬、宮澤はスクラッチとポイントレースへ出場。2人とも難なく予選を勝ち上がって決勝へ進む。決勝は上手く連携が取れれば良かったが、宮澤が遅れてしまい岩瀬1名で走ることに。ジャブの様にアタックが繰り返されるで、決まる逃げは明らかにスピードが違った。岩瀬はその動きに合わせられず、後手後手に回るレースとなってしまった。


 
 

PHOTO OF THE DAY:


 

仲良き同年代の2人、Jプロツアーでも活躍を期待したい。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.