22SEP.2019@第53回JBCF経済産業⼤⾂旗ロードチャンピオンシップ, JPT #18

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第53回JBCF経済産業⼤⾂旗ロードチャンピオンシップ
– 広島県三原市/広島県中央森林公園サイクリングコース –
12.3km/13周回 159.9km


1位 オールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ) 4:08:14 ave38.64km
2位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +00:00
3位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +00:00
4位 徳田 優(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
5位 増田 成幸(宇都宮ブリッツェン) +00:02
6位 入部 正太朗(シマノレーシング) +00:21

12位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +06:09
DNF 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 岩瀬 照(LEOMO Bellmare Racing Team)


 

9月22日、第53回JBCF経済産業⼤⾂旗ロードチャンピオンシップが広島県三原市の広島県中央森林公園サイクリングコースを舞台に開催された。本大会は経済産業⼤⾂旗がかかる年に一度のレースとなり、国内強豪チームによる争奪戦が展開される。また、今季のJプロツアーも終盤戦に入り、個人総合の争いもレースの行方に影響を及ぼしてくる。LEOMO Bellmare Racing Teamは、前々回の群馬交流戦から前回の南魚沼にかけてチームとしてもまとまりのある動きを見せ、また個々の選手も積極的な走りを見せており、強豪チームの一角に食い込む走りが期待された。

 

今年は台風に悩まされ続けているJプロツアー。前々回の群馬交流戦に続き、今回もスタート時間が前倒しとなり、さらに周回数も14周から13周に短縮されて合計159.9kmでのレースとなる。風の強さを多少感じるものの雨は小康状態の中でレースがスタート。チームからは才田・岸・米谷・岩瀬と全日本トラック帰りの中川の5選手が出場した。

 

序盤からチームでまとまる動きを見せ、後半戦に入ってからの好調さが見えていたLEOMO Bellmare Racing Teamだったが、雨が落ち始めたところでチームに不運が襲いかかる。雨に加え、道路脇から流れ出た植物由来と思われる赤く滑る液体に覆われた路面にタイヤを滑らせる選手が続出し始めると、まずは岩瀬選手がギブアップ。滑る下りに対処しきれずに集団から遅れ、無理に攻めての落車リスクを回避するため、自らレースを降りることになった。続いてレースを降りたのは才田選手。雨の降り始めのタイミングで単独落車し、再度走り始めたものの強い痛みを感じてのDNF。また、中川選手も集団後方で粘り続けたが、集団から大きく遅れての赤旗DNFとなってしまった。

 

コース上に残ったのは岸選手と米谷選手のみ。2人ともメイン集団内での走りを続け、残り5周となる9周目を迎えた。ここで展開が変わると読んだ岸選手が集団前方へ動き始めた瞬間、岸選手の前輪が飛ぶ。路面に叩きつけられた岸選手は全身に擦過傷を負ってしまい、サグワゴンに回収。実際この次の周でレースは動き始め、岸選手にとっては悔しい落車となった。

残り4周となる10周目。逃げ続けていた先頭集団に向け三段坂で追走の動きが出る。ここで米谷選手は先頭集団に入ることは出来なかったが、追走集団内で力強い走りを見せる。最終周回に入ると追走集団のメンバを自ら振い落し、フィニッシュラインはシマノレーシング木村選手とのマッチスプリントとなった。上手く風下を取った米谷選手だったが、木村選手に先行を許して12位でレースを終えた。

 
 

PHOTO REPORT


 

160kmのレースに挑むLEOMO Bellmare Racing Teamの5人。
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この日の監督は丸田さん!!
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台風が接近する中、Jプロツアーのレースがスタート。
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序盤からチームでまとまった動きを見せたLEOMO Bellmare Racing Team。
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最初にレースを降りたのは岩瀬選手。滑る路面に付いて行くことが出来なかった。
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シーズン後半に入り調子を上げつつあった才田選手だったが、この後の単独落車でレースに戻る事は出来ず。
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集団から遅れてしまった中川選手。落車は免れたが赤旗提示でのDNF。
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残された岸選手と米谷選手はメイン集団内で周回を重ねて行った。
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8周目を集団前方で進む岸選手だったが、次の9周目に不運が襲う。
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最後の1人となった米谷選手。先頭集団へのブリッジには入れなかったが、追走集団で力強い走りを見せる。
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シマノレーシング木村選手とのスプリント。先行を許してしまった米谷選手は12位でレースを終えた。
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レースを終えた選手達…今回は厳しいレースとなった。
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RIDERS REPORT


 

才田選手:
心配された台風の影響は最低限、路面が濡れたり乾いたりを繰り返すような状況で、逆に嫌な雰囲気。レース中盤まではトラブルもなく徐々に脚が削られていく長いレースによくある展開。さあ、ここからというところで雨がパラパラ降りはじめて路面がウェットに。急に変化した路面状況にミスをしてしまって下りでの単独落車。擦過傷がひどく、再乗車したものの肋骨も痛む。三段坂の頂上まで行ったところでワゴンに回収されてDNF。
最近のレースや練習で自分の好調を確認できていたし、キツイ状況に一度もなる事なくレースの半分以上を消化していた矢先の落車。残念ではあるが自分のミスであるし仕方がないなというところ。誰も巻き込まなかった事が唯一の救いか。擦過傷は深いものの大して時間はかからないと思うが、肋骨の方は時間がかかりそう。間に合えば残り2戦を上手く調整したい。

 

岸選手:
距離も長いことから動き過ぎると無駄脚になる。前半は動かず、後半の勝負所まで待つ展開。ラスト5周辺りで集団には米谷選手と自分だけとなったが、自分の調子は良いと感じていた。逃げとのタイム差が徐々に詰まり、ラスト4周目の三段坂で動くと予想してポジションを上げようとしていた矢先、前の選手と同じラインを走っていたのにも関わらず下りで前輪がスリップして落車。サグワゴンに回収されてのDNFとなった。案の定その周の三段でレースが動いて悔しさしか無いレースとなった。

 

米谷選手:
群馬での落車による打撲の影響はほぼなくなり、練習の感覚も良くなってきていたので、体の状態は先週より良いと感じていた。マンセボ選手とオールイス選手が出場するため、勝負に残るためには彼らより先に動いて前待ちする必要があると考えた。序盤に有力な逃げ集団が出来たらそこに入って終盤の展開に備えること、逃げに入れなかったら追走に乗れるように脚を残しながら中盤をこなすことを目標にした。また、雨予報だったので転ばないように、集団の先頭が見え、かつ信頼できる人の近くで下りに入るように心掛けた。
ローリングスタート中からタイヤの挙動が怪しく、下りがとても怖い。2周目に下りで有力な10名弱が抜け出して行くのが見えたが、自分のタイヤに余裕がなく対応出来ず。登りに入るまでに差も広がり、ブリッジも出来なかった。
マトリックスがペースを落として逃げが決まってコントロール開始。4分半ほどまで開いたタイム差をじりじり詰めていった。中盤までは岸さんと協力して、キナンの隊列の後ろにビクトワール・弱虫ペダルなどと共に位置取り、リスクを避けて走った。それでも何度か後輪が滑ってヒヤリとする場面があった。短い登りの連続で脚は削られていったが、例年と比べると余裕のある状態で終盤へ。
タイム差が2分を切り、マトリックスの枚数も減ってきた9周目。そろそろ動きがありそうだと感じ、ホームで位置をあげて下りに入ると後ろで落車音が聞こえ、岸さんが転んだと聞かされた。10周目の三段坂では手前からペースが上がり、そこから1段目でマンセボ選手、オールイス選手らがアタックした。このタイミングで先頭集団には入ることはできず、2つ目の集団に入ることになった。3段目の手前でマンセボグループに入ったはずの岡選手とブリッツェンもう一人が止まっていて、自分と同じ集団にいた鈴木譲選手と小野寺選手が岡選手を待ち、引き戻してきた。そこから11周目の三段坂までは岡選手を引き戻すべくブリッツェンが速いペースを作り、三段坂で岡選手がアタック。BS黒枝選手だけがフォローできた。自分は下りでのリカバリーで脚を使わされており対応できず。シマノ木村選手、ビクトワール谷選手、弱虫ペダル織田選手と4人で11位集団になった。
ラスト1周の三段坂でペースを上げて織田選手をふるい落とし、最後は木村選手とスプリントになった。風下を閉めて先行して、タイミングを合わせてかけたが前に出られ、差し返せなかった。
最初の逃げに乗れなかった時点で戦略として失敗だった。メンバーを見て乗るべき逃げなのは分かっていたが、濡れた路面に対応できず下りで集団から抜け出せなかった。空気圧を低めにしていたが、それでもタイヤが滑る嫌な感じが最初からあった。1周目に前で動いているメンバーを見た時点で、ホームまでに強引にでも前に上がって先頭付近で下りに入れていれば違ったかもしれない。
Jプロツアーではあまり良い印象のない広島。しかも苦手な雨で10位台前半に入れたのは良かった。不安がある下りを少ないダメージでこなし、安定した位置をキープして消耗を抑えながら終盤に備えられたことは次に繋がると思う。落車の影響はほぼ抜けて調子も戻ってきている。シーズンも終盤になってきているのでリズムを崩さず、怪我のないように残るレースに備えていきたい。

 

岩瀬選手:
良い調子を保ったままレース当日に挑めた。スタートすると思ったより脚が回らず体が重い。感覚を確かめながら自分のペースを作ることを意識しながら走っていたが、ペース落ち着きだした集団内でも少しキツさを感じていた。それに加え、8月の落車から集団内と下りでの恐怖心が強く、トリッキーなアップダウンとウェットで滑る路面に恐怖心が煽られる。集団前方で下りに入っても、登りに入る頃には集団後方。この時点で既に下りの攻め具合は精一杯で余裕はなかった。これ以上下りで突っ込む勇気はなく、落車する不安でレースを降りる事にした。
徐々に下りの恐怖心は薄れつつあるのでレースペースのダウンヒルに対応できるよう今一度下り方をしっかり確認しながら練習していく。
調子の良さは保てているので、次戦のクリテリウムでは前で位置取り、レース終盤にチームメイトをアシスト出来るようにしたい。ヒルクライムは初参加なので走りのイメージがし難いが、恐らく先頭ペースに耐え続ける事になると思う。その中でしっかり自分のリズムを作り、できるだけゴールに近いところまで付いて行きたい。

 

中川選手:
前週にトラックレースに出場し、その為の練習をしていたため、前日の試走段階で登りが特に進まない感覚があった。ローリングスタートでゆっくり走っているにもかかわらず滑る場所があってかなり驚く。油断すると一瞬で転びそうだったので神経を使って走った。滑る場所は道路の端や、赤みを帯びた場所で、そこを踏まないように下りで無理に位置を上げないようにした。
最初の三段坂こそきつかったが、すぐにペースが落ち着く。2周目は相当ゆっくりなペースだったがいくつかの落車が発生した。3周目を過ぎてからはマトリックスのコントロールが始まり、ペースが少しずつ上がったので、チームメイトの近くを走る事を心がけた。4周目からは下りも速く感じ、恐怖心で皆と同じようなペースで下れず、後方で下りをこなす。6周目の下りで遅い選手が近くにおり、その選手をかわす勇気を出せずに2人で一緒に遅れてしまうと、次の三段坂で千切れてしまった。
今回のレースは自分にとって厳しくなると思っていたが、やはり厳しいレースだった。落車をしなかったことは良かったが、下りは基本に忠実に練習して少しずつ速く下れるようにしていきたい。次戦の前橋クリテリウムは距離が短いため、チャンスだと思っていく。チームメイトがどれだけ出場出来るのか分からないが、力を共有しながら協力してレースを走りたい。

 
 

宮澤監督から


 

(後日掲載予定)


 
 

PHOTO OF THE DAY:


 

唯一の完走者となった米谷選手の顔面は真っ黒。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.