09AUG.2020@第4回JBCF宇都宮ロードレース, JPT#05

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第4回JBCF宇都宮ロードレース
栃木県宇都宮市/宇都宮市森林公園~鶴カントリー倶楽部周辺特設コース(周回6.7km)
6.7km/11周回 73.7km
 

RESULT


 

1位 トマ・ルバ(KINAN Cycling Team) 1:49:09 ave40.50km
2位 石原 悠希(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +00:25
3位 小石 祐馬(TeamUKYO) +00:26
4位 西村 大輝(宇都宮ブリッツェン) +01:26
5位 横塚 浩平(TeamUKYO) +01:29
6位 伊藤 雅和(愛三工業レーシングチーム) +01:29

11位 門田 祐輔(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +01:49
27位 米谷 隆志(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +03:14
DNF 小林 弘幸(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 小畑 郁(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 永塩 幸之介(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 小山 智也(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)

 
 

RACE REPORT


 

宇都宮2連戦の2日目はJプロツアー第5戦となる「第4回 JBCF 宇都宮ロードレース」。JAPAN CUPの会場としてもおなじみの宇都宮市森林公園と鶴カントリー倶楽部周辺の公道を巡る1周6.7kmの特設コースを舞台に開催された。Hincapie LEOMO Bellmare Racing Teamからは、前日と同じく、米谷・小林・永塩・小畑の国内組4選手と、UCIコンチネンタルチーム(Hincapie–Leomo p/b BMC)に所属する石原・小山・門田の3選手が出場した。

 

群馬3連戦と前日の宇都宮クリテリウムの結果を受け、チームは前夜に綿密なミーティングを行った。本来海外レースを転戦していたはずのUCIコンチネンタルチーム組の3名は、国内に足止めされている状況下、どのようなレースをし、何を目指し、海外での活動に向けてどう準備するべきか。国内組の4名は、チームに対してどのような役割が果たせるか、特に若手の2人は、海外組やベテラン組の取り組みや走りを身近に感じ、体験しながら、いかに自分の殻を破るか。選手の立ち位置はそれぞれ違えど、各々がいかにステップアップしていくか…チームミーティングは連日連夜続いていた。

 

今回のレースでは「どんどんキツイレースにしていく」ことを目標に定めた。序盤から積極的に展開して攻めるレースをする。そして「密にコミュニケーションをとる」こと。集団前方で展開する方が楽なコースだと前日のミーティングでも確認し、多少脚を使ってでも前の集団に入り、チームメイトと連携して動くことが出来れば勝機はある。

 

当日は曇り空。時折雨粒を感じるものの路面を濡らすほどではない。ただ気温と湿度はともに高く、選手にとってはハードな11周73.7kmのレースが予想された。パレードランからレースがスタートするものの、パレードランの最中に早々と落車が発生。ピリピリとした雰囲気の中、幸いチームメンバは巻き込まれる事無く、集団がまとまるのをまってからリアルスタートが切られた。

 

早速始まったアタック合戦。「どんどんキツイレースにしていく」というチーム目標通り、序盤から米谷選手・石原選手・門田選手のいずれかが集団先頭でレースを動かしているシーンが見られた。この時間帯、頻発するアタックにチームメイトで交互に対応し、各々の疲労度や次をどうするかなどのコミュニケーションを絶やすことなく動いていく。4周目には米谷選手・石原選手・門田選手を含む15名ほどの集団が先行するが、先行集団にメンバを入れていない地元宇都宮ブリッツェンが猛追して吸収。このタイミングで再度門田選手が単独で飛び出すなど、まさに「序盤から積極的に展開して攻めるレース」を繰り広げるHincapie LEOMO Bellmare Racing Team。

 

レースも半分を過ぎた6周目。鶴カントリー倶楽部からのダウンヒルで石原選手を含む5名程が抜け出し、その後のアップダウン区間でさらに数名、その後に門田選手を含む5名程が追走をかけて抜け出す。ここで「決まる雰囲気」を感じていた米谷選手だったが、序盤の奮戦で脚を使い果たし、メイン集団にとどまることとなる。一方、先行する15名程集団には石原選手と門田選手が入った。米谷選手の読み通り、先行集団は脚の止まったメイン集団とのタイム差を徐々に広げていく。

 

決定的な動きは8周目に起きた。9周目に入ろうとする森林公園手前のアップダウン区間で、先行集団からトマ・ルバ選手(KINAN Cycling Team)と小石祐馬選手(TeamUKYO)がアタック。「この時点で自分としてはキツイと感じていたが付いていけると判断した」という石原選手が反応し、先行する2名を追っていく。合流に成功した石原選手だったが、厳しい走りに何度かローテーションを飛ばす。それでも出来る限り加わってなんとか最終周回まで辿り着いた。

 

フィニッシュラインが近づく残り半周。スプリント勝負に持ち込みたい石原選手に対し「それを察知していた」とレース後に語ったトマ・ルバ選手が石原選手を切り離すべく再び登りでアタック。トマ・ルバ選手に追従した小石選手からも離された石原選手は、脚が攣ってしまうというアクシデントにも見舞われる。ペダリングをするのもやっとという状況ではあったが、ここで諦めない姿勢を見せた石原選手の前に先行したはずの小石選手の姿が現れた。2人でトマ・ルバ選手を追いつつ少しだけ脚を休めることが出来た石原選手。最後の力を振り絞った早めのアタックで小石選手に先行し、2位表彰台を獲得した。

 

一方、門田選手の入る第2集団は3名の逃げに対して完全にストップ。愛三工業レーシングチームや他の単独の選手たちがペースをコントロールしていたが、再度合流するまでには至らなかった。門田選手は最終周回の萩の登りでアタック。集団先頭でのゴールを目指すものの、脚が攣ってしまい集団から離脱。11位でフィニッシュラインを通過した。同じく、メイン集団でも15名程の逃げ集団を先行させたタイミングで脚が止まる。メイン集団に残る米谷選手は万が一前から2人がこぼれてきた場合に備え、補給を取りつつ、力を使わないように周回を重ねた。ラスト2周で後ろから追いついてきた集団とシャッフルがかかる場面もあったが、大きな動きもなく最終周回へ。萩の道に入る前の上りでペースアップがあり、前方で対応したが萩の道で再びまとまり集団スプリントに。27位でゴールした。

 

今季5戦目にして表彰台を獲得したHincapie LEOMO Bellmare Racing Team。今回のレースで攻める走りを見せた石原選手と門田選手。メイン集団に残されるも、次の展開に備え、チームに貢献する走りに専念した米谷選手。完走はならなかったが、いかに前で走るかを自分なりに考え、粘る走りで米谷選手に続くところまで来た小林選手。前日のミスを繰り返さない位置取りを見せた永塩選手。そして「まだまだやれることはある」と次を見据える小畑選手。選手たちがすこしずつステップアップ、あるいは忘れていたモノを取り返しつつあることは間違いない。

 

良いレースをした…(by 宮澤監督)

 
 

宮澤監督から


 

前半から門田が動き、きつい展開の中で石原と門田が先頭集団に入った。小山が早々に離脱してしまったので、逃げ切りの展開の中でのスプリントもしくは逃げ切りの展開を狙うことになった。勝ち逃げとなる先頭3名の中で最もスプリント力があるのは石原だったので、先行集団内で多少消極的な動きをしたとしても、スプリントに持ち込む作戦を取った。トマ・ルバ選手を逃してしまった事は力の差として真摯に受け止めるべきで、今後の活躍に期待する。
位置取りが苦手な小林は今日は積極的に動いていた。第3集団ではあるが今後に期待できる走りをした。今後は意味なく集団の後方で走る事はなくなると期待している。UCIコンチネンタルチームの3選手は、力でねじ伏せる展開力と、その先の決定打が今後の課題。米谷と小畑はチーム全体を纏める最低限の走りを。永塩はトレーニング不足を解消する必要がある。
とはいえ、チームとしての方向性はだんだん伝わってきたと思う。積極的にゲームメイクしていく中で、守りに入らず、踏み続けて展開を作っていく事が海外組として最低限やるべきこと。国内組はそれを常に意識して、今までの自分の走りを振り返って、今後に生かして欲しい。次戦の群馬交流戦はトレーニングレースなのでガンガン攻めるつもりで準備を進めよう。

 

米谷 +¥3,000
小林 +¥20,000
永塩 -¥8,000
小畑  ¥0
石原 +¥25,000
小山 -¥8,000
門田 +¥30,000

 
 

PHOTO REPORT


 

JAPAN CUPの会場としてもおなじみの宇都宮市森林公園からレーススタート。
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序盤から集団先頭でアタック合戦を繰り広げる、米谷選手と門田選手。
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速いペースの中、小林選手も集団に食らいつく。
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序盤は少し控え目に見えた石原選手だったが、虎視眈々とチャンスをうかがっていた。
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調子に乗れず、序盤で集団から遅れてしまった小山選手。
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小畑選手と永塩選手も集団後方での戦いに。レースの準備段階から少しチグハグな感じになってしまった小畑選手。前日の反省から集団前方からスタートするも集団の緊張感と密集度に耐え切れなかった永塩選手。いずれも群馬での再起を誓う。
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レース中盤の逃げ集団が形成されるシーン。先行する石原選手を含む小集団と、それを追う門田選手。この後15名程の集団となってメイン集団から先行することになる。一方、米谷選手はメイン集団で待機。
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逃げ集団の中でも積極的に前を牽く石原選手と続く門田選手。
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勝ち逃げ集団となった3名の逃げに入った石原選手がフィニッシュラインを目指す。後続集団の門田選手も補給を摂りながら集団の先頭を狙う。
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最後尾集団で粘り続けた小林選手は完走目前で惜しくもDNF。しかし米谷選手に続く結果を出した。
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小石選手に先行する形で現れた石原選手が2位表彰台を獲得。
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良いレースをした(by 宮澤監督)、レース後の選手たち。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.