08AUG.2020@第7回JBCF宇都宮クリテリウム, JPT#04
第7回JBCF宇都宮クリテリウム
栃木県宇都宮市/清原工業団地内特設コース(周回2.2km)
2.2km/23周回 50.6km
RESULT
1位 小野寺 玲(宇都宮ブリッツェン) 1:09:37 ave43.60km
2位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +00:00
3位 孫崎 大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
4位 門田 祐輔(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +00:00
5位 織田 聖(弱虫ペダルサイクリングチーム) +00:01
6位 鈴木 龍(宇都宮ブリッツェン) +00:01
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16位 小山 智也(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +00:15
27位 米谷 隆志(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team) +00:33
DNF 石原 悠希(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 小畑 郁(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 小林 弘幸(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 永塩 幸之介(Hincapie LEOMO Bellmare Racing Team)
RACE REPORT
2週間前に群馬での今季開幕戦を終えたJプロツアー。場所を宇都宮に移し、Jプロツアー第4戦となる「第7回 JBCF 宇都宮クリテリウム」とJプロツアー第5戦となる「第4回 JBCF 宇都宮ロードレース」が開催された。
8月8日(土)の「第4回 JBCF 宇都宮ロードレース」は栃木県宇都宮市の清原工業団地特設コースが舞台。今年はコース形状が大幅に変更され、従来の長方形を基本に1つの180°コーナーを含む形状から、3つの180°コーナーと2つの90°コーナーで構成されるT字型のコースとなった。急減速と急加速が要求される180°コーナーが増え、より体力が要求されるレイアウトとなったが、同じT字型形状を持つ那須のレイアウトより繋ぎ区間の直線距離が長いため、集団から遅れるリスクは小さいというのが選手の感想だった。
Hincapie LEOMO Bellmare Racing Teamからは米谷・小林・永塩・小畑の国内組4選手と、UCIコンチネンタルチーム(Hincapie–Leomo p/b BMC)に所属する石原・小山・門田の3選手が出場。才田選手は怪我の療養のために引き続き不参加となった。チームの戦略は「序盤のアタックに対応する」こと、「逃げに入らなかった場合はチームで小山選手をサポートする」ことの2点。群馬3連戦の最終レースを石原選手の4位で終えたものの「まだまだ」という宮澤監督。群馬の2日目、3日目とレースを走る中でチームの形を見つける糸口は沢山転がっていた。それを結果に繋げる事が出来るかが宇都宮2連戦の最大の課題となる。
雨続きだった群馬3連戦から一転、曇り空ではあったものの、この日のレースに雨粒は無し。1周2.2kmのコースを23周する合計50.6kmのクリテリウムレースがスタート。直後から繰り返されたアタック合戦にチームから参戦したのは米谷・門田・石原の3選手。序盤は石原選手が積極的に、3周程経過すると門田選手と米谷選手も前々で動き始める。一方、スプリントを担う小山選手はきちんと集団前方に位置し、レース終盤に備える走り。アタックが決まらず集団に少し疲れが見え始めた中、米谷選手が積極的に動くも決まらず周回を重ねていく。
レースに動きが出たのは7周目付近。先行する中村龍吉選手(群馬グリフィンレーシングチーム)を追う形で門田選手が飛び出すと、これに3名の選手が追随して合計5名の逃げ集団が形成された。メンバは門田選手と中村選手、追走で入った山本大喜選手(KINAN Cycling Team)、小森亮平選手(マトリックスパワータグ)、小石祐馬選手(TeamUKYO)。一方メイン集団はこのタイミングでペースが緩み、宇都宮クリテリウム3連覇を狙う地元の宇都宮ブリッツェンがコントロールを開始。逃げとの差を30秒程度にキープしながらレースが進行した。
門田選手を逃げに送り込んだチームは、固まって位置取りし、スプリンターの小山選手が風を受けないように意識して走行。途中、宮澤監督から「愛三工業レーシングチームの後ろに位置取るように」と指示が入る。昨年まではUCIコンチネンタルチームの直後にチームで位置取ることは難しかったが、今季のチームのプレゼンスと逃げに門田選手を入れている状況からか比較的容易に位置取ることが出来ている模様。
レース終盤に入ると、スプリントを意識して集団の追走ペースが上がっていく。
ここまではチームでまとまる事が出来ていたが、徐々にはぐれる場面が多くなる。レース序盤から終盤直前までチームで動けるようになった点は今年の成果ではあるが、一方でレースの最終局面まで維持出来ないのが課題と言える。ラスト2周。米谷選手が小山選手と石原選手を連れて集団前方に上がり、そこから先を2人に任せる。しかし、最終周回で小山選手と石原選手それぞれの直前で中切れが発生。2人ともにスプリントに絡むことは出来なかった。
一方の逃げ集団。最終周回まで逃げ続けたが、残り半周程でメイン集団にキャッチされる。吸収後も脚を止めることなく回し続けた門田選手がスプリントに参加するものの、後続選手に追い越されて4位でフィニッシュラインを通過した。
群馬3連戦最終レースでの石原選手の4位に続く好成績かと思われたが、宮澤監督からは「完全な敗北レース」との評価。クリテリウムレース終了後の夜のミーティングは延々と続いた模様だ。
宮澤監督から
門田選手の逃げが出来た時点で逃げ切る、集団に吸収されても小山選手のスプリントでレースを支配する予定だった。門田選手は「監督からの指示が聞こえなかった」とレース後のミーティングで述べたが、監督が叫んでいることに耳を傾ける、もしくは指示を受け入れる姿勢がなかった事が、最悪の展開を生んだ。ゴール前で集団に吸収され、再度アタックしても集団の選手がついてきたら、なす術は無い事は分かっていたはずで、確率の少ない所に勝機を見出してしまった。
完全な敗北レースとなった。
米谷 ¥0
小林 ¥0
永塩 ¥0
小畑 ¥0
石原 ¥0
小山 ¥0
門田 ¥0
PHOTO REPORT
今季2回目の遠征の地、宇都宮に集まった選手たち。地元栃木の石原選手は自走で会場入りしたが、集合時間に少し遅れて苦笑い。
米谷選手が動いている間、集団内では石原選手と門田選手が小山選手を守る。
序盤は集団前方で小山選手を守る動きに参加していた小畑選手だったが、徐々に集団後方へ。
スタート直後から徐々に位置を落とし、最後尾で苦しむ永塩選手。「スタートは後ろの方だったがすぐに前に上がるつもりでスタートし、まずは走り切ることを目標にした」とレース後にコメント。Jプロツアーの密集をかき分けて前方に上がるのは本当に大変だ。
「今日は前に位置取りをしてチームのサポートをしたかったが、集団の後方で脚を削られ続けた。今日はチームのためにも自分のためにも全く意味のない位置を走ってしまった」とコメントした小林選手もJプロツアーのハイペースに苦しんだ。
一方、集団前方では門田選手が逃げに合流。計5名となった逃げ集団の中で最終周回まで逃げ続けた。
追走のメイン集団には小山選手が控える。これを石原選手と米谷選手がサポート。
暑さ対策を怠ったためか軽い熱中症の様な状態になり思うように体が動かず残り一周のペースが上がったストレートの立ち上がりで中切れに遭ってしまったという石原選手。後ろに控えた小山選手も中切れに巻き込まれ、2人ともスプリントに参加することが出来なかった。
最終周回まで逃げ続けた門田選手だったが残り半周でメイン集団に吸収される。そこから脚を止めることなくスプリントに入るも4位でフィニッシュラインを通過した。「自分の中では5人でのスプリントになったら勝てる自信があった」とレース後に語った門田選手。同時に「逃げ集団をシャッフルして足の揃ったメンバーで行くべきだった。スプリントより更に逃げて力を見せる走りにトライすべき」ともコメント。宮澤監督としては後者の門田選手を見たかったのかも知れない。
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.