12JUN.2022@「富士の国やまなし」 第18回Mt.富士ヒルクライム, エキシビションレース

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「富士の国やまなし」 第18回Mt.富士ヒルクライム, エキシビションレース
– 山梨県富士吉田市/富士北麓公園~富士山五合目(約24km富士スバルライン) –

 
【エキシビションレース】


1位 佐藤 光(稲城フィッツ クラスアクト) 0:59:58.40
2位 吳 之皓(ブライトンレーシングチーム) 1:00:42.07
3位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) 1:00:43.55
4位 トマ ルバ(キナンレーシングチーム) 1:01:32.37
5位 畑中 勇介(キナンレーシングチーム) 1:02:09.42
6位 神村 泰輝(アヴニール山梨) 1:03:19.54

 


 

6月12日(日曜日)、第18回Mt.富士ヒルクライムが開催された。今年はJプロツアーやJCLで活躍する選手が参加する「エキシビションレース」が設けられ、LEOMO Bellmare Racing Teamからヒルクライムを得意とする米谷隆志選手が出走した。
今回はレース後のレポート執筆も得意とする米谷選手本人の文章をお届けします。

 
 

RIDERS REPORT


 

米谷選手(JPT):
これまで何となく縁がなかった富士ヒルクライム。今回エキシビションという機会をもらって主催者選抜と混走で走ることに。出走を知ったのが大会の2、3週間前。時間的余裕もなく、修善寺、全日本と続く前週の開催ということもあり、焦点を当てたトレーニングはなし。コースプロフィールの確認もあやふやで、22kmぐらいから緩斜面、トンネルを3つくぐったらゴール、最後に2分弱の坂という風に前日に聞いた。主催者選抜のレベル的に勝負は相当厳しいのは理解していたが、可能な限り集団について行って勝負し、自分の実力を試したかった。

 

計測開始地点直後から池田選手はじめ本命勢が動き始め、一気にペースが上がった。5分走かと思うようなぺース(5分360w!!)でレースが始まり、あまりの速さに驚愕しつつ後ろに隠れながら対応。しばらくして加藤選手、池田選手ともう一人が先行、逃がしてはいけないメンバーを前に集団が見合い始めたのでブリッジ。長引きせず様子を見て、合流してきた集団にエキシビションで確認できたのはすでにトマ選手と佐藤選手だけ。トマ選手は背が高いので後ろにつくメリットも大きく、足も信頼できるのでしばらくはトマ選手の後ろで走ることにしたが、いつもの迫力が感じられない。その後のアタックで脱落していった。

 

最初の速さこそ落ち着いたものの上げ下げがありつつ10分経過は今季の10分走から若干落ちた程度。20人ほどの集団の後ろ半分は若干苦しそうだが、前は明らかに余裕。力の差がありありと見えた。もはや疲労を散らしつつ集団の中で耐えるのみ。階段状に現れる勾配ごとにポジションを落としながらペースが落ち着くのを祈ったが、誤魔化しきれなくなり20分過ぎでオールアウト、脱落した。

 

遅れながら徐々にペースを取り戻し、テンポをつかむ頃には前からさらに3、4人が脱落、パックを作るのが見えた。ペースは同じぐらいだったので緩斜面の前を狙ってブリッジ。緩斜面を使って回復しローテに入った。ローテの向き、タイミングなどギクシャクしがちだったパックをまとめ、自分が楽になるよう立ち回った。前に見えるパックを捕まえたかったがそこまでは届かず、若干メンバーを入れ替えつつ上に出ると強烈な向かい風、タイム的に1時間切りは厳しそうなことを悟った。この頃には徐々に左膝に違和感が生じ始めたので、負担をかけないよう丁寧に距離を消化。
聞いていた通りに緩斜面に入り2つのトンネルを通過。3つ目のトンネルの先に勾配のある坂とその頂上に何かが見えたが、聞いていたよりだいぶ短いこともありゴールかの確信が持てなかった。後ろに見覚えのあるジャージは見えず、エキシビションの選手は近くにいないと判断し、膝の状態もあったので無理に踏みすぎずに進むとゴールだった。直後、最後の最後にブライトンの選手に抜かれたことに気が付いた。

 

単純に、あまりにも実力差があった。ここで勝負しようと思ったらヒルクライムの地力が2段階は足りない。終盤にかけても標高なりのペースダウンだけで、20分時点からさほどペースが落ち着いたわけではない。ふるい落としに耐えられなかったというよりは、地力の差だろう。わかってはいたことだが、一緒に走って肌で感じると衝撃的だった。コースプロフィール等の下調べ不足は言い訳のしようもなく自分の怠慢。せめてゴール前ぐらいは時間をつくって調べておくべきだった。最後のはルーキーミス。気を抜いてはいけない。

 

結果的に20分で力尽きて後半は全く踏めず、タイムとしては厳しいものだったが、トップクライマーの本気を垣間見、力の差を肌で感じられたのでそこに後悔はない。厳しいレースだったが楽しかった。機会があればまた挑戦したい。また、基本的に全員がホビーというイーブンな条件で、ここまで力を高めることが出来るのかと刺激になった。膝の状態もどうにか耐え、1時間のPBも更新。体の反応も悪くはないし、次週以降に向けていい材料になったと思う。

 
 

Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi YONETANI, Edit: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.