25SEP.2022@第4回JBCFまえばし赤城山ヒルクライム, JPT#15

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第4回JBCFまえばし赤城山ヒルクライム
– 群馬県前橋市/前橋合同庁舎エリアから⾚城⼭総合観光案内所までの特設コース(21.5km) –
21.5km(JPT)

 
【JPT】


1位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) 57:47 ave22.32km
2位 湊 諒(シマノレーシング) +00:13
3位 加藤 辰之介(イナーメ信濃山形) +00:15
4位 池田 隆人(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:17
5位 金子 宗平(群馬グリフィンレーシングチーム) +00:19
6位 風間 翔眞(シマノレーシング) +00:31

9位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +01:13
26位 関口 拓真(LEOMO Bellmare Racing Team) +05:46
41位 小畑 郁(LEOMO Bellmare Racing Team) +15:05

 


 

群馬3連戦の最終日。9月25日(日)にJプロツアー第15戦となる「第4回JBCFまえばし赤城山ヒルクライム」が開催された。3年ぶりの赤城山ヒルクライムはこれまでと同じく群馬県前橋市の前橋合同庁舎をスタートして⾚城⼭山頂の総合観光案内所まで登る全長21.5kmの特設コースが舞台。群馬3連戦の最終日にしてやっと朝から晴天のレースとなった。この日のレースはヒルクライムということもあり、池田隆人選手も出場。LEOMO Bellmare Racing Teamからは米谷隆志・小畑郁・関口拓真選手と池田選手の4名が出場した。ヒルクライムが得意な池田選手ということで優勝候補にも挙げられていたが、同じく登りを得意とする米谷選手も注目のレースとなった。
朝7時にスタートしたJプロツアー集団は数名の逃げを容認したまま赤城山の麓へ進む。ヒルクライム区間に入るとメイン集団は逃げを吸収して進行、その後のペースアップを経て、池田選手と米谷選手が先頭集団に残る展開となった。池田選手もペースアップを仕掛ける中、残り4-5kmのところで米谷選手が離脱。LEOMO Bellmare Racing Teamとしては池田選手での勝負となる。最終盤にマンセボ選手(マトリックスパワータグ)がアタックして単独先行。池田選手は一旦これを見送り、息を整えたところで周囲と協調しながら追走すしたがマンセボ選手に追いつかない。勝負は2位争いとなり、全力で踏み切った池田選手は惜しくも4位フィニッシュとなった。

 
 

PHOTO REPORT (JPT)


 

先行集団の先頭に出る池田選手。後方には米谷選手の姿も…
Photo by Satoru KATO
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池田選手は4位フィニッシュ。
Photo by Satoru KATO
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RIDERS REPORT


 

関口選手(JPT):
あまり得意でないヒルクライム。人生初レースはヒルクライムだがDNFに終わっていて不安要素があった。その反面、ヒルクライムは自分のポジションをタイムで知ることができ楽しみでもあった。ベストを尽くしつつもエースである池田さんに対して最大限アシストすることを目標にラフな気持ちで取り組んだ。
スタートしてから15分は臀筋、ハムストリングが痛かった。連日の疲れがここに出る。心拍には余裕があるのに筋肉の疲労からかなりキツかった。序盤はペースが遅くダンシングで痛みを凌ぐことができた。15分を過ぎてからは痛みも消えストレスなく集中できた。段々と心拍、フィジカル的に一杯になってくる。ラスト10kmを過ぎ限界が見えてきた。最後の力を出して池田さんに接近。ボトルのアシストをして集団から千切れた。そこからはペースで刻みBSの選手、エリートの選手と共にゴールを目指した。
自分の想定よりも高い順位でゴールすることができた。目標も達成することができた。これからは苦手でも池田さん、米谷さんに肩を並べていきたい。そしてヒルクライムだけではなく平地、下りを含めてタイムトライアル能力を高め自己分析に努めていきたい。約2年目にしてこの場に立てた。来年が楽しみだ。

 
 

池田選手(JPT):
約半年ぶりのJBCFレース。当日朝は比較的身体が軽い状態で迎えることが出来た。米谷選手とアップした感じも脚がよく回り、悪い感触はなかった。レースの作戦は、一つでも良い順位を取るために出来る限り集団内で温存し、先頭についていけるところまでついていく、ということにした。体力的には良くてTOP10入りという感じで優勝入賞に絡むのは厳しかったので、あまり緊張せず臨んだ。
スタートを切ると、序盤は予想通り緩めのペースで進んだ。前半は緩斜面なので有力選手が先行する可能性は低く、中切れも発生しづらいのであまり前には行きすぎないように意識した。スタート時に目の前にいた米谷選手と関口選手の後ろをキープしたかったが、車間をギチギチに詰めていなかったら他の選手に入られてポジションを落とし、真ん中より少し前目をキープした。万が一中切れが起きても、もっと後ろにいるであろう金子選手などの有力選手のトレインに乗るつもりでいた。途中、何回か米谷選手が振り向いて自分の位置を気にかけてくれて、少し横に出てしまったとき等に前で風よけになってもらい、とても助けられた。
旧料金所の手前で前から落ちてくる選手がポロポロ出始めて、ペースが上がりそうな雰囲気があったが、何も起きなかった。料金所を過ぎて直線に入ってもスローペースで淡々と進んでおり、自分としては苦手な展開になりそうな気がした。とはいえ、自分も息が上がり始めて限界が近くなっていた。右から関口選手が上がってきて、ボトルいりませんかと声をかけてくれた。自分よりも余裕そうに走っていたのに驚いたのと、水分補給するには絶好のタイミングだと思った。ただ呼吸とかスキルとか色々余裕が無い状態で受け取って飲むことに不安があったので、お礼だけ言った。
そのあと、いよいよ勾配がきつくなる勝負所に突入したが、ペースが徐々に下がるだけで何も起きなかった。米谷選手のおかげで前から4番手?と最高のポジションにいたので、得意な展開に持ち込むために自分からペースアップを図った。しかし2分強6.2倍くらいでキレが全くなく、自分が大ダメージを食らった。ただの自爆かと思ったが、金子選手が前に上がってきたりしてレースの流れが変わったのは良かった。先頭交代をしたあとは、金子選手の引きが強くてもう無理と思うことが何回かあったものの、他の選手との交代のタイミングで緩むことが多く命拾いをした。追い込みすぎてわき腹が痛くなって前を追えなくなり、尾形選手の先行を許してしまった。
虫の息で耐えているところで、米谷選手からもうキツイと声がかかる。自分ももうきつくてドロップしようとしていたので思わずまじすか!!と言ってしまい申し訳なくなったが、この地点で先頭に誰も残らないのはまずいと思い必死に前にくらいついた。幸いそこからしばらくはペースは上がらず、呼吸を整えたらわき腹の痛みも引いて助かった。
姫百合駐車場を過ぎてつづら折りが始まってから、また自分からペースアップをした。緩いペースが続いたら他の選手がアタックをする隙が出来てしまうのでそれは避けたかった。高強度トレ不足でアタックに反応する力は無いのでなるべくFTPの我慢勝負に持ち込みたい。
金子選手も自分の動きに乗ってくれたが、6倍オーバーで一本引きしてきたのでだいぶキツイ。ほとんどオールアウトしながら千切れるギリギリのところで踏みとどまる。しばらくして先行していた尾形選手を吸収。その後に緩んだので回復することができた。自分も短いながらもローテに加わる。
交代を促して後ろに下がってちょっと経ったところでマンセボさんがアタック。シマノの選手2人と金子選手が反応。自分は反応しなかった。加藤選手と尾形選手も反応せずにペースを刻んでいたので彼らの後ろにつき、脚を休めた。少し休んだ後、自分が前に出てペース走で前を追いかけ始めた。2分くらい追いかけたらマンセボさん以外の先行していた3人に追いついた。後ろには加藤選手がついて来ていたので5人グループに。5人でローテするがペースは上がらずマンセボさんには全く追いつかない。2位争いのムードになる。金子選手が何回か立ちこぎでアタックに近いペースアップをしていたが、勾配が緩いので座り漕ぎでついていけた。
フィニッシュ前の直線に入る手前で緩んだところで、湊選手がアタック。その後ろに、後方から勢いをつけてきた加藤選手、金子選手と続く。自分は金子選手の後ろに座り漕ぎで食らいついた。今の体力では高パワーが出せないのでこうすることしかできない。最後は下ハン立ちこぎで金子選手を差してフィニッシュし4着。表彰台には乗れなかったが、現状の自分の力は150%ほど%出せたと思う。
火曜日のズイフトTTTレースを最後に今シーズンは終了。しばらく自転車には乗らず回復に努めたい。

 
 

米谷選手(JPT):
3年ぶりの赤城山。元々楽しみだったし、2日目をイージーにしたことで重要度が一気に高まった。体は直近1週間で4レースを走った後とは思えないほど動いたが、相応の疲れはあった。過去2回と比べて登れず、富士ヒルでもそれを露呈しているのでどれだけやれるかは正直疑問。とはいえ登り自体は好きだし、昨日楽をさせてもらった分も頑張りたかった。
朝に合流した池田選手から調子が微妙という話を聞き、池田選手に合わせて動くのを基本としつつ自分で勝負する心構えもしておいた。序盤はイージーペースから少しずつ負荷が上がっていくいつも通りの展開。池田選手が後方に位置取ったため、最初は池田選手の後ろで他の選手に突っ込まれたりしないようにケアした。心配なさそうだったので途中から前へ。勾配とペースが上がり、池田選手が位置を上げてきてからは2人で位置取りをした。この頃からダンシングで誤魔化したくなるような足の重さを感じていていた。
8キロ以上を残した地点から池田選手がペースを上げ、金子選手ら登れる選手が呼応しセレクションをかけた。人数を残したシマノ が攻撃を続け、金子選手中心に追走する集団が10人ほどに人数を減らす中、自分に余裕は全くなかった。様子を見に下がってきた池田選手に限界に近いことを伝えると余裕のサムズアップが返ってきた。
小刻みにカーブを繰り返す区間で逃げていたシマノ の選手を吸収するとともに軽いカウンター。4.5キロほどを残し自分はここで力尽きた。自分の直後にドロップしたシマノ 天野選手と登っていると、早々に切れたはずの入部さんが残り2キロを切って追いついてきた。一緒に行きたくないのでペースを上げたが切れない。諦めてスプリントに備えると天野選手も追いついてきて3人での勝負に。天野選手の早駆けに入部さんが合わせ、そのまま自分も踏み始めるか迷った瞬間に入部さんがもがき始め、つけなかった。
今の実力通りだったというのが率直な感想。練習量を取れている時の、この先30分休まなくても追い込み続けられる、みたいな感覚がなく、精神的にも苦しんだ。これはロードでも感じていて、レースで取れる選択肢をかなり制限しているので、どう対応するかは今後の課題。あとはスプリントの経験不足も。スプリントで自分と同格か格上の相手と勝負する機会が少なくてとっさの判断が出来なかった。とはいえ、シングルリザルトを死守したのは良かったと思う。今のベストは尽くした。
南魚沼から密度の高い8日間だった。今年は冬から怪我と付き合わざるを得えず、満足に練習も出来ない状態で走るレースが続いていた中で今回やっとレースを楽しめた。夏もトラブル続きで心が折れかけていたが、腐らず出来ることを続けてきたのが報われた思いがある。シーズンはまだ続くので、連戦の疲れを取って霞ヶ浦に向けて準備していきたい。

 
 

小畑選手(JPT):
ヒルクライムステージは自分には出る幕はないので出来る事をしようと、ヒルクライムでの成績の狙える池田、米谷、両選手の少しでも役に立てばという気持ちで走る。
スタートやはり前方に陣取りスタート。自分に出来ることはスタート地点から鳥居、その先の斜度がきつくなり出すまでの集団でのポジション取りくらいかなと思っていたので足を使っても集団前方走りやすい場所をキープする事に。スタートして近くに米谷君は見えたが池田君が上がって来ないので、余裕のある米谷君が池田君を引き上げに下がって探しに行く。「悪い」本当は俺が行かないとなのに足がないオレの代わりに行ってくれたのかな?しばらく多分そんな余裕のない選手達で小競り合いする。。。2人が戻ってきてから数キロ鳥居を変え軽い斜度変化が始大たところで自分は苦しくなり邪魔しない様に集団から大きく外れてマイペース走に。もう少し走らないとやはり大した役には立たないな反省。集団で走った時間20分弱と待たなすぎる。今日も山梨水野選手を目標にして自分の最大限のペースで登りゴール!時間は1時間12分。アベレージパワーは270w程でした。
群馬3連戦ですこしは体の動きも良くなり踏めて来てる感じはあるのでしっかり10月後半の霞ヶ浦に繋げたいですね。

 
 

宮澤監督から


 

米谷選手は南魚沼の好調をキープしているので、この3連戦で1つ良い走りに期待。関口選手はまずは完走を目指し、位置取りやコミュニケーションをとる。赤城山で池田選手と上位を目指す。
群馬1日目、キツイ展開になる時に前に残れるかが鍵となり、逆周回ではサバイバルな展開が予想された。米谷は順調に残ったが、関口には厳しい展開となった。群馬2日目、米谷は3日目へのレースとし、関口がレースを学ぶ時間にした。集団内の位置どりや、状況判断など現場で学べることが多いレースとなった。小畑は怪我からの回復を感じる走りができ、引き続きチームの連携をとっていきたい。
そして最終日の赤城山、赤城山は久しぶりのヒルクライムレースだった。序盤の位置取りでは、他の選手が米谷の後ろに入って池田選手が風を受ける場面も、米谷の前に入るなど、チーム内で工夫できることもあると思った。池田選手も復帰戦で十分なトレーニングができていなかったが、苦しい中で結果を出した走りだった。


 

米谷 ¥18000
池田 ¥15000
関口 ¥5000
小畑 ¥3000

 
 

Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V., Photo: SPECIAL THANKS!!! to Satoru KATO