24SEP.2021@群馬CSCロードレース 9月大会, Day1, JPT #15
群馬CSCロードレース9月大会 Day1
– 群馬県利根郡みなかみ町/群馬サイクルスポーツセンター –
6.0km/20周回 180.0km
1位 今村 駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 4:32:05 ave39.69km
2位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +00:00
3位 草場 啓吾(愛三工業レーシングチーム) +01:02
4位 ホセ・ビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +01:13
5位 大町 健斗(eNShare Racing Team) +01:14
6位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +01:14
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16位 小林 弘幸(LEOMO Bellmare Racing Team) +01:15
34位 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +05:57
DNF 小畑 郁(LEOMO Bellmare Racing Team)
前戦の南魚沼から4日後というタイトな日程の下、9月24日(金曜日)から26日(日曜日)までの3日間をかけてJプロツアー第15~17戦となる「群馬CSCロードレース9月大会」が開催された。会場は群馬県みなかみ町の群馬サイクルスポーツセンター。LEOMO Bellmare Racing Teamからは才田・小畑・小林選手の3選手が出場した。
Jプロツアーとしてはレアケースとなる3日間開催の群馬CSCロードレース。日毎に反時計回り・反時計回り・時計回りで開催され、初日はE1クラスタおよびJCL登録選手(オープン参加扱い)との交流戦形式、残り2日間はJPTのみの通常レースとなった。また、レース距離は1日目が180km、2日目は短く72km、最終日は120kmとなり、特に初日は10月下旬に控える全日本選手権対策という位置づけで、全日本選手権への出場権を持つ選手たちに長距離レースでの調整の場が提供された。
初日は日焼けを気にするほどの強い日差しの中でのレース。11時半に鳴らされた号砲の下、JETおよびJCLの選手を含む84名の選手が180kmの先のフィニッシュに向けてスタートした。序盤からアタック合戦が繰り広げられるものの、なかなか逃げが決まらない展開。長距離レースということで早々に逃げが決まってメイン集団が緩々と追う展開が予想されたが、今季のJプロツアーは距離に関わらず序盤から厳しいレースが多い印象。
やっと逃げが決まったのはレースの半分を消化した15周付近。マトリックスパワータグ、TEAM BRIDGESTONE Cycling、愛三工業レーシングチームといった主要チームが複数名を送り込んだ17名の先行集団が形成されるとメイン集団との差は徐々に拡大していった。メイン集団との差と逃げ集団のメンバを考慮すると逃げ切り濃厚と思われた展開だったが、ここで終わらないのが今季のJプロツアー。メイン集団先頭に位置取るTEAM BRIDGESTONE Cyclingが牽引を開始すると、ここにLEOMO Bellmare Racing Teamの才田選手も加わって逃げ集団を追い始め、残り数周となったタイミングで逃げ集団を吸収。再度アタック合戦が開始された。
細かい動きの中から今村選手(TEAM BRIDGESTONE Cycling)とマンセボ選手(マトリックスパワータグ)が2人で抜け出すと、勝負はマッチレースの展開となり、スプリントを制した今村選手が今季2勝目を上げた。
一方、LEOMO Bellamre Racing Teamのレース。南魚沼では小林選手の走りが光り、スタートから良い位置取りで逃げに乗り、残り数周で先頭集団から遅れたものの、後続に追い付かれることもなく5位でのフィニッシュ。加入当時から黙々と練習を重ね、レース経験を積み重ねてきた小林選手。この週末も小林選手の走りが期待された。
中盤に形成された逃げ集団にメンバを送り込むことが出来なかったチームとしては、何とかレースを振り出し戻したい展開。監督からは「メイン集団の牽引に小林選手が入り、才田選手での勝負」という指示が飛んだが、現場での判断で才田選手が牽引に入る。牽引力の高い才田選手とTEAM BRIDGESTONE Cyclingのチーム力で残り3周付近で逃げ集団を吸収。ここからは小林選手が才田選手の期待に応えるフェーズとなる。
これまでのレースでは、フィニッシュに向けたメイン集団のペースアップに耐え切れず、集団からこぼれ落ちてしまうのがパターンだったが、この日の小林選手は集団前方のアタック現場で奮闘。先行する今村選手とマンセボ選手へのブリッジに挑戦する姿も見せつつ、最後までメイン集団にとどまり続けてスプリント集団内でのフィニッシュとなった。
PHOTO REPORT
群馬3連戦に挑むLEOMO Bellamre Racing Teamの3名。
早々にスタートラインに並ぶLEOMO Bellamre Racing Teamの選手たち。この心がけは大事。
Jエリートツアー(JET)を走る元チームメイトの中里選手と。
体調不良に悩む小畑選手だったが、レース中盤まで粘る走りを見せた。
レース序盤はいつもの定位置、集団最後尾で展開を見定める才田選手。
追う、追う、追う、才田選手。牽引力の高い才田選手とTEAM BRIDGESTONE Cyclingのチーム力で逃げ集団の吸収に成功する。
才田選手が牽引するメイン集団の中で、最終局面に向けた位置取りをする小林選手。この辺りの走りは外から見ても安定感が増しているように思える。
レース最終局面、逃げを吸収したメイン集団の前方で次の攻撃に入る小林選手。最後までスプリント集団に食らいつき、16位でフィニッシュ。
RIDERS REPORT
才田選手:
調子は良く距離も長いので終盤にチャンスを見つけて動く予定でスタート。逃げができては吸収を繰り返す速い展開。中盤過ぎに決まった決定的な逃げにチーム・メンバーを乗せられなかったので前を吸収したい。ただ、小林と自分の2人しか残っていない状況。短い坂は自分に不向きなので小林に勝負を託し、自分はローテに入る。残り3周から4周を残して30秒まで詰めることを目標に。BSやシマノとシエルブルーも回っているがなかなか詰まらない。登り区間で主に集団を牽引し、残った体力を使い切るつもりで逃げを捕まえてお役御免。
吸収した後も小林は積極的に前で展開にチャレンジしたし、少ないチーム員でよくやり切ったと思う。
小畑選手:
3連戦初日180kmと長い。最近体の調子が悪くて心配しかないが、欲張らずに少しでも集団で走るが自分の目標。早めに逃げを容認してもらい、落ち着いたペースになるまで我慢出来るかがポイントか。
実際は各チームが逃げを試みるが決まらずペースが落ちない(涙)。まあまあ体は動いている印象だったで、小林選手と5周程集団の前の方をキープしながら走る。6周目の登り区間で集団が割れる程のペースとなり、前の集団に慌ててつく形になりバックストレートへの登りきりで全然踏めなくなってしまう。この動きで集団から遅れ、2周ほど走って結果8周してのDNFとなりました。
脚の動きなどはボチボチでしたが心臓が回らず。明日は登り区間の集団のスピードの変化、斜度変化などにどこまでダメージを減らして走れるか。
今日のレースは自分がすぐに居なくなる形になりましたが、才田選手のレースをひっくり返す動き、小林選手の終盤ゴールに向けてのチャレンジと、良い走りが出来ている。それに加わることが出来ないのが悔やまれます。
小林選手:
南魚沼から中3日間でむかえた群馬3連戦初日の今日は180kmの長丁場。今日は危険な逃げを警戒しながら前々で展開してチームで表彰台を狙うのが目標。
レース序盤は小畑さんと前の方で逃げを警戒していたが、小さい逃げができては吸収されてを繰り返す展開だった。登り始めの加速を踏み過ぎないようにしていたので脚は温存できたが、少し後ろに下がり過ぎてしまい、アタックがよくかかるホームストレートで前に上がりきれなかったのは反省点。
中盤に決まった大きな逃げは集団の前から3人目くらいにいた。しかし、アタックが自分の逆サイドからかかり、自分のサイドは蓋をされる。このため前に出られずに完全に乗り遅れてしまった。ずっと走って来た中で、自分と反対側のサイドからアタックがかかることは分かっていた。走りながら位置取りを修正していく癖をつけていきたい。
才田さんの牽引で逃げが吸収されてからはアタック合戦が再開。ラスト2周に入るところで今村選手とマンセボ選手の2人の逃げにブリッジするエルドラードの選手の動きに便乗したが、詰めきれずに愛三のコントロールする集団に吸収された。一度諦めかけたがなんとか最後まで集団に残り、スプリント集団の最後でゴール。
終盤で勇気を持って動いたことは良かったが、愛三が一番力を持っている集団の中で、別のチームの動きに焦って反応してしまったのが良くなかった。今日の反省を活かして残り2日も表彰台目指して頑張りたい。
宮澤監督から
前半のアタック合戦、良い選手が動く中、チームとしては動けない位置でレースを展開してしまった。中盤からBSが集団をコントロールしたが、前を追うためではなくタイム差を開かせない様にペースは維持する程度。小林選手に前を追うよう指示を出し、才田選手での勝負を考えたが、現場判断で才田選手が集団を牽引して小林選手で勝負へ。
じわじわと前との差を縮めた事で逃げ集団内でも展開が起き、残り3周で逃げ集団を吸収。BS今村選手とMatrixマンセボ選手のアタックに付いて行けなかったのは非常に残念。その逃げも一気に差が開かなかったので、追走に行く選手と一緒に先行集団に追いつく展開を指示する。
集団内で多勢だったのが愛三だったので、その動きを見なければならなかったが、彼らが動く前に飛び出してしまって集団に吸収されるという最悪の展開となった。ただ、その後も集団から遅れずにゴール勝負までいけた点には成長を感じた。勝負所で、周りの状況を判断し、どんな展開が考えられるかを考える事がまだまだ出来ていなかった。しかし、勝負に絡める自信はついたと思うので、残り少ないレースも頑張って勝負に行きたい。
才田 +¥30,000
小林 +¥12,000
小畑 ¥0
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.