22JUN.2024@第92回全日本自転車競技選手権大会ロード・レース, DAY1, Men U23 and Women Race
第92回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース, DAY1, Men U23 and Women Race
– 静岡県伊豆市/日本サイクルスポーツセンター(8km右回り周回コース) –
【MU23】8.0km/14周回 112.0km
1位 寺田 吉騎(シマノレーシング) 3:22:21 ave–.–km
2位 鎌田 晃輝(JCL TEAM UKYO) +00:03
3位 松井 丈治(立命館大学) +00:03
4位 林原 聖真(明治大学) +00:12
5位 佐藤 光(Team Cyclers SNEL) +00:13
6位 森田 叶夢(京都産業大学) +00:15
…
39位 高橋 翔(Bellmare Racing Team) +11:42
DNF 関口 拓真(Bellmare Racing Team)
DNF 藤本 元貴(Bellmare Racing Team)
DNS 山口 凱生(Bellmare Racing Team)
【WE+WU23】8.0km/11周回 88.0km
1位 與那嶺 恵理(Laboral Kutxa – Fundación Euskadi) 3:04:35 ave–.–km
2位 木下 友梨菜(Bellmare Racing Team) +00:00
3位 石田 唯(早稲田大学) +02:23
4位 金子 広美(三重県自転車競技連盟) +02:32
5位 牧瀬 翼(37WINGS PLUS) +03:02
6位 手塚 悦子(IMEレーシング) + 03:07
2024年の全日本選手権。今年も開催地は静岡県伊豆市の日本サイクルスポーツセンターとなり、6月22日(土曜日)に男子U23と女子のレース、そして23日(日曜日)には男子エリートのレースが行われました。Bellmare Racing Teamからは女子の木下友梨菜選手が土曜日のWE+WU23に出場。同じく土曜日に開催されるMU23には藤本元貴選手、高橋翔選手と久しぶりに顔を見せる関口拓真選手の若手3名が出場しまた。
初日の土曜日は男子U23のレースからスタート。今季のBellmare Racing Teamは若手主体の構成となり、男子U23に3名が出場しましたが、灼熱のレース、修善寺のタフなコース、そして今年の日本一を決める決める厳しい展開に藤本選手と関口選手は脱落。高橋選手は最後尾で最終周回に入る粘りの走りで39位フィニッシュとなりました。
一方、今回が初めての全日本選手権となる木下選手は輿那嶺選手や金子選手などの強豪選手と同じ舞台でどこまで走れるかが期待されるレース。レースは中盤の6周目付近から木下選手と與那嶺選手とのマッチレースとなり、駆け引きを繰り広げながら最後のスプリント勝負へ。惜しくも木下選手は2位でレースを終えました。
PHOTO REPORT (MU23)
粘りの走りで最終周回に入った高橋選手は39位でフィニッシュ。
PHOTO REPORT (WE+WU23)
レースが後半に入るところで與那嶺選手とのマッチレースとなる。
初めての全日本選手権で初めての表彰台。與那嶺選手と石田選手と共に。
RIDERS REPORT
高橋選手(MU23):
年に1度の日本一を決める大会。この日に自分の最大限のパフォーマンスを発揮するために準備してきた。木曜日から会場入り。8キロコースは初めてなので入念にコースの確認を。U23は112キロ14周回で獲得標高は3200m超え。自分の得意なシチュエーションではないがその中でベストを尽くそうと思った。レース当日、朝8時スタートだったが快晴で気温も高い。フローズンゼリーや氷で身体を冷やすなど暑熱対策はしっかりと行った。今回はいつも迷って乗れない逃げやアタックに全て反応して積極的なレースをしようと考えていた。
スタート直後から集団の前方に位置しいつでも動けるようにした。細かい動きにも反応して常に10~20番手付近に位置することを心がけた。序盤はその繰り返しだった。そんな展開で脚を削られ9周目の序盤の上りで集団からドロップ。しかし後半の上りでペースが緩むだろうと思い数人のパックで集団を追う。予想はあたり上りで緩んだ集団に追いつき再びメイン集団でレースを展開。10周目、再び上りのペースアップに付いていけずドロップ。今度も諦めずに追うがもう脚は限界、そのまま追い付けず11周目に。数人のパックでレースを走り前を追う。このあたりから気分が悪くなり吐き気がしてきた。補給を取るも戻してしまい完全にやられている感じ。飲みやすいゼリーやドリンクなどを中心的に取りハンガーノックになるのを避けた。そのままレースを進めてギリギリラストラップへ突入。今回のレースではメイン集団からドロップしても最後にスプリントしてその集団でトップを取るという目標も立てていた。ラストの上りを上り切り、スプリント開始。身体は余裕はまったくなかったが割と掛かりは良かった。パック内ではトップでフィニッシュ。
今回のレースはいつも出来ない集団前方に位置しアタックや逃げに反応する事が出来たことは良かった。それを実行した事により見えてきた新しい課題もある。ポジションをキープしようとし過ぎて上りに前で入ったのにそこで踏み続けてしまい脚を使ってしまったこと。あそこで脚を休めて下りで前に出て上りで休めてを繰り返していたらまた違った展開だったかもしれない。そしていつも課題にしている2時間を超えてからの身体の使い方や集中力のメリハリなどクリアしなければならない事は山積み。時間は掛かるかもしれないが1つずつクリアしていきたい。
最後になりましたが暑い中、サポート、応援本当にありがとうございました。
関口選手(MU23):
全日本を目標に幾つかの課題があった。まず一つ目は暑熱適応。元々、暑さに対しての適性が弱い上、日本の高温多湿な気候に適応させることは簡単ではない。帰国してからすぐに、新潟のサウナのような気候で順応を試みた。最終日には実感できるほど(初日は幻覚が見えそうなくらい、相当なストレスがあったものの最終日はかなり楽に走れた)順応したが、完全な状態に持っていくことは困難だった。レース当日、スタート前には氷を背負いベストなコンディションで挑んだ。その努力も相まって終始オーバーヒートすることはなかった。
二つ目に如何にしてコンディションを上げるか。フランスにいる間、不足なく練習はできたが強度が不足していた。まずレースを望むように走れなかった。そしてメニューを行うにしろ、高い意識を持つことに苦悩して実感のない練習になってしまった。それが結果的に、オールアウトに繋がった。
スタートが切られ暫く牽制が続いた。海外であれば、必ず誰かがアタックする。冷静に進む日本のレースは緊張感に満ちていた。2週目に入りペースが一段と上がる。きつかったけれど冷静な判断できる範疇にいた。2、3週目とハイペースが続き終始、自分が望む位置で位置取った。同時に有力選手の動向に注力した。後半、8周目に入り心拍が下がらずにいた。登りで千切れ、下りで追いついた。表すならお湯が吹きこぼれる寸前の状態だった。9周目秀峰亭の登りで完全にオールアウト。一度お湯が吹きこぼれてしまえば、火を止めて暫く休めるほかない。熱中症という感覚より、心拍が下がらずにいた。圧倒的に強度慣れできていない印象。千切れてから前輪が重い感覚があり、後にパンクが発覚。グルペットで完走を目指すも3周を残してDNFで終わった。
全日本はそれなりの覚悟を持って挑んだ。優勝できなければ意味はないし、帰国することはそれ相応の労力を必要とする。しかしながら、自分にとってそれだけ意義のあるものだった。フランスリヨンに拠点を移してから、中々思い通りに進めなかった。自分の目指している夢と現実とのギャップにそれなりに苦しんだ。濃霧の中を全日本という目標を定めて、なんとか前に進んだ。フランスで1人で練習する毎日。正直に言えば、そんな日常はそれほど苦痛ではなかった。ただ同世代の選手がTOJや国際レースを走っているのを見て焦りを感じ、悩ませた。自分はフランスでレースに出れてないし、スタート地点にすら立ててない。去年は同年齢、同チームに所属していた選手がGroupamaやFinisherにステップアップしていき、なんとなくWTへの道筋を知ることができた。でも今は想像することすらできない。自分が目標としている道筋を想像できるのと、できないのとでは全く違う。高校生の頃を振り返れば自分は今よりストイックだったし、意識も高かった。ただ意識を高く持つというのは簡単なことではないし最低限、状況を整えることから始めなくてはいけないと思う。上手く進まなければいけない。
最後になりましたが、心強いサポートをしてくださり本当にありがとうございました。なんとお礼を言ったら良いか、、。恩返しができるように頑張ります!
藤本選手(MU23):
今年も昨年と同じコースレイアウトで自分にはどうしたら戦えるのかなど不器用ながら一つ一つ考えて準備しました。また、レース前日はなんで昨年はあそこで集団から落ちてしまったのだろうかと、調子の上げ方などは昨年と違うかもしれないが今年も同じところで落ちてしまったら昨年と変わらないと思い、考えてました。レース前にはローラーで心拍を上げ、重たいギアで筋肉使えてるかなど確認しながらレース前の準備をしました。
レースは最初から逃げを起こそうとする選手もありましたが、すぐに吸収を繰り返す展開でした。2周目の長い登りに入ったところでサイクラーズスネルの佐藤選手を筆頭に6名ほどの逃げが形成されてしまい自分は乗れそうな位置にいたが体力を使い過ぎてしまいそうで集団待機にしました。逃げの起きてしまった後の集団はシマノレーシングの寺田選手やEFの津田選手などがレースを動かす様子が見られました。7周目過ぎたあたりで逃げとの差が1分ほど開き、集団は追走を始めました。私はそのあたりでエネルギー切れを起こしたら戦えないと思い、ジェルを2本飲んで備えました。やはり、次周の登りでペースが上がり昨年はこれを予想出来ずにレースを終えてしまったが今年は予想出来今年は戦えると思いました。その矢先に予兆も無く、下り坂で足が攣ってしまい集団から落ちてしまいました。その後、数周単独で走り、完走せずレースを終えました。
今年は自分の中では調子が良いとは思ってましたが、やはり優勝された選手などに比べたら仕上がりが格違いでした。ただ、レース前に宮澤監督から受けた走る位置は常に考えて走れて自分がレースを走る上での余裕が今までよりあったのがよかったです。また、ジェルを一気に摂ること血糖値の上がり方が急になると胃負担、筋肉負担があったりするなどをレース後にしり、補給は自分の中では取れていたと思いますが、それ以上に摂ってもよかったと反省です。とても課題の多い全日本になりました。この課題を活かしてまた、丁寧に一つ一つ後半生に向けて頑張りたいと思います。
最後になりますが、全日本でのサポート、宮澤監督をはじめチームの方々、レース準備からサポートまでありがとうございました。また、スポンサー様、いつもありがとうございます。
木下選手(WE+WU23):
2024年の目標がいくつかあるがそのうちの1番大きい目標としていた”全日本優勝”。11月に輿那嶺さんと話した機会があって海外走るためにはを聞いた時にまず全日本で勝つことからスタートじゃない?とアドバイスをくださったことがきっかけで全日本優勝することを目標にした。輿那嶺さんが出場すると知った時、でるんですかー!!と思ったけど、世界で走る輿那嶺さんとの実力差を知れる良い機会と思って挑戦することが楽しみで仕方なかった。
結果としては全日本優勝はできなかった。
最後のスプリントで余裕負けの2位だった。
嬉しさ半分悔しさ半分の結果。
ただ、思っていたよりも自分が輿那嶺さんについていけたこと、アタックに冷静に反応できたし、アタックされないように後ろの気配を感じながら走れたり、レース中いっぱいいっぱいではなかったことは自分の中で自信になった。もっと遠い存在の方だと思っていたので、勝つことはできなかったけどレース中自分の脚力と大差ないと感じられたことは大きかった(脚力は大差ないけど走り方は私の方が下手すぎる)。ただ、大差なく千切られることはないと感じたけど自分が千切る事も考えられなかった。カウンターのカウンターに恐れて積極的な攻撃ができなかったことが自分の中で心残りで、結果として無難に走ったから最後まで一緒に走れたのかもしれないからうまくまとめた感はあるけど、自分が本当に勝ちにこだわるのであればスプリントの位置取りの話以前に、カウンターはやってみてもよかったのではと思う。また、これができなかった要因の一つとして、下りの差、輿那嶺さんの方が余裕をもって下っていて、仮に攻撃をしたとしても下りで追いつかれる未来が見えたから勝負にでれなかった。
そんな感じでレースを振り返るともう少しやりようはあったのではと思う。全て思うことが簡単で行動が難しいたられば話ではあるが。でもタイマンレースでどうしたらいいか、今いくべきか、ここらへんで攻撃くるのではとか最後まで考えながら走ることは今まであまりなかったからすごく楽しかった。そしてプロ選手の強さを感じることができた貴重な経験だった。
勝ったらきっとすごいな!と評価してもらえた、負けても今回のようによく頑張ったよと讃えてもらえた。ずっと勝ち続けてる輿那嶺さんは勝つことしか許されないことを思うと相当なプレッシャーの元結果を出して、そういうところもプロとアマチュアの違いなんだと思う。今回失うものが一切ないから好き勝手に伸び伸びと走れたし、始めたばかりフィルターも加味して評価してもらえた。このフィルターが無くなった時の恐さがあって、今と同じような走りをしていないようにもっと考えて練習してゆくゆくは勝つことを当たり前にしつつもプレッシャーの中でもしっかりと結果を残せる妖怪になりたい。
フジヒル失敗して1週間はメンタルがどこかへいってしまって、自分でも全日本どうなってしまうんだろうともはや他人事のように考えてしまっていた事もあった。合宿で自信が戻ってきたけど、その後胃腸炎で高熱やら腹痛やら色々あって濃い1ヶ月でした(笑)。沢山の方が支えてくださったお陰でスタートに自信持ってたてました。今回もたくさんのサポートをありがとうございました。バイクの件でもこれ以上にないご用意もしていただき本当に感謝しています。
今回結果には繋げられなかったけど次に向けてまた頑張ります!
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.