第51回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ群馬大会 JPT #22
第51回JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップ群馬大会
– 群馬サイクルスポーツセンター –
6㎞/22周 132km
1位 佐野 淳哉 (マトリックスパワータグ) 03:22:29 av39.11km
2位 木村 圭佑 (シマノレーシング) +00:00
3位 山本 元喜 (KINAN Cycling Team) +00:00
4位 横山 航太 (シマノレーシング) +00:10
5位 吉田 隼人 (マトリックスパワータグ) +00:15
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17位 横塚 浩平 (LEOMO Bellmare) +00:18
22位 才田 直人 (LEOMO Bellmare) +00:26
61位 古田 潤 (LEOMO Bellmare) +04:22
67位 米谷 隆志 (LEOMO Bellmare) +05:19
レース展開
雨の中での歓喜に沸いたJAPAN CUPから1週間。再びの台風接近による雨予報で開催されたJプロツアー第22戦JBCF経済産業大臣旗ロードチャンピオンシップだったが、朝8:30のスタート時点では雨粒の気配もなく定刻スタート。LEOMO Bellmare Racing Teamとしては宇都宮ブリッツェン雨澤選手と那須ブラーゼン吉岡選手、マトリックスのホセ選手周辺に注目し、チェックする選手を絞って対応していく作戦で走り始める。雨粒は大丈夫そうだが雨澤選手はコワイ…今回のレース。
スタート直後からハイペースで進み、3周回目付近でマトリックス・宇都宮ブリッツェン・シマノ・那須ブラーゼンなど主要チームの選手が入った逃げ集団が形成される。米谷は集団前方でこの動きをチェックしていたが雨澤選手と吉岡選手が乗っていなかったため集団待機を選択。レース序盤でエンジンが掛かりきらない才田は集団後方に居たため対応できず。古田はハイペースな展開に巻き込まれ後方集団に取り残されそうになるも、必死に前を追ってメイン集団復帰。結局、横塚も含めチームの4名は集団内待機となる。
メイン集団も逃げを容認し、ペースも一気に落ちて5周回目辺りでの差は3分半程。
この局面、チーム司令塔の才田としては待機を選択。良いメンバによる追走の動きが出た時だけチェックすることを意識していた。一方の横塚と米谷は焦っているのか若干動き過ぎな傾向も見え「もう少しコミュニケーションを取れると良かったか」とレース後に語る才田。
動き過ぎと言われた横塚だが、レース後に「今回は自分からアクションを起こしたかった」と語った通り5周回目付近で追走開始。その動きに反応した那須ブラーゼン岸選手と共に逃げ集団を追い始める。逃げ集団から落ちてきた選手を拾いながら追走は5名に。ただ追走集団内の3名は逃げ集団にチームメイトが入っているためローテーションに加わらない。横塚とインタープロ中田選手とで積極的に追う展開がしばらく続く。この後、逃げと追走との差が2分程に縮まった段階で逃げ集団も待ち始め、レースも残り半分になる10周回目辺りで逃げと追走が合流する。
この動きについて才田は「横塚のブリッジはタイム差的に芋掘り(=追走に入るが結局追いつけず、無駄足を使って結局集団に戻る様)になるかと思ったがよく追いついて前で展開してくれた。おかげで後ろはホセ選手と雨澤選手をマークすれば良かったのでとにかく彼らのアタックにはチェックに入って付き位置で集団に引き戻す作業を繰り返した」と語る。また米谷は横塚と一緒に追走に入ろうとするがジャパンカップからの風邪の影響で呼吸に苦しみ追い切れない。古田は集団内に待機しつつ、才田と米谷ともに集団前方でのチェックに回った。
その後、逃げとの差が詰まって1分程度になった頃、エルドラード東北ハビエル選手とシマノ秋田選手らがメイン集団からブリッジ開始。この時米谷はメイン集団の中ほどに下がっていたため対応出来ず。補給地点で宮澤監督から情報を聞くまで気付いていなかった。また才田も集団前方でのチェックを繰り返すが、ホセ選手の3連続アタックに対応した直後のキナン元喜選手のカウンターにはさすがに動けず見送ってしまう。
一方、逃げ集団内の横塚。逃げはほぼ一定ペースで進む。しかしブリッジに足を使い過ぎていた横塚はかなり苦しい。終盤までに回復できるようなるべく楽に走りながらローテーションを回す。
レース終盤。メイン集団内では才田を先頭に米谷・古田と3人で固まって位置する。残り5周回程の時点で才田はマトリックスがスプリント狙いだと考え始める。3人で話し合い「これは集団は追い付く気がないかもしれない」という結論に。米谷は才田に風邪で調子が良くないことを伝え、才田は古田に「マトリックスはスプリントでまとめにくるから備えろ」と伝える。
ここから1周回で45秒の差を詰めるという猛烈なマトリックスの牽きが始まる。
チームはこの動きでメイン集団から米谷と古田を失ってしまう。時を同じくして先頭集団では4名が入っているシマノレーシングが波状攻撃を開始。横塚は残り2周回の心臓破りの坂でのアタックに付ききれず先頭集団から脱落。猛追するメイン集団に吸収された。
最終周回。
メイン集団に残っていた才田は最後の心臓破りの坂でマトリックス吉田選手のアタックに反応するも垂れてしまって撃沈。ここで横塚の順位を一つでも上げることに作戦変更し、先行している選手を捕まえようと集団を牽き続ける。しかし、ブリッジや先頭集団内のアタックの対応で脚を使い切った横塚にはスプリントの余力は残っておらず。2人とも集団内でのゴールとなった。
宮澤監督から
当日は雨がないものの寒さが気になる天候。レース中はエネルギーの消費が高くなると判断し、前半は選手が補給食をしっかり食べるよう指示。序盤、主要チームが乗る逃げには入れなかったが、少数メンバのLEOMOが焦って追おうとしても、他のチームの協力がないと意味が無いために集団待機を選択。逃げ集団もKINANが引かなかったり、足の差がある選手の表情を見る限り、レース後半に向けて展開が変わっていくことが予想された。
他チームがコントロールに入るところで、古田を一緒にコントロールに入れるつもりが、横塚を含む追走集団ができた事で作戦変更。レース中盤はチームとしてまとまって走れ、集団内でも楽に走れていて、意見交換もできている様に見えた所は成長を感じる。
後半になり集団がペースを上げた所で、前にいても勝てないチームの有力選手が動いてくると判断し、集団前方へ上がるように指示。前方では横塚が体調的にキツイ走りに見えたので、後ろから追走が来た時に動ける様に楽に走る様に言うが、逃げたい選手らのアタックでふるい落とされてしまった。
最後は才田がアタックを試みたが、最後までもつ攻撃にはならなかった。そこは自分のスタイルで勝負に挑んだことは評価できる。
全体的に前半の動きで米谷と古田がアタックに反応し、まとまりのあるチームワークで展開できたと思う。
1年間レースでまともに走れる4人という少数でよく戦ってくれたと思う。
その走りを間近で見ている高校生コンビの林、森崎選手の成長も期待したい所だ。
才田 10,000
横塚 10,000
米谷 10,000
古田 13,000
PHOTO REPORT
才田選手はスタートラインで那須ブラーゼン岸選手とゴニョゴニョ。
心臓破りの坂の最終コーナー。前の周回で横塚選手が大外から加速しながら登って行ったラインを学習してトレースしていく古田選手。正解かどうかは分かりませんが、速い選手から学んでいく姿勢は大切ですね。
メイン集団先頭でのチェックを繰り返す才田選手。ホセ選手と見つめ合ってる?
JAPAN CUPからの風邪から復調していない米谷選手もメイン集団で動き続ける。
残り数周回で切れてしまったが常にメイン集団で動いていた古田選手。やっと走りも戻ってきた。
Text: Kensaku SAKAI(FABtroni+camera) and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI(FABtroni+camera)