21JUL.2018@第2回JBCF大⽥原クリテリウム, JPT #14
第2回JBCF大⽥原クリテリウム
– 栃木県大田原市下石上野崎工業団地内周回コース –
2.5㎞/22周 55.0km
1位 小野寺 玲 (宇都宮ブリッツェン) 01:14:27 av44.31km
2位 窪木 一茂 (チームブリヂストンサイクリング) +00:00
3位 鈴木 龍 (宇都宮ブリッツェン) +00:00
4位 黒枝 咲哉 (シマノレーシング) +00:01
5位 織田 聖 (弱虫ペダル サイクリングチーム) +00:01
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16位 小嶋 渓円 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:09
18位 米谷 隆志 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:10
34位 岩瀬 照 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:36
灼熱の那須2連戦の初日。国内各所のスポーツ大会等で熱中症対策がなされるなか、本大会も周回数の削減等の処置が施された。第2回目となるJBCF大田原クリテリウムは当初の28周回から22周回に周回数を減らし、1周2.5Kmのコースで合計55Kmのレースとなった。太陽も真上に近い12時40分にJプロツアーのレースがスタート。前週の石川ロードレースに引き続き、チームも暑さ対策に余念がない。その一つが女性用のストッキングに氷を詰めて背中に入れる方法だが、ほとんどの場合、男性がスタッフを務めるのでストッキングを買い求めるのが大変な模様。宮澤監督もちょっとプレッシャーを感じながらストッキングを買うとのことです(笑)。
今回のレースには、宮澤監督も選手として参加。コースの上で選手の動きを確認して指導が出来る数少ないチャンス。
今シーズンの内容・結果を見ても、クリテリウムのこなし方を得意としない選手達。レース序盤は監督・米谷選手・小嶋選手と連なって走り、背中で選手達にクリテリウムの走り方を見せていく監督。監督離脱後は残った3名で固まりつつ周回数を重ねていきレース終盤を迎える。
ここで岩瀬選手は自分のチカラを振り絞って集団前方へ。ところがこのタイミングで米谷・小嶋両選手が岩瀬選手を見失ってしまった。前を走る岩瀬選手に対して、岩瀬選手を探しながら番手を下げてしまった2名。ここのチグハグな動きが無ければ結果は変わっていたかもしれない。
昨年から大きくメンバ構成が変わったチームも、そろそろ上手くコミュニケーションを取りながらレースを進めていく必要がある。実際石川では才田選手と米谷選手とのチームワークで結果が見えてきているのだから…
米谷選手レポート:
今回は久しぶりに宮澤監督がレースを走るので、なるべく宮澤監督と固まって走り、位置取りや集団内での動き方、コーナーのこなし方を学び、終盤にかけてチームで小嶋を上位に送り込むことを目標にした。当日は非常に暑かったため、アップは実走で。石川の時ほど力が入らない感覚はなかったが、少し踏むとまだぎくしゃくする感じがした。
スタートして1周目辺りで宮澤監督と合流し、監督、自分、小嶋の順にならんで数周をこなした。集団が詰まり始める前に一気に前に出るタイミングやコーナーの立ち上がりでの踏み出しのタイミング、ポジションを落とさないコーナーのさばき方に注意して走った。序盤は小さな逃げができては吸収されを繰り返して進んだ。エース格の選手が動くことはほぼなく、早い段階からブリッツェンをはじめ有力チームがトレインを組んでコントロールに入ったため、スプリントにまとめにくることが予想された。
2回目の周回賞の周回で、集団左から上がっていく数名を見つけたので、張り付いてそのまま飛び出した。協調が取れずにすぐに吸収されたが、そのカウンターで小嶋がアタックして抜け出した。半周程逃げたが、周回賞には届かず吸収されていた。その後は主に小嶋と固まって位置取りを続け、シマノレーシングの後ろあたりで那須ブラーゼンやその他のチーム勢と競り合う形になった。残り3周辺りで、監督から岩瀬を前に引き上げるよう指示を受けたが、自分も小嶋ともに岩瀬の位置が把握できず戸惑った隙に大きく番手を落とした。
20番手前後で小嶋と並んでラスト1周に入ると、集団前方から岩瀬が降りてきた。入る場所を探しているように見えたので間に入れたが、次のコーナーの立ち上がりで苦しそうだったのでパスする。小嶋との間に1名入られた状態で3コーナーを20番手ほどで曲がったが、立ち上がりで間に入っていたその選手が中切れを起こし、その処理にもたついている間に5人以上に抜かれてしまった。最終コーナーまでに何人か抜き、立ち上がってから5人ほどを抜いてゴール。
終盤に入る肝心なところで岩瀬の位置を把握できていなかったことは失敗だった。小嶋とは終始近くで走っていて、後ろに小嶋がついていることは確認していたが、岩瀬は見えておらず、小嶋も把握していなかった。今後、終盤は声をかけあいながらお互いの状態を共有したほうが連携しやすいと思う。最終周の中切れの処理にもたついたのも問題だった。立ち上がりで踏んでいるときに踏みやめながら大きく左に振って抜けられ、自分はもがいていた勢いのまま左に前輪を差してしまったため一緒に左に振られつつ大きく減速せざるを得なくなった。自分に余裕がなくなっており、この段階で切れる選手ではないと考えていたため油断していた。
監督が離脱するまで固まって走れたことは良かった。他の選手がスペースに流れ始めるのをみてから動くと前に上がる途中で詰まるので、スペースが出来始めた段階で動くと無駄な加減速が少なくなった。転ばずにゴールし、最後まで踏んだことで20番以内に入れたことも悪くはないと思う。Jプロツアーのクリテリウムでの20番以内は初めてだった。
小嶋選手レポート:
レース前のウォーミングアップでは心拍の上がりも良く、脚の感触もまずまずだったので調子は悪くはなかった。レーススタート直前にチェーンを落としてしまったが、何とか遅れずにスタートした。一度最後尾まで下がってしまったが、監督の後ろで徐々に番手を上げていき、序盤は監督、米谷さん、自分の3人で固まって走った。ちょうど2回目の周回賞前に集団が緩んだところでアタックした。後ろから宇都宮ブリッツェンの岡選手が合流してきたが、集団がすぐ後ろまで迫ってきていたので踏み止めた。その後は集団後方で一旦休み、再度米谷さんと合流して走った。ゴールはスプリントになると判断して集団前に行こうとしたが、岩瀬の位置を確認しようとするも場所が分からず、その間にポジションを落としてしまった。20番手で第3コーナーを通過したが、中切れにあってしまい、それを埋めれず宙ぶらりんになったままゴール。
序盤はチームで固まって走れたのは良かった。ただ、まだ自分はレースがしっかりと見えておらず、逃げに誰が行ってるか、自分の後ろにしっかりとチームメイトが付いてきているのかが見えていなかった。もっと周りを見ることが出来れば、落ち着いて位置取りも出来ると思う。今までのクリテリウムと違い、立ち上がりもそんなにキツくはなかったので脚の状態も楽だった。後半戦のクリテリウムではもっと上の順位を狙っていきたい。
岩瀬選手レポート:
コンディションが良いのか悪いのか分からない状況で当日を迎えた。前回の石川と同様に実走でのアップをしてコンディションを確かめると、感覚的には良い時から80%くらいの調子と見ていた。
スタートからレース前半は暑さから心拍が上昇しやすく集団のペースに飲まれてきつく感じたため、レース前水をかぶる、氷を背中に入れておくなど、暑さ対策をもっとするべきだったと思う。10周消化したあたりから脚が戻ってきて心拍も落ち着きはじめ、チームメイトの近くで固まって走れてきた。スタートから脚が楽ではなかったことの改善方法は、暑さ対策と、今回は実走アップからスタートまで時間が空いていたためローラーで脚を軽く回していたら変わっていたのではないかと思う。
残り10周辺りからはチームで固まって集団前方を走る事を考えて位置取りしていた。コーナー前の減速で後ろから越されたりハンドルを被せられたりとはぐれることが数回あったが基本的には3人連なって走れていた。残り3-4周は3人で固まってはいたもののもう少し前に位置取れれば良かったと思う。ペースが上がった時に余裕がなかった。
もう少し前に位置取りたかったため、残り2周で意地で前に上がり、集団前方でラスト1周を迎えた。その時にはかなり消耗していて後ろから来た米谷さんに「入れ!!」と場所を譲ってもらったにも関わらず切れてしまった。
残り2周の勝負どころで前に上がれたのは今後に繋がるはず。そこからもう一踏み二踏み出来るか出来ないかでリザルトは全然変わってくるし、そこが今後の課題だと思う。
宮澤監督から
2.5kmの周回コースは道幅が広く、コーナー毎の加減速以外は単調なコース。久しぶりに宮澤が出走し、選手の動きをみる。集団が落ち着かない前半は、全員バラバラで、流れのない右端に行ってしまっており、動けない状態が続く。集団のペースに慣れてきてからは宮澤が声をかけて位置取りを始める。クリテリウムに限らず集団内は前に出るタイミングをどう捉えるかが大事で、他のチームが前に上がる背後に入って前に上がる。短い時間だったが、レースを一緒に走らないと分からない事が沢山あると再確認。
レースは前半のアタック合戦からペースが落ち、最後だけ上がる展開に。米谷・小嶋・岩瀬が続くが、残り2周で別れてしまい岩瀬が15番手くらいで最終周回へ。集団先頭でペースアップしたブリッツェン、マトリックスが20名ほどに絞っての展開に3選手ともに切れてしまった。
岩瀬は現状宇都宮クリテリウムの結果もあり、期待値的な部分で自由に走らせてみた。小嶋は岩瀬が後ろにいることを確認できず、米谷は1番余裕があったと思う。今までの結果を考えると、米谷が小嶋を使って集団前方へ位置取りする動きが出来ると、岩瀬も絡めて良い動きになると思う。次の課題にして行く。
宮澤 ¥0
米谷 ¥12,000
小嶋 ¥7,000
岩瀬 ¥18,000
才田 (出走なし)
PHOTO REPORT
レースを待つ選手達。今日は監督も出走。各自のスタイルで集中を高める。
スタートラインでいきなりチェーンを落とした小嶋選手だったが、なんとかスタートして行った。
レース序盤、宮澤監督と位置取る米谷選手と小嶋選手。岩瀬選手も後に続く。
レース中盤、宇都宮ブリッツェンの岡選手とともに周回賞狙いのアタックを繰り出す小嶋選手。
最終局面に向けて集団内でまとまりたいチームだが、位置取りがなかなか合わない3選手。
最終周回に向けて位置を下げてしまったが、必死に食らいつく3名。
中盤までは良い位置で動けていたが最後にバラバラになってしまったレース…「もう一声」なレースだった。
Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera