22JUL.2018@第2回JBCFやいた片岡ロードレース, JPT #15

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第2回JBCFやいた片岡ロードレース
– 栃木県矢板市石関周辺特設コース –
10.8㎞/8周 85.6km


 

1位 鈴木 龍 (宇都宮ブリッツェン) 02:01:30  av42.26km
2位 アイラン・フェルナンデス・カサソラ (マトリックスパワータグ) +00:00
3位 入部 正太朗 (シマノレーシング) +00:00
4位 西尾 勇人 (那須ブラーゼン) +00:00
5位 米谷 隆志 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:01

17位 小嶋 渓円 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:28
23位 才田 直人 (LEOMO Bellmare Racing Team) +00:30
DNF 岩瀬 照 (LEOMO Bellmare Racing Team)

 


 

灼熱の那須2連戦の2日目。この日も熱中症対策のため周回数が減らされての開催となった。前回大会では元チームメンバの横塚選手がJプロツアー初優勝を飾り、チームとしても縁起の良いレース。暑さには強い選手も多く、期待も高まる第2回やいた片岡ロードレースは、10.7kmの周回コースを8周回する合計85.6kmで11時50分にJR片岡駅前をスタートした。

 

スタート後、ニュートラル区間で各選手ともに集団前方に上がると、すぐにアタックがかかり始める。ただ、ここ数戦調子を上げている宇都宮ブリッツェンが一切動かなかったため、逃げの動きには反応せず集団内で待機する。2周目までに逃げが決まり、その差を1分弱で宇都宮ブリッツェンがコントロールして序盤のレースが進んだ。

 

5周目の農道区間でブリッツェンの2人が集団から抜け出し、直後にブリッツェンが道を塞ぐ動きに出た。塞がれる前に抜け出せたのはマトリックスの佐野選手を含む数名のみで、決定的な動きになりかねない状態となる。広い道に出てからシマノレーシング等が追い始め、コリーナの登りで一旦逃げを吸収。この動きで集団が絞られた状態になっていたが、ここからさらにブリッツェンの岡選手がアタックする。単独の逃げだったためこの動きも見送って集団内で待機。その後の下り区間で後続集団が追いついて来る。集団のコントロールがブリッツェンからシマノレーシングとマトリックスに変わり、才田・米谷・小嶋の3選手は追走を警戒しつつ集団前方に位置取る。

 

その後、7周目までレースが淡々と進む中、7周目のコリーナの頂上手前で才田選手がアタック。米谷選手は才田選手が下りで吸収されるタイミングでカウンターアタックを仕掛けることも考えたが、ペースが上がり始めていたので難しいと考えて集団待機する。

 

最終周回。登りの手前で逃げていた岡選手をキャッチし、そのまま集団のままコリーナ登りに向かう。前週の石川ロードレースと同様に、最終局面で宇都宮ブリッツェンがペースを上げてくることを予想していた米谷選手は集団の10番手付近で登りに入る。降ってくる選手をかわしながら先頭と繋がった状態で登りを越えると後方集団と距離が開く。先頭集団には米谷選手が入るも、才田・小嶋の2選手は後方集団に残されてしまった。
ブリッツェン、マトリックス、シマノの選手の複数名と米谷選手が入った逃げ集団は、下りを終えたところで後続からすでに30秒ほど差を得る。「これは決まった」と感じた米谷選手。逃げ集団には有力チームが複数名を送り込んでおり、米谷選手は逃げ集団の後方で自分の脚を温存する。ゴールを目指す逃げ集団の中、各チームにはパンチ力のある選手とアシスト選手がそれぞれ残っている。この中で3名を入れている宇都宮ブリッツェンが速めのペースを作ったため牽制が起こることもない。スプリントになると分が悪い米谷選手だが、逃げ集団から抜け出す隙を見つけられないままフィニッシュを迎えてしまう。

 

ブリッツェン、マトリックス、シマノ、ブラーゼンの順で並んで最終コーナー手前の登りに入り、シマノのアタックに米谷選手が反応するも、同じくシマノの番手を取りにきたアイラン選手に先に入られてしまう。アイラン選手に横に弾かれた隙にアイラン選手の後ろを西尾選手に取られたまま最終コーナーをクリア。そのまま西尾選手の後ろでスプリントしたが、すぐに大きく差をつけられてしまい米谷選手は5位でのフィニッシュとなった。

 

才田選手レポート:
暑い中でのレースで、逃げ集団を行かせて宇都宮ブリッツェンがメイン集団をコントロールするという前週の石川と同じような展開。レースはスローペースで進み、暑さのための周回数短縮の影響もあり、ラスト2周の段階では予想以上に大きな集団となっていた。優勝を狙うにはもっと厳しい展開に持ち込む必要がある中、集団前には宇都宮ブリッツェンの岡選手が1名で25秒先行している状況。
ラスト2周の登りの後のアップダウンでアタック。追走してきた内野選手と合流して一定ペースで回しながら集団からのブリッジを待った。自分が思い描いていたのは、一番厳しい登り区間を外したアタックだったため、登りに強いパンチャーでなくルーラータイプの各チーム有力選手が追いついてくれること。その流れの中で岡選手を捕まえ、最終周回の登りで単独で抜け出すこと。ルーラー系の選手と強調して下りと平坦で差を広げながら登りで勝負を決めるのが理想だった。
しかし、結果的にはほぼ集団一塊で追いつかれてしまって振り出しに戻る。ここで後手に回ってしまい、勝負をかけるはずだった最後の登りは番手を下げてしまった。さらに登りの頂上まで踏み切れなかったことで第2集団に入るのがやっとだった。
米谷が9人の先頭グループに入ってくれたこと、小嶋が第2グループで一緒だったことで最終盤でのオプションが増えたことは大きかったが、先頭グループに2人が入ることがチームで優勝を狙うには最低条件だった。後半戦は今回のようなレースを重ねてレース終盤での数的有利を作って優勝を狙いたい。

 

米谷選手レポート:
前日のミーティングで勝ち逃げに入ることを目標とした。ここ数戦の展開から宇都宮ブリッツェンが強く、主体となってゲームメイクしてくる可能性が高いと考えたので、ブリッツェンの動きに特に注意することにした。レース当日は、前日の疲労もほぼなく、アップ時の感覚もここ最近では比較的良い状態だった。
レースでは、5周目に宇都宮ブリッツェンが農道区間で仕掛けた時に対応できなかったのが最大の反省点だと思う。道が広くなるところまで何も出来なかったため、あの段階で各チームの主力に動かれていたらレースが終わっていた可能性もあった。直前までゆるい展開だったので農道区間に対して油断があった。
スプリントでの立ち回りにも問題があったと思う。自分のスプリントでは順位は変わらなかったかもしれないが、スプリント前にいいようにポジションを奪われてしまったのは良くない。そもそも、パンチのある選手が残れる展開に乗ってしまった時点で自分が勝つ確率はかなり低くなっていた。勝つためには、才田さんの7周めの動きのように、手前からレースを厳しくしていくしかなかったかもしれない。
前日に設定した、勝ち逃げに乗るという目標は完璧に達成できたと思う。5周目に集団が割れた時、初動は遅れたが結果的に岡選手の動きに対応できる集団に残ることができ、最終周の登りでの動きにも問題なく対応できた。決定的になる可能性のある動きに2つとも対応できたことは収穫だった。
石川に続き、レースを分ける局面で出てくる時間と強度を何度も練習しておけたことも良かった。スプリントの最後尾ではあるが、ヒルクライムを除くJPTでの自己最高位を更新することもできた。最後は勝負にならなかったので悔しさは大きいが、出来ることはやったと思う。
噛み合わないレースが続いていたが、8月の中休み前に良い手応えを掴んでおけて良かった。さらに上の結果を求めて走れるよう、9月以降に向けてコンディションを整えておく。

 

小嶋選手レポート:
アップでは前日のクリテの疲れもなく、身体の重さも感じなかった。スタート後、最初の登りは集団の15番手で通過し、この時のアタック合戦は特に問題なく付いて行けた。宇都宮ブリッツェンがコントロールを始めてからは石川ロードレースと同じようなレース展開となり、勝負がかかるであろうレース終盤の登りに備えるようにした。5周目の登りでペースが上がり15名程が先行する。この時、集団後方に位置していたため、後方集団に取り残されてしまったが、緩やかな下りで何とか追いついて難を逃れた。そこからはペースアップの時に後ろに取り残されないよう、15番手以内をキープした。ラスト2周目の登りで才田さんがアタックをしていたので、その後の追走を利用して集団の5番手以内をキープ。そのまま最終周回に入り、登りに入る手前でエカーズの選手が飛び出したのでそれに反応。すぐに集団に吸収されてしまい、そのまま最後の登りに。登りは集団の4番手辺りで入ったが、耐えきれずにズルズルと下がってしまった。そのまま米谷さんを含む集団が抜け出し、自分は第2集団に残されてしまった。そのままその集団でスプリントをしてゴール。
石川ロードレースの時はポジションが悪く、登りでのペースアップに切れてしまったので、今回のレースではとにかく前で入った。ただ、単純に自分の力不足で遅れてしまった。自分が米谷さんと同じ先頭集団に残れたらチームとしても有利な状況を作れただけに、自分の力不足がとにかく悔しかった。2週間ほどタイで合宿をするので、強くなり、後半のレースに備えたい。

 

岩瀬選手レポート:
目立った疲労はないもののアップの実走では体が重く感じた。少し不安だったが出せるだけの力を出して完走を目指してスタートした。昨日の反省を生かして暑さ対策をしっかりしたので暑さに影響されることなくスタートを切れた。レースは序盤から4名の逃げが形成され、逃げに送り込めていない宇都宮ブリッツェンが集団をコントロール。逃げは泳がせ気味で、集団のペースも特に速いわけでは無かったため、チームメイトの近くに移動して周回を重ねた。
登りでは脚よりも心臓が上がり切ってしまい、ペースの割にキツイ状況が続いた。全日本選手権の後から心拍が上がりやすく、すぐに呼吸がきつくなるのが続いており、徐々に改善しつつあるがいまだに不安要素である。
6周目の登りの手前で一気に集団のペースが上がり、集団後方に下がってしまっていたので、集団から切れていく選手をかわしながら前に合流。合流できたのは良かったけれどその後の登りで耐えきれずに集団から遅れた。監督に言われた「ブチブチ切れるところで一緒に切れるか、残って逃げれるかの別れ目」がその6周目の登りだった。走りながら「この場面だ」と分かっていたので耐え切れない自分が悔しかった。
4周目辺りからバイクの進みが重くなってきた感じがあり、自分の体が重いせいだと思っていたらフロントタイヤのパンク。スローパンクで徐々にエアーが抜けているのに気づけていなかった。残り3周を超えたところで完全に空気が抜けてしまいDNFとなった。
パンクしていなくても良い順位に入れた訳でもなく、位置取りも悪く、集団のほとんどが切れたあの場面で残らなければならなかった。今回は勝負所が分かったのであとはそこに向けて練習するのみ。前半戦が終了し、少し休んで後半戦に向け練習に励む。

 


 

宮澤監督から
 
酷暑日となったやいた片岡ロードレース。LEOMOとしてはウェルカムだが、レース距離が短くなってしまい、速く激しい展開になる可能性が高まった。レースは4人の逃げをブリッツェンが追う展開。集団内では補給の度に位置取りが忙しい様子。集団の一番前で取るのが楽だが、選手達はそこまで頭が回ってない様子。ブリッツェンが前にブリッジし、シマノ、マトリックスがコントロールを始めると岡選手を泳がせる楽な展開。最終周回に入り、才田のアタックに対するカウンターで抜け出した9名の逃げ集団に米谷が入る。元々米谷にスプリント力は無いが、5位でフィニッシュ。チームとしては久しぶりに米谷の活躍を見ることができた。

 

このレースは昨年優勝した思い出のレース。LEOMOとしては他チームの展開に乗ることしかできないが、そのような状況下で才田と米谷の2人が上手く連携を取れたと思う。才田のイメージも良かったが、集団が思った通りに動かなかっただけ。カウンターで勝ち逃げ集団に米谷が入り、ヒルクライム以外での順位としては最高順位の5位が取れたことは評価に値する。この勢いを次回レースでも続け、もっと良いレースにつなげてほしい。

 

才田 ¥17,000
米谷 ¥25,000
小嶋 ¥6,000
岩瀬 ¥0

 


 

PHOTO REPORT

 

暑い日はローラーではなく実走でウォーミングアップする選手が多い模様。LEOMOの選手達も実走アップに向かい、帰ってきたトコロ。
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通称「コリーナベルグ」のアップダウンをこなしていく選手達。
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コリーナベルグからの下り、大きく曲がるコーナーをクリアして行く。
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中盤まで集団に食らいついていた岩瀬選手だったが、スローパンクでDNFとなった。
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暑いレースは補給も大事。
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トップチームの背後で次の動きに目を光らせる米谷選手。積極的な位置取りが結果に結びついたか?
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最終局面に向けて、メイン集団内でチャンスを狙う3選手。
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得意なヒルクライムレースでは過去3位が最高だったが、ロードレースでは過去最高順位となる5位で米谷選手がフィニッシュ!!小嶋選手と才田選手も続いて完走した。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera