07APR.2019@第44回チャレンジサイクルロードレース大会

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第44回チャレンジサイクルロードレース大会
– 静岡県伊⾖市/⽇本サイクルスポーツセンター –
5km/13周回+4km 69km


 

1位 岡 篤志(宇都宮ブリッツェン) 1:51:29.18 ave. 37.13km
2位 木村 圭佑(シマノレーシング) +00:30.61
3位 前田 公平(弱虫ペダルサイクリングチーム) +00:31.37
4位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:34.45
5位 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +01:20.12
6位 森本 誠(イナーメ信濃山形) +01:34.84


 
 
 


 

4月6日から7日までの2日間に渡って開催された第44回チャレンジサイクルロードレース大会。LEOMO Bellmare Racing Teamからは才田・米谷の2選手が7日(日曜日)のA-Eレースに参戦した。

 

レースは序盤の3周目に30名程度の先行集団が形成されると、そこから人数を絞りつつレースが進行。中盤からは20名弱の先行集団と後続集団とに分かれて展開していった。先行集団は順位を狙う選手と全日本資格を確実にしたい選手の2つの思惑が一致して順調に周回数を重ねる。一方の後続集団は全日本資格を得たいブリヂストンサイクリングが集団をコントロール。前方に追い付くというよりも後続集団内でのスプリントで30位(全日本資格圏内)以内を狙う動きを見せていた。レース終盤、残り3周付近から先行集団内で動きがあり、順位を狙う4名が飛び出す。この中から残り2周の下り区間で岡選手(宇都宮ブリッツェン)が抜け出すと、残りの3名は見合ってしまい岡選手との差が開いてしまう。最終周回を岡選手が独走で逃げ切って優勝。2位に木村選手(シマノレーシング)、3位には前田選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)が入った。米谷選手は無事に全日本資格を獲得したものの、抜け出した4名の中では最後のゴールとなり4位入賞。才田選手は5位入賞となった。

 

一昨年の第42回大会では元チームメイトの横塚選手(現Team UKYO)が優勝しており、チームとしても結果を狙っているチャレンジサイクルロードレース。才田選手にとっては2016年が7位、昨年は4位に入賞するなど成績を上げてきており、春先の重要なレースとして狙っているレース。また、このレースは同年に開催される全日本選手権への出場資格がかかっており、上位30名に入るとその資格を得ることができる。才田選手は前年の全日本選手権TT種目で出場資格を得ていたが、米谷選手はまだ出場資格を持っておらず、このレースで順位を狙うと同時に出場資格の獲得も目指すことなった。

 

前戦のJプロツアーと同じ日本サイクルスポーツセンターで開催された本大会だが、コースは逆となる左回りで行われた。全体的に登坂区間が厳しく、フィニッシュは2号橋から1km程度登りきった先の秀峰亭となる。Jプロツアーのように強力な外国人選手の参加はないが、各チームともに有力なメンバを揃えており、チームにとっても厳しい戦いが予想された。

 

前日の土曜日は冷たい風の中での開催だったが、日曜日は気温も高く、風もほとんど吹いていない天候の下でスタート。
LEOMO Bellmare Racing Teamの2人は、まず米谷選手が動く。3周目の鈴木譲選手(宇都宮ブリッツェン)のカウンター・アタックに同調して2名での逃げを形成。2名の逃げに追い付いた30名程度の集団の中には才田選手も入った。全日本資格獲得のためにこのまま逃げ切りたいイナーメ信濃山形のメンバが積極的に牽引する先行集団は、その後もハイペースで周回を重ね、先行集団の人数も20名弱に絞られていく。米谷選手もイナーメ信濃山形の動きに合わせ、無理のない範囲でに協力して先行集団のペースを作っていった。
レースも終盤に入ると今度は才田選手が動いた。このままゴール勝負になるとチームにとっては不利と判断し、自ら動いて先行集団からの抜け出しを図る。この意図を読み取った米谷選手も動き、チームの波状攻撃で米谷選手を含む5名の逃げ集団を作り出した。残り2周。4名となった逃げ集団内で米谷選手は最終周回に入る手前の登り区間で勝負をかける事にした。しかしその直前の下り区間で岡選手が抜け出すと、米谷選手を含む3選手はお見合い状態となってしまい、岡選手との差が開いてしまう。岡選手先行のまま迎えた最終周回の最後の登り区間。残された3名からの抜け出しを図って登り口からアタックした米谷選手だったが、ゴール勝負のために脚を残していた木村選手(シマノレーシング)と前田選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)を切り離すことが出来ずに4位でのフィニッシュとなった。
一方の才田選手。米谷選手らの逃げを見送った後、ワンテンポ遅らせてブリッジをかけ、米谷選手らに合流する動きを見せる。しかし後一歩が届かず、米谷選手に続く5位でフィニッシュラインを超えた。

 

チームとしては最後の勝負に向けた積極的な動きと良い連携を見せたものの、最後の仕上げが上手くいかなかったレースとなった。レースの最終局面は水物な側面もあるが、今回の経験を次戦以降に活かしていきたいところ。ただ米谷選手の走りは良い調子が継続しており、才田選手も復調の兆しを見せている。加えてチームでの協調・連携した動きも見せ始めており、今後に期待を持たせるレースとなった。

 


 

才田選手レポート:
前夜から体調が万全ではなく、その旨は米谷に伝えてスタート。3周目に20名ほどのグループが先行。勝ち逃げになると思い単独ブリッジしたが、自分が最終便だった。危ない危ない…。ここからは全日本資格30位以内を見据えた森本選手をはじめとするイナーメのコントロールが始まる。ハイペースで大きな動きが生まれないまま集団は人数を減らし、距離をこなしていった。米谷には何度か「調子はイマイチ」と伝える。一方の米谷は悪くないとのこと。
このままいくと脚の削り合いにならずゴール勝負に欠けるLEOMOには辛い状況。ラスト4周あたりで集団を活性化させるべく自ら攻撃に出る。動き始めたら意外と調子は悪くない。チームとしても先手を取ったので波状攻撃を仕掛けるような形で集団を絞る。米谷を含む5人を先行させて、自分もブリッジと思ったが、坂を一つ待ってしまって届かず単独の宙ぶらりんに。前から降ってきた森本さんを交わしてゴールまで2周を一人で走って5位。
最終局面でのブリッジを成功させて数的優位を作ってさらなる波状攻撃が必要だった。それでも強度をかけた練習の成果も現れ、今季初めて米谷と上手く動くイメージを掴めたので次戦の広島が楽しみとなった。

 

米谷選手レポート:
今年は全日本資格を持っていないため、30位以内でゴールすることは必須、その上で終盤に数的優位を作って攻撃し、上位を狙うことを目標としてスタート。才田さんが調子が良くないとのことで、最後は自分が勝負する心づもりでいた。
残り2周で岡選手を逃した時の動き方が良くなかった。一番逃してはいけない相手を逃してしまったのが敗因。さらに、残された3名での最終周の戦い方も良くなかった。最後をゴール勝負にされてしまったのが失敗。余裕の無いふりでも見せておいて、1号橋の登りで後ろから速度差をつけて仕掛けるなど、出来ることはまだまだあったと思う。岡選手に完全に先に行かれてしまった事で軽く思考停止していたと思う。
表彰台には立てなかったが、30位以内を死守しつつ上位に入るという目標を2つともクリアできたのは良かった。残り3周、才田さんとの波状攻撃で集団から抜け出せたことで、終盤の連携の良いイメージを作れたのも収穫。それだけに結果に繋げられなかったのは悔しいが、今後に活かせるレースになったとは思う。

 


 
 
 

PHOTO OF THE DAY:

 

序盤から終盤にかけて積極的に動き、良い連携も見せたLEOMO Bellmare Racing Teamのふたり。
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PHOTO REPORT:

 

東京オリンピック大会に向けて改修が進む日本サイクルスポーツセンターを秀峰亭から望む。
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いつも笑顔な米谷選手、集中を高める才田選手、レース前。
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チャレンジサイクルロードレースとはいえ、シマノ・ブリヂストン・愛三工業といった強豪チームが並ぶスタートライン。その中でまだ笑っている米谷選手(笑)。
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レースが動いた3周目。米谷・才田の両名は先行集団に入って次のタイミングをうかがう。
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レース中盤に入っても大きな動きはなく、メイン集団から1-2分差を保ちながら淡々と周回数を重ねていく先行集団。
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レース中に「ナンパ」する米谷選手…ではなく(笑)、観客の方から後続集団の情報を確認する米谷選手。ていうかココに広報班が居るのでコッチに聞けばいいのにとは思った(笑)。
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レースも終盤となる残り4周回。LEOMO Bellmareは波状攻撃を開始。才田選手の動きに合わせて、米谷選手が他3名と共に飛び出す。
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U23カテゴリの選手が入り混じる中、後ろの動きを確認する米谷選手。結局この4名が勝ち逃げ集団となった。
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米谷選手の入る勝ち逃げ集団に単独でブリッジをかける才田選手だったが…あと一歩が届かない。
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米谷選手は4位入賞、才田選手も続いて5位入賞でレースを終えた。
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優勝した岡選手(宇都宮ブリッツェン)と、3位に入った前田選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)と。
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表彰式を待つ背中ふたつ。最高の結果とは行かなかったが、今後に期待をもたせるレースだった。
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表彰式。
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再来週からまたがんばりましょう!!
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.