21APR.2019@第53回JBCF西日本ロードクラシック広島大会, JPT #03

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第53回JBCF西日本ロードクラシック広島大会
– 広島県三原市/広島県中央森林公園サイクリングコース –
12.3km/12周回 147.6km


 

1位 オールイス・アルベルト(マトリックスパワータグ) 3:41:53 ave. 39.91km
2位 岡 篤志 (宇都宮ブリッツェン) +00:13
3位 平塚 吉光(TEAM BRIDGESTONE Cycling ) +00:58
4位 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +00:58
5位 木村 圭佑 (シマノレーシング) +01:00
6位 入部 正太朗(シマノレーシング) +01:01

17位 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +05:04
DNF 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 宮澤 崇史(LEOMO Bellmare Racing Team)


 


 

夏の到来を思わせるような強い日差しの下、Jプロツアー第3戦となる第53回JBCF⻄⽇本ロードクラシック広島⼤会が、広島空港からほど近い広島県立中央森林公園で開催された。LEOMO Bellmare Racing Teamは、岩瀬選手を怪我で欠くこととなったが、久しぶりの出走となる宮澤監督選手と才田・米谷・岸・中川の5名が出走した。

 

UCI公認コースといわれる今回のコースは、広島空港の周囲を回る1周12.3kmのサイクリングコース。広島空港自体が山岳地帯に置かれているため、まるでジェットコースターのような下りと細かいアップダウン、そして三段坂と呼ばれる厳しい登坂区間から構成された厳しいコースとなっている。また今回はJプロツアーの中でも最も高いプラチナ・グレードに指定されており、距離も約150kmと長距離のレースとなった。

 

レースは序盤から逃げ集団が形成されるも、吸収と逃げが繰り返される出入りの激しい展開。大きく見ると3回の逃げ集団が生まれたが、最後の逃げ集団からオールイス選手(マトリックスパワータグ)と岡選手(宇都宮ブリッツェン)が残り2周回で抜け出しに成功。最終周回に入るとオールイス選手が岡選手を振り切って独走状態に。そのまま逃げ切って今季2勝目を上げている。約150kmを走り切ったオールイス選手の平均速度は39.91km/h。前戦の修善寺の120kmが35.26km/hであったのと比較すると、アップダウンと厳しい登りが配置されているとはいえ、下りのスピードを上手く使って効率的に走れば修善寺より速い速度で走れるコースである事が分かる。

 

この日のLEOMO Bellmare Racing Teamは、好調な米谷選手と復調を感じさせる才田選手を軸に表彰台を狙って動くが、アップダウンの続く長距離のレースとなるため、上手く効率的に走る事に重きを置いた宮澤監督からの指示の下、約150km先のフィニッシュに向けてスタートしていった。

 

スタート直後の第1コーナーには宮澤監督選手と米谷選手が集団先頭で現れ、その積極的な動きに「今日は何か起きるな」という雰囲気を見せていたが、その予感は悪い方向に動く。スタート周回を終えようとする集団に宮澤監督選手と米谷選手の姿が見えない。そして集団から遅れること1分後に米谷選手が単独で現れた。スタート周回の暗いトンネル内で段差に引っかかってしまい落車。その後、コースに復帰するも、集団では逃げの動きと地元ヴィクトワール広島の積極的な集団牽引によりハイペースで進んでいた。単独走では集団との差を埋めることが出来ず、7周目に入るところで赤旗DNFとなってしまう。
先シーズンからここまで好調を維持してきた米谷選手だったが、ここに来て大きな落とし穴。幸いな事に大きな怪我にはならなかったので、もう一度自分を見つめ直して、次週に向けて再スタートを切る。

 

一方、集団内には才田・岸・中川の3名が残る。レース前の宮澤監督の指示が生きたか、これまでのレースでは早々に集団から離脱していた若手中川選手も集団前方に位置取る姿も見えていた。なんとか集団に食らいつくもまだまだ脚を無駄に使ってしまう部分もあり、5周目に宇都宮ブリッツェンが集団コントロールに入ると、そのハイペースに位置を下げてしまう。ここでまたチームに不運が襲う。6周目に入った最初の下りコーナーで集団後方で落車が発生。ここに巻き込まれた中川選手は集団から脱落。単独走となってしまい8周目に入るところで赤旗を振られてしまった。
今年からJプロツアーに参戦する中川選手。レース前半はこれまでと違う走りを見せ、成長の一端が見えるレースとなった。でも、まだまだこれから。さらなる向上を見てみたいと思わせるレースだった。

 

今シーズンから新規加入となった岸選手。これまではなかなか自分の走りを見せられなかった岸選手だが、この日はレース中盤までメイン集団前方で積極的に走る姿を見せていた。しかし8周目に逃げ集団の吸収に動いたブリヂストンサイクルの強烈な集団牽引に耐えきれず、集団からドロップしてしまう。まだまだ自分の力を出しきれない岸選手。彼らしい走りを、今後に期待。

 

さて最後まで集団に残っていた才田選手だが、この日は上手く流れに乗ることが出来なかった。最後の勝ち逃げ集団が形成されたタイミングでは、位置取りも悪く、脚もあまり残ってはいない状況。後方集団に取り残されてしまった才田選手は17位でフィニッシュラインを超え、チーム唯一の完走となった。

 


 

才田選手レポート:
四国での自転車旅の乗り込みで調子は良いと感じていた。1周目の米谷の落車を確認したので後ろを気にしながら走ったが、戻ってこないまま3周が経過。米谷の復帰は諦めて、その旨を岸と中川に伝える。レースは逃げと集団の形で進み、多くの強豪選手が集団に残っていたので次の動きに備える。しかし、自分が思っていたよりかかるのが1周早く、その動きに乗り遅れる。ブリヂストンが後手に回ったおかげでもう一度ブリッジのチャンスが回ってきたが、位置取り、脚、ともにイマイチで追走に入るのがギリギリ。キツイ中でなんとか20位以内を確保するのが精一杯だった。
思っていたより脚が動かず、頭もクリアでは無かった。水分補給をもっと大事にすることや、良い位置で走っていた岸ともっと一緒に走りながら勝負所に入るべきだった。春の最後の一戦、東日本には修正して臨みたい。

 

米谷選手レポート:
修善寺からチャレンジロードと調子良く走れており、また翌週の群馬と比べてタフな広島でのレースなので、結果を狙って走れるレースだった。宮澤監督と並んでスタートし、宮澤監督の後ろ、5番手で最初の下りに入ったが、3段坂の手前の下りで番手を落としてしまった。3段坂に前で入ることに高い優先順位を置いていたので焦ってしまい、無理にポジションをあげようとしてしまった。普段と違うことをしようとして焦った…という一言に尽きる。普通に走れば登りで自然と番手を上げられるし、何も無理をする必要はなかったのに、普段と違う行動目標を意識しすぎて強く焦った。
去年の那須といい、調子が良いと自認していたり、普段と違うことを求められた時はしようもないミスをしがちなのは分かっていたはず。要求された事が自分が出来る範囲を超えているなら、それが勝負を決める局面でないなら譲っても良い位の余裕を持っていればよかった。その程度のセルフコントロールは当然出来て然るべきだし、普段は出来ている事だった。安全に走ってさえいればチャンスは巡ってきたはずだから。
自分自身にはほぼ怪我はなく、巻き込んで大きな怪我をさせてしまった人は恐らくいなかったのは不幸中の幸い。自業自得とはいえショックは大きく、正直かなり落ち込んだ。群馬まで1週間、精神的にリフレッシュして気負わずに納得のいく走りがしたい。最後に、落車に巻き込んでご迷惑をおかけした皆様、申し訳ありませんでした。バイクを応急修理していただいたシマノの大久保メカをはじめ、多くの方に助けていただきました。ありがとうございます。今後より一層気を引き締めて走ります。

 

岸選手レポート:
修善寺から1ヶ月経過し、タイ合宿の疲労も抜け、今回のレース前トレーニングではある程度追い込めていたので結果を求めるレースだった。広島の走り方はある程度熟知していたのでスタートも2列目からスタート。1周目の三段坂の前でブリヂストンサイクリングの2名の逃げができ、反応できる位置に居れず、そこからは逃げと集団の形で常に集団で脚を使わない位置で走り次の動きに備える。レース半分を過ぎた8周目あたりで集団がセレクションにかかり、前に乗れずレースを降りた。修正、戻さなければならない部分は分かっているので群馬では結果を残す走りをする。

 

中川選手レポート:
レース前のチーム練習のおかげで調子は上がっていた。レースの週は少し練習量を落として疲労は抜けていた。このコースを走るのは初めてだったので、事前にコースの印象を聞いて走りのイメージを作っておいた。前日試走では下りの得意なイナーメ紺野選手と走り、良いイメージとコーナーの上手な抜け方を確認した。確かにキツイコースだが、監督の指示通りに走り方を工夫すれば自分にもなんとか行けるコースではないかと思った。前日のミーティングなどで監督は最初の下りと三段坂には集団の前で入ること、三段坂では少しずつ番手を下げてクリアして、皆が足を止める所の下りやホームストレートで番手を上げること等のアドバイスを頂いていたので、それらのことをレース中はずっと意識していた。
スタートしてすぐは宮澤監督や米谷さんを前に確認しながら10〜15番手くらいを走っていた。三段坂手前のトンネルで路肩の溝に落ちた。以前の練習中に同じように路肩の段差に落ちて、上がるときに引っかかって転んだのを思い出して冷静に路肩から上がる。その後はコンチネンタルチームや岸さんの近くで走っていたが、脚を使いながらになってしまった。特にホームストレート後のテクニカルな下りで少しずつ位置を下げてしまった。位置を上げるときは登り返しで勢いを生かしたまま隙間を見つけて上がったり、皆が足を止める下りを利用した。
しかし段々きつくなっていった。5周目に集団が宇都宮ブリッツェンのコントロールになってペースが上がった時にホーム後の下りで中切れしそうになった。その後の平坦で踏んで追いつくも、三段坂できつくて位置を下げてしまった。また三段坂後の下りで位置を上げたが、最後の上りもきつくて、そのまま不慣れな補給で遅れてしまった。補給の仕方も改善しなければならない。6周目の最初の下りコーナーで自分の前で落車があり、それを避けた選手を自分が避けられずに突っ込んで落車した。比較的軽傷だったが頭を打ってしまった。しかしヘルメットが自分のことを守ってくれた。立ち上がってまた走りはじめたが、8周目に入れずに降ろされた。今回は序盤は前で走れたが脚を使いながらになってしまった。もう一度走り方、自分の実力を考えて来週のレースに挑みたい。

 


 

宮澤監督から:

 

米谷選手は体調の良い時に自分の得意なコースで落車した事は残念だし、初歩的なミスだったと思う。次のレースでは結果に繋がる走りを見せて爆発させてほしい。中川選手は苦手なコースだったが、レース前半は集団前方のポジションで走る事が出来た。途中遅れたことは仕方がないが、今日のコースはロードレースの基本である「サバイバル力」が試される展開。コース上で結果を残せるようになってほしい。トレーニングする時に必ず完走する事を強くイメージして、それに必要なトレーニングをしているか、常に自分に言い聞かせながら走ること。岸選手は今まで出来ている力が出せていない事にしっかりと向き合い、自分らしい走りをして欲しい。今のままでは「レースがつまらない」で終わってしまっている。才田選手は後半に思ったよりも足にきていて、苦しくなって動かなかった。それは水分摂取の少なさから来ている可能性がある。特に強度の高いレースでは有りがちな事。なので次からは水分を結構飲もう。

 

才田 -¥2,000
米谷 -¥10,000
岸 -¥2,000
中川 ¥7,000

 


 
 
 

PHOTO OF THE DAY:

 

最終周回の最終コーナーをフィニッシュを目指す小集団の先頭で駆け上がる才田選手の…男気的な背中。
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PHOTO REPORT:

 

レースに向けてローラーを回す選手達…岸選手のデカさ、際立つ。
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才田選手は、ひとり、外へ自走でウォーミングアップ。
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それぞれの表情で、それぞれのウォーミングアップ。
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ウォーミングアップを終えた才田選手はもぐもぐしながらレースの準備…才田さんは和菓子をよく食べるそうです(差し入れは「和菓子」で)。
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元チームメイトの小嶋選手(ヴィクトワール広島)の襲来を苦笑いで迎える面々…毎度挨拶に来てくれるけど、毎度うるさい(笑)。ちなみに小嶋君は写ってません(爆)。
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夏の到来を思わせる日差しの中で、53回目を迎える西日本ロードクラシック大会がスタート。
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第1コーナーに向かう集団の先頭に宮澤監督。米谷選手も後に続く…
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集団前方で周回を重ねる中川選手。
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1周目の落車で取り残されてしまった米谷選手。集団との差を埋めきれずにレース中盤でのDNFとなる。
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岸選手と中川選手が集団で周回を重ねていく。
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中盤から徐々に位置取りを悪くし、集団後方での落車の影響で単独走となってしまった中川選手。一人で集団を追うも赤旗を振られてしまった。
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才田選手と岸選手は集団内でチャンスをうかがう。
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ブリヂストンサイクリングによるペースアップに耐え切れず、集団からドロップしてしまった岸選手…グルペットで完走を目指すも付ききれずにDNF。
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最後まで残った才田選手…後続集団内でのセレクションに必死の形相で食らいつく。
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最終周回の最終コーナーを小集団の先頭で駆け上がる才田選手…ここは真っ向勝負。
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今日の悔しさは次回の群馬で…
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.