28APR.2019@第53回JBCF東日本ロードクラシック群馬大会, JPT #04

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第53回JBCF東日本ロードクラシック群馬大会
– 群⾺県利根郡みなかみ町/群⾺サイクルスポーツセンター –
6km/25周回 150km


 

1位 岡 篤志 (宇都宮ブリッツェン) 3:51:20 ave. 38.90km
2位 沢田 桂太郎 (TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
3位 今村 駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
4位 黒枝 士揮(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:00
5位 鈴木 龍 (宇都宮ブリッツェン) +00:00
6位 大久保 陣(KINAN Cycling Team) +00:00

19位 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:03
26位 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:11
51位 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team) +00:51
66位 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team) +07:15


 


 

夏を思わせる強い日差しだった西日本クラシック広島大会から一転、冬用のダウンジャケットを持ち込むほどの肌寒い気温の下、第53回JBCF東⽇本ロードクラシック群馬⼤会が群⾺県利根郡みなかみ町の群⾺サイクルスポーツセンターで開催された。Jプロツアーが開催された日曜日は比較的過ごしやすい気温だったものの、前日の土曜日は桜吹雪どころか本物の雪の吹雪の中でレースが行われ、選手にとっても体調管理が難しい週末となった。引き続き岩瀬選手を故障で欠くLEOMO Bellmare Racing Teamからは才田・米谷・岸・中川の4選手が出場。今回もJプロツアー最上位グレードとなり、慣れ親しんだ群馬のコースではあるが、6kmコースを25周回する合計150kmの長丁場のレースとなった。

 

前戦の西日本クラシック広島大会では、スタート直後の1周目にいきなりエースの米谷選手を落車で失い、レースを通して三度逃げ集団が入れ替わるというハードな展開の中で、最後まで生き残れたのは才田選手のみというチームにとっても厳しいリザルトに。自分のミスで落車してしまった米谷選手をはじめ、各選手が広島から持ち帰った「課題」を群馬の地でどうこなしていくか。4選手ともに「狙った目」を見せつつ期待を抱いてスタートラインに並ぶ。

 

レース序盤は逃げに乗ることを指示されていたチームだったが、1周目にあっさりと3名の逃げが決まってしまう。スプリント勝負を目論むチームブリヂストンサイクリングやキナンサイクリングチームにコントロールされたメイン集団はこの逃げを容認。25周のレースの20周近くを展開の変わらないまま消化していく。勝ち負けよりもどれだけ積極的に動けたかが評価されるチームではあるものの、こうなってしまうとチームとしてもレース終盤まで温存していくしかない。出来るだけチーム4名でまとまりながら周回数をこなしていった。

 

レースが動き始めたのは残り6周回。逃げが吸収されると集団前方では次の展開を狙う動きが頻発する。ここで脚が揃っていたチームは集団の前々で動き、ほぼ全ての動きに対して誰かしら入って対応していく。この後も様々な動きが出ていたものの、スプリントに持ち込みたい有力勢のコントロールで集団が崩壊するところまでは持ち込めない。最終周回に入るところで米谷選手が単独で抜け出すも直後に吸収。最後の心臓破りの坂で才田選手が攻撃に入るも抜け出すことは出来ず。集団スプリントの後方で各自ゴールした。

 


 

才田選手レポート:
逃げの指示が出ていたが1周目に有力チームの多くを含まない3人逃げが決まり容認されたので後半に備える。レース半分を消化した辺りからチーム4人でまとまって終盤に備える。岸は好調、米谷はあまり良くない、中川選手は少しキツイことを確認。残り6周くらいから集団が動き始め、それに合わせて早めのチェックを心がける。米谷・岸も前々で動けていて、小さな抜け出しにも誰かしらチームから入る良い状態。しかし結局スプリントでまとめたいチームが多かったこともあって最後まで集団は崩壊せず。結果は今ひとつに終わったが、今季最もチームとして動けたレースになった。中盤戦につなげていきたい。

 

米谷選手レポート:
今日のレースは入りからあまり調子が良くなかった。ただ、距離も長いので走っているうちに体が動き始めることを期待して序盤を落ち着いてこなし、終盤の主力を含む動きにチームとして乗り遅れないようにまとまって対応することを目標にした。
あっさり逃げが決まりスローペースが続いた。しばらく大きな展開はないと感じられたので、中川選手に補食を食べること等を指示しつつリラックスして距離をこなした。残り半分あたりから少しペースが上がり始めたのでチームで固まって位置取りを始めた。距離をこなしても調子は良くならず、その事を才田さんと岸さんに伝えた。残り6周の逃げが吸収されるタイミングでのカウンターを狙って前に上がり、何度か反応したが集団は割れなかった。また、体が重く一回動いた後の回復に時間がかかり、前で動き続けている才田さんと連続しては協調できず、才田さんも岸さんも抜け出せないまま残り2周に入った。このまま走っていても最終周回の心臓破りで攻撃する余裕はおそらくなく、そこを過ぎればゴールまで何も出来ない可能性が高いので、何もしないよりは良いだろうという思いもあって残り1周に入る前のどこかでアタックがしたかった。前日のミーティングではリフト坂の登り切りでのアタックを提案されていたが余裕がなく動けなかった。心臓破りをこえてバックストレートを過ぎたあたりでペースが少し緩んだのでアタック。1人で抜け出したが、レース中に感じていた通り全く踏めずに1分強で吸収された。その後は心臓破りに入る手前で集団から遅れて完走。
調子と気持ちをレースに向けて整えられなかったのが大きい。トラブルは基本的には自己責任だし、そこから上手く気持ちを切り替えられなかったのも自分の弱さ。少なくともスタートするまではこれまでにないほどに弱気で、それに体が引きずられた面は大きかったと思う。それでも、終盤のチームとしての動きに加わることはできたのは悪くはなかった。本来の状態ならば才田さんと同等の動きが出来てしかるべきだったと思うし、それが出来なかったのは失点だが、その場での最低限はやれたと思う。無事にゴールし、レースを楽しめたのも良かった。
これで序盤の連戦が一区切りつくので、中盤戦に向けて仕切り直していきたい。

 

岸選手レポート:
距離も長いことから勝負どころとなるレース後半に備えるため、前半から中盤まで集団前方で走ることを意識してスタート。すぐに逃げが決まり、ラスト5周くらいから集団のセレクションがかかる。常に心臓破りの坂は先頭が見える位置でこなし、自分の得意な形である小集団に絞る動きを才田さんと乗っかっていくが決まらず最後は集団スプリントの中程でゴール。
レース全体を通してうまく立ち回れたと思うが、最後の詰めの甘さが出でしまった。宇都宮ではそこを詰める走りをすれば結果はついてくると思う。

 

中川選手レポート:
スタートして、すぐに逃げが決まりペースが落ち着くが集団の密集度が高くて思うように走れず、集団前方と後方を行ったり来たりになってしまった。特に裏の下り区間での密集度が怖く位置を下げてしまった。また補給を食べることにも慣れておらず、位置を下げながら食べることになってしまった。位置を上げるときは登り返しやコーナー手前で道路の端から脚をなるべく使わないように一気に上がった。しかし残り5周になりペースが上がった時には脚がきつくなっており、ペースが上がってから2周目の心臓破りの坂でメイン集団から遅れた。遅れた後は近くにいた人と集団を形成して残りを走ってゴールした。
今回のレースは緩いレースだったみたいだが自分にはハードなレースだった。もっと実力をつける必要があると実感した。そして今回の改善点を修正して次からのレースを良いものにしていきたい。

 


 

宮澤監督から:

 

広島から一気にレースの展開が変わり、集団で進む遅い展開になった群馬。残り10周以降から逃げ集団の吸収等の動きがあり、その後に決定的な逃げが新たに生まれると予想していたが、結果的には何も起こらずに集団でのスプリント勝負となった。結果的には動きはなかったが、残り10周からの位置取りをチーム全員で行う事で、勝ち逃げ集団を生み出す等の次の局面へ動く準備は出来るようになってきた。個人的には中川選手と岸選手には頑張ってほしいレースだった。
その岸選手はサバイバルな展開でも展開力を作る強さ、諦めずに最後まで結果にこだわる執念を身につけるのが課題だろう。また中川選手はレース毎に新しい事を吸収しながら、次のレースに向けてアップデートし、チャンスが来た時に結果を出せる準備をしておく事。米谷選手は事故後の体調が優れなかったが、その状況下でもチャレンジしたことは評価したい。才田選手は後半の位置取りでチームをまとめ、最後に木村選手(シマノレーシング)のアタックにも反応するなど、チャレンジする動きができてきた点は評価できる。ただ、展開を生み出せるチャンレンジをやっていってほしい。

 

才田 ¥5,000
米谷 ¥4,000
岸 ¥4,000
中川 ¥2,000

 


 
 
 

PHOTO OF THE DAY:

 

最終周回に入るS/Fラインで集団から飛び出す米谷選手。スプリントで確定のメイン集団に対してほぼ打つ手なしだが…何もしない訳にはいかない。
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PHOTO REPORT:

 

鯉のぼりがたなびく会場近く。
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朝方まで降り続いた雪で遠くの山は再び雪化粧。
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気温は低めだったが、明るい陽射しの中で準備を進める。
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ウォーミングアップのタイミングも選手それぞれ…まず全員が揃うことはない、広報泣かせなチーム(笑)。
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150kmの長丁場レースに向けて、宮澤監督特製の補給食。これがめちゃくちゃ美味しい!!
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スタートを待つ、第53回東日本ロードクラシック群馬大会。
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レース序盤から中盤にかけての4選手…米谷選手は集団前方で他の選手の動きに目を光らせ、岸選手と中川選手もメイン集団内で展開。珍しく才田選手も前々に上がって来る。
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レース終盤に向けて4人で固まり始めたLEOMO Bellmare Racing Team…岸選手は見つけやすくて、有り難いです(笑)。
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逃げ集団の吸収後、断続的に集団を壊す動きを見せる才田選手と岸選手…岸選手も相当動けるようになってきた模様。
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ペースアップした集団からこぼれてしまった中川選手だが、Jプロツアー初完走に向けて粘り続ける。
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最終周回に入るS/Fラインで集団から飛び出す米谷選手。
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最終周回の心臓破りの坂でも才田選手らが仕掛けたが、集団から飛び出す動きとはならず…最後は集団スプリントへ。
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レースを終えた才田・米谷選手と岸選手…やっと調子が上がってきた岸選手は今シーズン初完走。
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今回のレポートは…Jプロツアー初完走の中川選手で〆。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.