15JUN.2019@群馬CSC交流戦 6月大会 Day-1, JPT #09

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群馬CSC交流戦 6月大会 Day-1
– 群⾺県利根郡みなかみ町/群⾺サイクルスポーツセンター –
6km/30周回 180.0km


 

1位 窪木 一茂(TEAM BRIDGESTONE Cycling) 4:43:17 ave38.12km
2位 ホセビセンテ・トリビオ(マトリックスパワータグ) +00:01
3位 石橋 学(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +00:03
4位 孫崎 大樹(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +01:06
5位 今村 駿介(TEAM BRIDGESTONE Cycling) +01:06
6位 鈴木 譲(宇都宮ブリッツェン) +01:06

DNF 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 中川 由人(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 岸 崇仁(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 米谷 隆志(LEOMO Bellmare Racing Team)


 

今年から新たに設定された群馬CSC交流戦。今回の6月大会ではJプロツアーとJエリートツアーのE1クラスタの選手が混走し、来週末に控える全日本選手権に向けた「トレーニング・レース」という位置付けで開催された。そのためJPT+E1のレース距離は180km。群馬サイクルスポーツセンターの6km周回コースを30周回する長距離レースとなった。LEOMO Bellmare Racing Teamからは才田・米谷・岸・中川の4選手が参加。故障の治療が続いている岩瀬選手は大事を取って今回はオヤスミとなる。

 

先週末から引き続き、この日も雨模様。チームとしては180kmの長丁場を走り切るというよりも、序盤から逃げに乗ることを推奨。積極的な動きが出来れば120km程度でレースを降りる事も可という指示でレースに挑んだ。

 

レース序盤は米谷選手と中川選手が集団前方で展開して逃げるチャンスを伺う。結局逃げに乗ることは出来なかったが、特に中川選手はレース展開が生み出される場で走る事で、序盤のレース展開がどのように生み出されているかを自分の目で見る良い機会になったと思われる。レースが3周目を過ぎ、集団の動きが多少落ち着いた状況で今度は岸選手と才田選手が集団前方で動く。数名の逃げ集団を追う追走集団に才田選手が入り、先行する逃げ集団・才田選手の入る追走集団・メイン集団という構成でレースが展開していく。

 

メイン集団に残った岸・米谷・中川の3選手のうち、岸選手がメイン集団から脱落する。レース序盤に良い動きを見せるものの脚が売り切れてしまうレースが続く岸選手。宮澤監督から「序盤の動き方を少し変えてみては」というアドバイスを得て、走りが変わるキッカケとなる事が期待される。序盤に良く動いた中川選手もメイン集団から脱落。そして追走集団内で走り続けていた才田選手もレースを終えた。

 

今回のレースでも最後の一人になった米谷選手だったがメカニカルトラブルを抱えての走りとなり、途中でバイクを交換するも、セッティングがフィットしないためにメイン集団後方での走りが精一杯という状況。レースも120kmを迎えた辺りで米谷選手もメイン集団から遅れてDNFとなり、この日のレースが終了した。これまで積極的な走りが見られなかった才田選手も今回は追走集団に入る動きを見せ、怪我明けの米谷選手も走りの感覚を取り戻しつつある模様。岸選手と中川選手も次戦に向けた手がかりや経験を得たレースとなったに違いない。

 
 

PHOTO REPORT


 

先週末のレースから引き続き雨のレースとなった。
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レース序盤に積極的に動いた岸選手は単独で逃げに挑む姿も見せる。
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メイン集団内の米谷選手と中川選手。2人も序盤は良い動きを見せた。
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序盤は耐える走りとなった才田選手。
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今回も序盤で息絶えてしまった岸選手は「序盤の動き方に一工夫を」と宮澤監督からのアドバイス。動くチカラはあるので動き過ぎない事が一つのキッカケになるかもしれない。
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追走集団に入った才田選手。
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粘り続けた中川選手もメイン集団から遅れてのDNFとなる。
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メイン集団前方に位置取る米谷選手だが、実はメカニカルトラブルを抱えての走りとなった。
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追走集団内での走りを続けた才田選手だったが、レース中盤を過ぎるところでドロップ。久しぶりに積極的な走りを見せるも後は強さを取り戻せるかが課題。
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トラブルを抱えたまま集団後方での走りが精一杯だった米谷選手も120kmを過ぎたところでレース終了となった。
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最後の心臓破り坂を笑顔で登って行った米谷選手。今回のレースで走りの感覚は取り戻せた模様。次戦以降の走りに期待が高まる。
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RIDERS REPORT


 

才田選手:
元々雨のレースのスタートが苦手な自分にとっては最初の3周程がキツイ状況だった。なんとか耐えて落ち着いたところで12人の逃げが出来ている状況。幸い集団は緩まずにこれを吸収。この後の動きで3人逃げを追う7人の追走集団に自分も入る。しかし異常にキツイ。5周程度はローテーションに入っていたが、いよいよキツくて付き位置に。それでも心臓破りのジャブで千切れかかってはホームまでの平坦で戻るを3周繰り返す。まだ残り70kmくらいの絶望的な状況。3人の先頭を捕まえて10人の先頭集団を形成したタイミングで、登りでチェーンを落としてしまい脱落。ここで気持ちも切れてしまい、一気に身体が冷えたのもあってレースを降りる。
久々に展開に参加できているレース内容で楽しかったが、単純に自分が弱くてキツかった。クラブチーム勢も多い追走集団内で自分一人だけ脚の無い状況は少しショックではあったが、これが現状か。

 

米谷選手:
やいた片岡のレースから1週間経ち、調子の戻り方を確認できる良いタイミング。練習では少しずつギアがかかるようになってきて、バイクに対するぎこちなさも抜けてきたと感じていた。寒い雨ということもあり「前半から積極的に動ければ120kmぐらいでリタイアしても良い」という指示の下、レースをする感覚を取り戻すためにも序盤は前で展開して逃げに乗ることを目標にした。
2周目途中から前に上がり、何度かアタックに反応もした。3周目途中に上がってきた岸さんにまだ逃げはいないと状況を共有し、協調して対応しようとした矢先、段差でハンドルの角度が明らかに変わった感じがした。その後もハンドルの状態が良くなく、集団内にいるのが怖くなり、その事をチームメイト3人に伝えた後に集団後方に下がった。
7周目に入ったところで宮澤監督のバイクと交換してもらい、すぐに集団復帰。すると今度は左のクリートが不調。加えて宮澤監督のバイクはブレーキの前後が逆なので、間違えて逆のブレーキをかけて転ばないように慣れるまで集団後方で落ち着いて走り、馴染んだ頃には才田さん含む追走が決まっていた。補食を食べつつ距離をこなしたが、ブレーキが逆なのが何となく怖くて補給をなかなか取りにいけず、体が冷えた。終盤にむけて逃げを追い詰めていくなかで余裕がなくなっていき、ペースが上がった登りで一気に踏めなくなり集団から千切れ、残り6周あたりでレースを降りた。
メカトラに振り回された感の強いレースだった。今後のトラブルの原因になりそうなので、早急に対処する。完全に補給不足だったのも反省。補食は食べていたが、バイク交換したこともあって前半90kmは一滴も水を飲んでいなかった。体が動かなくなって当然だと思う。宮澤監督にメカトラをスムーズに伝えられなかったのも良くなかった。補給開始が何周目からか把握しておらず、宮澤監督がどこにいるのかなかなか見つけられなかった。ただこれに関しては、宮澤さんがチームジャージを着ていなかったことも一因だと思う。出来ればレース中は、ジャージやベストなど見分けやすいチームウェアを着用して頂けると見つけやすくて有り難いです。
先週より確実にまともに走れたのは収穫。メカトラが発生する前までは何度かアタックにも対応出来たし、踏んだ後の回復の感覚や登りでの余裕感もだいぶ戻ってきた。トラブルや補給不足で最後までは耐えられなかったが、レースペースで4時間弱走れたことも悪くないと思う。中盤はバイクにも慣れてちゃんと集団に馴染めた感じがあった。状態は良くなっているので、練習の方向性自体は間違っていないと確認できたと思う。機材面の問題を洗い出して修正しつつ、全日本、そして石川にむけて着実に調子を作っていきたい。

 

岸選手:
先週のレースから休みを入れて望んだ今回のレース。長距離レースになるので、逃げ集団で安定して距離をこなし、最後の勝負に臨めるようにスタートした。最初の3周はペースが速く集団後方で耐える。その後、集団のペースが少し落ちついたので周回をこなしながら番手を上げていく。米谷選手からまだ逃げが決まってないと聞き、米谷選手自身がキツイと確認。そこからは自分が逃げるべく前々で動くが、出入りも激しく中々決まらずで、群馬CSCでキツイと思ったことがない登りがすごくキツく感じたし、どうにも身体がしんどく徐々に動けなくなる。消耗も激しくレース半分も走らずに降りることになった。
今までに経験したことのない身体の状態だし、何故こうなったか、トレーニングからレースへの過程、日頃の生活など、今一度見直すことが必要。

 

中川選手:
レース前は序盤の逃げに乗ることを考えてスタート。最初の3周は速かったが、調子が良かったのと集団前方に居たためにそれほどきつくなかった。しかし逃げに乗ることは叶わず。逃げに乗るためには、もっと積極的に前で展開しなければならなかった。岸さんや米谷さんとの協力もできなかった。周りの選手に聞くと、有力チームが全て入っているため集団を牽く選手がおらず、レースが終わったと思った。タイム差はどんどん広がっていたし、沿道からも追わないと終わるぞという声が聞こえた。
このまま終わるならダメ元でも追走の動きをするべきだと思い、何度か集団から抜け出そうとした。しかし、無駄に脚を使う事が多く(急なパワーの出し入れ、他の選手のタイミングに合っていないなど)てきつくなった。調子が良いのなら冷静に動くべきだった。才田さんが追走のために動いた時に自分も近くにいたので追いかけて、ここで追いついたが一気に踏んできつくなってそれ以降は集団にいるしかなかった。集団のペースは落ち着いていたが、少し上がった時から心臓破りで毎周回きつくなった。心臓破りで位置を下げてその後の下りとコーナーで前へ上がる動きを繰り返していたが、それも徐々に厳しくなり、米谷さんに状況を伝えて集団から遅れた。
ここ1ヶ月はインターバル・トレーニングを多めに入れてみたが、そのおかげで自分の苦手なインターバルに少しずつ対応できるようになってきたのを確認できた。

 
 

宮澤監督から


 

好条件ではないのは皆同じ。寒さとの戦いになる事を考えると、集団前方で走っていた中川は良かったと思う。逃げに乗ることもそうだが、可能な限り集団前方に位置して、レースの展開中に誰がどういう動きをしているのかを観察すると、展開を作れる他選手の逃げに集中できると思う。
中盤の才田の逃げは積極的な良い逃げだった。ただ、身体がキツイと感じた原因は考えるべきだろう。トレーニングのメニュー強度もそうだが、高強度と中強度をトレーニングのどのタイミングに持ってくるかも大事だと思う。
岸は序盤の脚がある時に上手く動き過ぎて、まだ脚を使っていない選手がペースアップした時にキツく感じている感がある。序盤の走り方を根本的に変えてみるのは良いだろう。具体的には前後の動きをゆっくりと、動く回数も最小限にとどめる。
レース序盤の今回の優勝候補が乗った逃げに入れなかったのは、米谷のトラブルが原因だったかもしれない。今回は雨が降っていたので、マトリックスのテントからレースを見ていたこともあり、米谷の異変に気づけなかったのは自分の反省ポイント。メカニカルトラブルはレース前に防げる事も多いので、しっかり準備してレースに臨んでください。
寒さと雨と考えると、スタートから暖かいドリンクでも良いかもと思ったが(寒いと飲む事を忘れるので)、特に必要性を感じる選手がいなかったのは意外だった。内臓は冷えると食欲不振になりがちだし、寒い中でのレースは体温を維持するために普段以上のエネルギーを必要とする。LEOMOの選手は、例えばマトリックスの選手と比べると、1/3以下の補給量だったと思う。食べられない事は致命的になりかねないので注意。

 


宮澤 ¥-10,000(レース中、マトリックステントに潜んでいたため)

 
 

PHOTO OF THE DAY:


 

レース序盤を集団前方でこなす中川選手。この位置取りを毎レース出来るようになると、また違ったレースの展開が見れそうだ。
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Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.