27MAR.2022@第2回JBCF播磨中央公園ロードレース, Day2, JPT#01

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第2回JBCF播磨中央公園ロードレース Day2
– 兵庫県加東市/兵庫県立播磨中央公園特設周回コース –
7.0km/20周回 140.0km(JPT)

 


 

【JPT】
1位 小林 海(マトリックスパワータグ) 3:41:21 ave37.94km
2位 レオネル・キンテロ(マトリックスパワータグ) +00:22
3位 フランシスコ・マンセボ(マトリックスパワータグ) +00:37
4位 横山 航太(シマノレーシング) +02:09
5位 安原 大貴(マトリックスパワータグ) +02:12
6位 渡邊 翔太郎(愛三工業レーシングチーム) +02:12

24位 池田 隆人(LEOMO Bellmare Racing Team) +07:26
31位 米谷 隆史(LEOMO Bellmare Racing Team) +07:59
DNF 小畑 郁(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team)

 


 

3月26日(土曜日)から2日間にわたって開催された「第2回JBCF播磨中央公園ロードレース」の2日目。午後からはJプロツアーの初戦。LEOMO Bellmare Racing Teamからは才田直人・米谷隆志・小畑郁・池田隆人の4選手が出場。新規加入の池田選手がJPT集団の中でどこまで走れるのか、怪我明けの才田・米谷選手がどこまで復調してきているのかが注目点。また経験豊富な小畑選手には池田選手へのサポートが期待されるレースとなった。

 

午前中に行われたE3レースでは北川選手が2戦目にして見事4位表彰台を獲得。次戦からE2クラスタへの昇格も果たした。若手かつ新規加入選手の活躍にJプロツアーメンバも勢いづく中、Jプロツアー・レースのスタートが迫る。

 

Jプロツアーの初戦は12時45分スタート。日焼けするほど陽射しの下に80名が並んだ。レースはアクチュアル・スタート直後からアタック合戦が始まり、最後の登坂区間で既に逃げ集団が形成される展開。最終的にこれが勝ち逃げ集団になるレースとなった。
この勝ち逃げ集団に「本格的なロードレースが初参戦」となる池田選手が乗る。レース中の様子は池田選手のレポートを読んでいただくとして、外から見る感じ、序盤は少し危ない様子も見られたが、周回を重ねて行くと逃げ集団の中にいる事自体がむしろ自然に感じるほどにスムーズな走りを見せる。レースが後半に入ると一度逃げ集団からドロップしてしまったが、1周回程度で落ち着いて逃げ集団に復帰するクレバーな場面もあった。最終的には逃げ集団から遅れての24位フィニッシュとなったが、初戦から驚きのレースを見せてくれた。
一方、怪我明けのレースとなった才田・米谷の2選手。特に問題なくレースを走れた模様でこの点は今後の安心材料となる。米谷選手はJプロツアー復帰戦だったが、持ち前の粘りの走りで31位完走。才田選手と小畑選手はレース途中での落車の影響もありDNFでレースを終えた。

 
 

PHOTO REPORT (JPT)


 

2022年の初戦を迎えたLEOMO Bellmare Racing Teamの面々。
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初戦から140kmの長丁場なため、補給食も準備万端。
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試走に向かうLEOMO Bellmare Racing Teamのメンバ。
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2022年開幕戦のスタートライン。米谷選手は行方不明(汗)だったが、池田選手は綿密にアドバイスを受ける。
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1周目の逃げ集団内に入った池田選手。初戦にしていきなり驚きの展開を見せてくれた。
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米谷・才田・小畑の3選手はメイン集団でのレースとなった。
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逃げ集団での走りにも慣れ、集団の先頭に立つ池田選手。
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メイン集団のペースアップや落車の影響で遅れてしまった才田選手と小畑選手。
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怪我明けかつJプロツアー復帰戦の米谷選手はメイン集団に残り、周回を重ねる。
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一度逃げ集団から遅れて単独走となった池田選手だったが、次の周回では逃げ集団に復帰。
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メイン集団で完走を目指す米谷選手。
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逃げ集団からは遅れてしまったがJプロツアー初戦を24位で終えた池田選手。続いて粘りの走りを見せた米谷選手が31位でフィニッシュ。
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RIDERS REPORT


 

池田選手(JPT):
JBCF開幕戦ですが、実質初のロードレースでJPTで走るということとなり、分からないことだらけでしたがとにかく勉強のつもりで臨みました。
試走をしてみると、路面状態の良い低速コーナーが多めで、直線下りも70km/hまでしか出ないので、自分にとっては安心して走れるコースだと思いました。宮澤監督にレース展開の予想、走り方、位置取りの仕方、上がり方のアドバイスをいただき、何も分からない状態から理屈だけなら分かるようになりました。
レースでは、ローリング区間中になるべく順位落とさないようにして、アクチュアルスタート後はアドバイス通りに走り、少し無茶をしてしまったものの逃げに乗ることが出来ました。
逃げのペースはパワー数値的にはきつくはなかったですが、コーナーがとても速く、今まで曲がったことのないスピードで曲がっていたため、付いて行くのにかなり神経を使いました。序盤は何回かペダルが地面に当たったり、高速コーナー中に後輪ロックさせて浮いたり、コーナーの見えない段差で飛んでしまいコースアウトしかけて遅れる等ありました。ただ、無理はしていなかったのでクラッシュはせず、逃げ集団に復帰することが出来ました。段差のあるところでは、外側の脚に強めに荷重して自転車を押さえつけると安定しやすいと感じました。ローテの仕方が分からず、列から離れすぎたり順を飛ばしてしまうことがありましたが、中盤からは覚えて少し上手く出来るようになりました。
後半に入り、スタートフィニッシュ前の1分坂がややきついと感じ始め、ボトルの受け取りや、自分で持ち込んだジェルの選択に失敗して補給がなかなかできませんでした(フレーバーが気管支に合わなかったのか、レース中しばらく咳込みながら走ってました…)。かなりきついと感じていた地点でアタックがかかり、先頭集団から千切れてしまいました。その後1人で追いかけて一旦は先頭に追い付くことが出来たのですが、1分坂で再度かかったアタックに付いて行くことができず、13周目でドロップしました。その後はメイン集団、追走集団と乗り継ぎ、集中力をなんとか維持しながら走り続け、完走することが出来ました。逃げ集団からドロップしてしまったのは悔やまれますが、無事に完走することが出来てほっとしています。
まだ出来ることは多くないですが、今回学んだことや反省を活かして次に繋げていきたいと思います。

 
 

米谷選手(JPT):
1年ぶりにチームに復帰しての初戦。1月末の練習中に右膝を痛め、それを引きずってしまい2ヶ月ほど満足に練習が出来なかった。調子は成績を狙うには明らかに不十分だったが、直近2週間の経過から当日にはレースを走っても膝の痛みは出ないだろうと判断して出走を決めた。
コースは周回前半がかなりテクニカルでペースが上がるほど後ろは苦しくなりそうな感じ。落車の危険もあるため、落ち着くまではなるべく前で展開したかった。
チームとしては、展開が落ち着いた時点で誰も逃げに乗っていなければ全員で前に上がりコントロールの練習をしようというものだった。個人的には、膝に完全には自信がなかったので、ちゃんと踏むのはスタートから少なくとも1時間は様子を見てからにしようと決めてスタートした。
ローリング解除後すぐにアタックがかかり、池田君が最終便あたりで乗っていき集団はすぐに沈静化、あっさり決まった。自分は予定通り集団前方で待機しつつ見送り。ブリヂストンのコントロールの後ろで各チームが隊列を組み、2分ほどの差で安定して速いペースで進んだ。そのペースがすでに苦しく、監督や才田さん小畑さんにそのことを伝えつつ耐えた。膝に嫌な感覚はなかった。
10周目のコントロールライン前の上りでブリヂストンが一気にペースアップし集団が破壊された。中切れをパスしつつS/Fラインまでに前にジョイントしたが、その先のテクニカル区間でコーナーをミスして空いた車間を埋める足がなく、脱落した。その後は前後から選手がまとまって第3集団となり、ほぼ全員でペースを刻んでなんとか完走。粘り切った。
今の状態で完走できたのは予想以上の上出来。何より、膝がさほど悪化しなかったのは本当に良かった。翌日昼ごろから軽い違和感はあったが、全体には回復傾向なので注意して進めていきたい。補食としてジェルを持って行かなかったのは失敗だった。現状は体力に余裕がないこともあり、終盤に固形物を食べるのはかなり苦しく、最後はハンガーノック気味だった。次回以降は保険で何本か持っていくようにする。
久しぶりに走るJPTはやはり挑戦する楽しさに溢れていた。最初は集団の走り方に戸惑うこともあったが、レースを通して大分馴染めたと思う。4月の連戦で満足な調子に仕上げるのは難しそうだが、膝の状態に注意しながら一歩一歩積み重ねていきたい。

 
 

小畑選手(JPT):
昨年に続きJBCFレース開幕戦の播磨ロード。去年は2レースともトラブルだらけで良い思い出がないのですが、今年こそはなんとかしたいと思い、少しボリュームが足りないという心配もありながら出来るだけの準備をして臨んだレースでした。
新設コースは、コース一番の登りパートから公園の設備の間を繋ぐ様に走る忙しい区間が追加された形状。集団の後ろにいたら脚を使って即千切れそうななかなかの難コース。チームとしても出来るだけ集団前方をキープして序盤をしのぐが一つの目標に。このコースは後ろからスタートしたらやばいと最前列に並びスタート。今年は米谷君の復帰、新加入の池田君と新しいメンバーと走れる楽しみな気持ちと、ロードレース経験の少ない池田君には何かレース中、レースの外でも助けになる事がすこしでもあれば幸い。
新設のコース幅が狭い前半パート3km程をニュートラルバイクの先導で走り、道の広い後半パートに入る所でリアルスタート。早速集団のスピードが上がり、序盤から逃げを試みるジャブの応酬という感じ。コース終盤の登りパートを終え、レーススピードで前半の忙しい区間に入ると集団の先頭が見えるポジションにいてもコースの忙しさと集団の密集がとてもストレスでした。
レース距離が長い事もあり、2周目後半のパラパラと先行した選手をあっさり逃げ集団として容認しそうな雰囲気。どうせだった乗ってしまおうかと思った矢先にLEOMOのジャージが見える。小さい!!米谷君が近くにいるので、池田君が逃げに乗ったのか!!いきなり流石だなとビックリしつつ、やっぱり自分も乗るだけ乗るべきだったかなと思った。
その後、米谷君と話し、集団に残り様子見する事に。マトリックスがすぐにフタをしたのでタイム差は1分程に開く。ブリヂストンは1人しか乗っていなかったのに動き出すまでに時間がかかり、逃げ集団を追いかけるコントロールが大変そう。補給が始まる5周目までは散発的な追走もあり、ペースが安定しない中で脚がある選手も多く、集団前方キープのために脚をまあまあ使う。そしてゴール前の登りが自分には結構キツイ。
5周目前後からブリヂストンがガッチリ集団をコントロールし始めて追走開始。そうなると有力チームが5人6人と並んで隊列出来るため、集団中盤から後方でのクラブチーム勢のポジション争いが無駄に活性化し、余計に脚を使う展開となる。後方まで下がった米谷君が才田さんが結構辛いと言ってますと伝令。自分もまあまあ辛いと伝える。無駄なペースの上げ下げが辛い。
レースが折り返しに入る頃、ブリヂストンの牽引もペースアップ。下り区間で青系のチームが落車。スピードの出る区間で集団を分断する様な落車。前に追いつくためにまあまあ脚を使い、無事に戻れたがダメージ大きい。
その後、10周回目中盤の後半区間で一気に脚が止まり、集団から遅れてしまう。集団コントロールを終えたブリヂストン橋本君と走ったが、その後DNFとなりました。集団をコントロールしているブリヂストンは後方がどんな様子だったか分からず「集団はあれで辛かったですか?」といつもの調子で聞かれて「メチャ辛かったよ」と返すのがやっと。
今回のレース、コース的な忙しさもあってエナジードリンクを持って走っていましたが、補給食をしっかり摂る事ができず、ハンガーノック的な身体の止まり方をした事が反省点。天気も良かったので暑さ慣れしていないところからきた披露もあったと感じています。
逃げからドロップした後も粘って完走した池田君、JPT復帰初戦でしっかり完走した米谷君は流石。彼らのアシストや、チーム戦術を広げる為にももっと走れるように準備して、これから続くレースに備えたいと強く思いました。

 
 

才田選手(JPT):
昨年冬から膝を痛めて2ヶ月近く負荷をかけられない状況から、徐々に回復してきて迎えた開幕戦。出場も迷っていたけれど、膝に対する不安はほぼ解消されたので参加を決めた。
試走した印象では一周で終わることもあり得る、後方待機にはキツイコースプロフィール。実際レースを走っても初めからずっとキツイ状況が続いていつドロップしてもおかしくない状態。それでもなんとか半分の10周走れたのは個人的には悪くなかった。完走できてればもう少し次に繋がったと思うけれど。
逃げに乗った新加入の池田くん、E3で土曜日から日曜日と確実にステップアップした高校生の北川くんは良いスタートになったし、チームに帰ってきた米谷は怪我明けだけど粘って完走。
もう少しベテランも頑張ります。

 
 

宮澤監督から


 

レースが晴れの中で行われて一安心した。例年、初レースは選手のモチベーションが高く、クラッシュも多い。レース前、シーズン初めは今までとアプローチを変え、集団コントロールを念頭にレースをスタートする事に決めた。集団の中程に位置取るのと、前方で集団をコントロールしているのでは大きく違う。最近の日本のレースはグランツール=ロードレース的な展開になっているのもある。
逃げに乗れたら、積極的に行くよう池田選手にはアドバイスをした。その他、集団内での走り方、位置取りの方法など、初めてのロードレースとしてはレベルも高いので、アタフタしないようにアドバイスが必要だと思ったからだ。
レースは序盤の逃げに池田選手が乗り、チームとしては良いスタート。才田と米谷は怪我明けでこの2ヶ月間ほとんど自転車に乗れていないため、前の逃げ集団が逃げ切る展開の中、池田選手に善戦してもらう絶好の展開だった。ロードレースのイロハ(先頭交代の仕方、コーナーの曲がり方など)をイチから教える暇はない中、レース中に自分で考え、修正しながら中盤以降は問題なく走れるようになったのは流石。終盤切れてしまったが、良いレースができたと思う。
今後のレースの中でどんどん吸収できるよう、シーズン最初の4レースはトレーニングと割り切って進めていこうと思う。

 

池田 +¥30,000
米谷 +¥3,000
小畑 +¥1,000
才田  ¥0

 
 

Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.