26JUN.2022@第90回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース, DAY2, Men Elite Race
26JUN.2022@2022ジュニア全日本自転車競技選手権大会 ロードレース, DAY2, Men Junior Race

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第90回全日本自転車競技選手権大会 ロード・レース, DAY2, Men Elite Race
– 広島県三原市/広島県中央森林公園サイクリングロード(12.3kmサーキットコース) –
12.3km/15周回 184.5km(ME)
 
2022ジュニア全日本自転車競技選手権大会 ロードレース, DAY2, Men Junior Race
– 京都府南丹市/美山町特設ロードコース(10.3kmサーキットコース) –
10.3km/8周回 82.4km(MJ)

 
【ME】


1位 新城 幸也(BAHRAIN VICTORIOUS) 4:36:28 ave–.–km
2位 新城 雄大(KINAN Racing Team) +00:00
2位 山本 大喜(KINAN Racing Team) +00:15
4位 中井 唯晶(シマノレーシング) +00:45
5位 岡本 隼(愛三工業レーシングチーム) +00:49
6位 草場 啓吾(愛三工業レーシングチーム) +00:49

DNF 才田 直人(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 米谷 隆史(LEOMO Bellmare Racing Team)
DNF 小畑 郁(LEOMO Bellmare Racing Team)
 

 
【MJ】


1位 杉野 翔一(南大隅高校) 2:04:43 ave–.–km
2位 梅澤 幹太(松山工業高校) +00:00
2位 山口 凱生(SBC Vertex Racing Team) +00:01
4位 鎌田 晃輝(松山学院高等学校自転車競技部) +00:01
5位 小泉 響貴(明治大学) +02:04
6位 松井 丈治(立命館大学) +02:04

DNF 関口 拓真(神奈川県立深沢高校)
 

 


 

2022年の全日本選手権。エリートは今年も広島県三原市の広島県中央森林公園、またジュニアは京都府南丹市の美山町特設ロードコースを舞台に開催された。今年はエリートとジュニアともに6月26日(日曜日)の同日開催となり、才田直人・米谷隆志・小畑郁の3選手は広島へ、チーム加入予定の関口拓真選手(神奈川県立深沢高校)は宮澤監督とともに美山へ向かった。

 

久しぶりとなる有観客での開催に加え、BAHRAIN VICTORIOUSに所属する新城幸也も出場することもあり、近年にない注目度の高いレース。定刻の午前11時にスタート。116名の選手が今年最も強い選手の称号を得るために184.5kmのレースに挑んだ。
毎年「雨」のイメージが強い全日本選手権だが、今年は時折通り雨に見舞われるものの、エリートの開催日はほぼ晴天。強い陽射しの下での灼熱のレースとなった。才田選手が呟いた「全日本選手権はいつも雨だけど、広島でやる全日本選手権は晴れることが多い」という言葉が大正解だった。

 

昨年は単独での逃げが延々と続く展開だったが、今年は明確な逃げは形成されず、前半から速いペースでの周回が続く。特に三段坂ではKINAN Racing Teamがジワジワとペースを上げて選手たちの脚をジワジワと削っていく。才田・米谷・小畑の3選手はメイン集団後方でのレースとなったが、広島特有の展開で後方部分はトラブルが続く。アップダウンでの中切れや落車トラブルに巻き込まれながらそれをリカバリーする繰り返し。この動きで集団前方で走るよりもさらに脚を削られる。一時は才田・米谷の両選手が同時にメイン集団から遅れてしまう場面もあったが、ここは2人が協調して集団に復帰。なんとかメイン集団に食らいつく状況で周回を重ねていった。
今年の明確な逃げが形成されたのはレースも後半に入る8周目付近。ここから今年の全日本選手権が動き始める。10周目を終了した頃から新城幸也(BAHRAIN VICTORIOUS)も動き始め、三段坂でのペースがさらに上がっていくと、前半から脚を使わされたLEOMO Bellmare Racing Teamの面々もメイン集団から脱落。米谷選手は13周目で赤旗DNF、粘る才田選手も最終周回に入ることが出来ず14周完了でのDNFとなった。
レースはKINAN Racing Teamの組織的な攻撃を跳ね返した新城幸也選手が、新城雄大(KINAN Racing Team)選手とのマッチスプリントを制して優勝した。

 

一方、京都美山でのジュニア大会に出場した関口選手。レース中は集団の前々で展開する走りを見せていたが、レース中盤過ぎの中切れで後方に取り残された。追走の力も残っていたが、レース直前の怪我が完治しておらず、大事を取ってのDNFとなった。

 
 

PHOTO REPORT (ME)


 

2022年度の全日本選手権が開催。
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レース前の選手たち。出る限りは何らかの結果と爪痕を残したいところ。
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184.5km先のフィニッシュへ向けて116名の選手がスタート。小畑選手も順調に走り出す。
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序盤、メイン集団後方で展望台への坂を登る才田選手。米谷選手は中切れを埋めようとする畑中選手(KINAN Racing Team)の後ろにつける。
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一方、小畑選手は序盤でサグワゴンに追われる展開となってしまった。
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2人でメイン集団から遅れてしまった才田選手と米谷選手。この後なんとか協調してメイン集団に復帰。
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10周目付近から本格的に展開が動き出す中、なんとかレースに食らいつく米谷選手と才田選手。
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奮闘するも一人旅になってしまった米谷選手は13周目で赤旗掲示を受けてDNF。
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元チームメイトの横塚選手(VC福岡)とともに完走を目指す才田選手だったが、最終周回には入れず、サグワゴンを従えて笑顔で登っていった。
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RIDERS REPORT


 

関口選手(MJ):
自分の中で上り返しでアタックして勝つ、それかスプリントで勝つ。その二択をイメージしていた。ただ2週間前に起こした肉離れとその影響で練習強度を上げていないことによる不安要素があった。
出場自体を迷ったが、登りの少ないコースプロフィールで怪我によるリスクが少ないと判断。出場を決めた。いざ走ってみて平坦は容易にクリア。登りは心拍と乳酸が貯まるのが速い印象。千切れても下で追いつけるので問題視していなかった。5週目の九鬼ヶ坂で中切れと共に集団後方に。3秒ほど集団から遅れてしまった。追走すれば集団に追いつけた可能性は高かったが、脚と高心拍に違和感があり、勝つイメージが崩れてしまった。完走するメリットと怪我を悪化させるリスクを天秤にかけて考えたところDNFすることに決めた。
調子を上げれず正直勝ちたいという意欲が足りなかった。インターハイまでに調子を上げて勝ちに徹したい。

 
 

米谷選手(ME):
去年は参加しなかったので3年ぶりの全日本。今年は冬の故障から上手く調子を組み立てられず、修善寺でも良い感触はなかったので、勝負という意味でレースに参加するのは厳しいと感じていた。エリートの全日本はまだ一回も完走したことはなかったし、それならいっそ全く動かず、ひたすら集団で耐えて完走を狙ってみようと考えてスタート。
スタートからずっと集団がガチャガチャしていて、中にいるのが怖かった。早速1周目の三段坂のトンネルで目の前の選手が転け、止まって避けたものの微妙に踏んで復帰することに。ここからずっとバタバタしていた。
中途半端な位置にいるとストレスが大きいので才田さんの近くにいることが多く、結果的に同じようなトラブルに2人して巻き込まれることが多かった。特に6周目、かかった下りで自分が落車に巻き込まれ、怪我なく復帰し前を追ったら才田さんのいるパックも別の落車で分断されており、集団は30秒以上離れていた時には「終わった」と思った。
才田さんのペースメイクでホームの手前でなんとか2人して追いついたが、相当脚を使った。逃げの決まらない珍しい展開の中、キナンによる登りでのペースアップで確実にダメージが蓄積していった。何度か登りで遅れ、諦めかけては2人して復帰するのを繰り返したが、自分が誤魔化せなくなるのは時間の問題だった。
10周を過ぎたあたりから幸也さんが動き始めた。11周目の3段坂でここまでとは少しギアの違うアタックをかけていき、自分はそれに耐えられず脱落。
千切れた直後からあちこちが攣りはじめて万事休す。もう追うことは出来なかった。出せるペースで2周を走り、サグワゴンに追われながら13周目で赤旗を振られDNF。
ずっと速い展開や高い気温など、今年はアマには厳しい条件が揃っていたと思う。完走したメンバーを見てもそれは明らか。ただ、1/4は完走しているのでなんとかしたかった。
勝負に関して何も出来なかったことについては、今回はそういうチャレンジと割り切って臨んだので後悔していない。ただ、後方待機のリスクと難しさを肌で感じることになった。ある意味良い経験だったかもしれない。
持っていた食料も計画通りに食べられたし、レース後に小便が出るぐらい水も飲めていた。無駄足の影響ももちろんあるけれど、体が動かなかったのは暑熱順化不足と、単に力不足だろう。力不足のほうはともかく、全日本を真面目に考えるなら暑熱順化にはちゃんと取り組むべきだった。
年に一度、日本一を決める大会は準備も含めて何度出ても特別だし、やっぱり楽しかった。自分に出来ることをこつこつやってまた挑戦したい。
次は石川と古殿。石川も、たぶん古殿も嫌いなコースではなさそうなのでチャンスがあれば動けるように準備していく。

 
 

小畑選手(ME):
結果としては何も出来なかったレースになりました。周回数も3/15と序盤でDNFでした。
今年の全日本選手権は自分の準備が思ったように出来ない事もあり、レース自体よりも某WT選手の借り物競走を手伝い、LEOMOの参加2選手と面倒みている選手のレース前のバイクチェックをしたりと気持ちがそちらに行ってしまったなと反省。
群馬グリフィンの金子君の走りや新城選手の走りを観て、改めてタフ&モアパワーと心に決めてトレーニングを続けたいと思いました。

 
 

才田選手(ME):
心配だった天気は晴れて夏のような暑さに。少し失敗したのは調整。前週の修善寺で乗り込んだまま休みを取り過ぎずに走ったが、かなり脚の感触が良かったので、普段のレース前の調整を少し変えて今週も木曜まで負荷をかけた。結果的に当日の朝も脚が重く感じられて木曜はやり過ぎだったかもしれない。同じ状況で迎えるレースはない。この辺りはいつまでも勉強。
レースは100キロ近くまで逃げの決まらない珍しい展開。安定しないペースで地味にきつい強度で進んで徐々に人数が減っていく。無駄脚を使わなければいけない状況が多くあったのが反省点。トイレのタイミングで集団が三段坂を上げて、踏んで復帰。ペースアップした下りで落車が頻発して中切れが多発。一度完全に切れた後に米谷と踏んで復帰。他にもいくつかあったが、後方を走っているので仕方がない。
最後は記憶にないくらい久しぶりに右脚の内転筋が攣った。意識して普段より多めに水分をとっていたけど、急に暑くなったこと、ずっと東北をメインに走っていたことで暑さに慣れていなかったかも。ラスト4周くらいで完全に千切れて、後ろから追いついてきた横塚と完走を目指すもラスト一周に入れずDNF。
何もできなかったから、特に中身のないレポートだけど、上手く走れなくても全日本選手権はやっぱり特別で走っていて楽しかった。

 
 

宮澤監督から


 

今年の全日本選手権は広島でのエリートと京都美山でのジュニアが同日開催となったため、京都美山で開催されたジュニアレースに同行。常に集団の前を走る関口が印象的で、もっと後ろからみんなの動きや、息遣い、何を考えているかを見た方が良いと思った。後ろに目がついてないので前にいては他の選手の動向がわからない。しかし、前向きな気持ちは良いと思う。
脚の状態を見ながらだったが、勝てる可能性を感じるレースだったことは良かった。確実に勝てるフィジカルをインターハイまでに作ろう。焦らずじっくり怪我を治してから。
エリートについては、先週までの才田の調子が良かったので、少し淡い期待を持っていた(笑)。レースの情報のみを見ていると、米谷と仲良く集団内の後ろ過ぎない位置で走れているのでまたまた期待度も上がった。順調に遅れてからは、暑さだけではないサバイバル感を感じ、それでも才田が粘ったのは、彼らしい走りだったと思う。


 
 

Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V. and Takashi MIYAZAWA, Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.