14OCT.2023@2023 JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE in UTSUNOMIYA, DAY02, Open Race

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2023 JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE in UTSUNOMIYA, DAY02, Open Race
– 栃木県宇都宮市/宇都宮市森林公園周回コース(10.3km周回コース) –
10.3km/ 7周  72.1km(男子)
10.3km/ 3周  30.9km(女子)

 
【男子】


1位 内田 宇海(弱虫ペダルサイクリングチーム) 1:52:54 ave38.30km/h
2位 米谷 隆志(Bellmare Racing Team) +00:00
3位 橋本 友哉(往来教) +00:00
4位 横矢 峻(アヴニールサイクリング⼭梨) +00:34
5位 平口 泰輔(札幌じてんしゃ本舗) +00:42
6位 岩島 啓太(MIVRO) +00:44

24位 北川 魁之介(Bellmare Elite Team) +01:56

 
【女子】


1位 樫木 祥子(株式会社オーエンス) 53:58 ave34.30km/h
2位 木下 友梨菜(大阪府) +02:23
3位 福山 舞(湾岸サイクリング・ユナイテッド) +06:07
4位 廣瀬 博子(サイタマサイクルプロジェクト) +06:10
5位 中村 友紀子(京浜ピストクラブ) +16:08
6位 田上 萌々子(モアパワーレーシング) +20:22

 


 

2023年10月14日の土曜日。国内最大クラスのロードレースである2023 JAPAN CUP CYCLE ROAD RACE in UTSUNOMIYAが開催されました。今回は30回目の記念大会となり、期間中は日曜日がかなり強い雨だったのにも関わらず例年通りかそれ以上の盛り上がりになりました。
JAPAN CUPでは毎年土曜日にオープンレースが開催されまています。今年もBellmare Racing TeamからJエリートツアーE1クラスタに参戦している北川魁之介選手とJプロツアーの米谷隆志選手が出場。またJBCFではBellmareチームの一員として走る木下友梨菜選手も別チームとして女子レースに出走しました。
JAPAN CUPのオープンレースでは過去に横塚選手・才田選手・米谷選手の優勝経験があり、北川・米谷の両選手には期待大、また今回は別チーム所属ですが、先日の南魚沼でJBCF初参戦・初優勝を飾った鈴(木下選手の愛称)選手の走りにも注目していました。
土曜日の天気は晴れ。絶好のレース日和の中、まずは男子のレース(7周回)がスタート。その2分後に女子のレース(3周回)がスタートして行きます。男子は2周目から米谷選手が2名で逃げる展開、その後も積極的に逃げる動きを見せる中、中盤付近で10名程度の逃げを形成します。北川選手はこの逃げに乗ることは出来なかったもののメイン集団で粘りの走りを続けます。逃げ集団の米谷選手は共にJプロツアーを走る内田選手(弱虫ペダルサイクリングチーム)と厳しい展開に持ち込み、最終周回のストレートに橋本選手を含む3名で戻ってきました。最後は内田選手とのスプリント。少し先行していた米谷選手を内田選手が僅かに差したところでフィニッシュライン。米谷選手は惜しくも2位となりました。メイン集団の北川選手も7周回を走り切っての24位となっています。
なお、女子のレースに出場した木下選手。さすがの走りを見せた樫木選手(株式会社オーエンス)に1周目から差をつけられてしまった鈴選手でしたが、その後も単独の2番手で3周を走りきり、見事2位表彰台を獲得しています。

 
 

PHOTO REPORT


 

レース前の3人。
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2023年のJAPAN CUPオープンレースがスタート。
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2周目、いきなり逃げを打った米谷選手。
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北川選手はメイン集団で待機。
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女子の2周目、鈴選手は樫木選手から数秒遅れての2番手で単独通過。
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なんと3周目もメンバを変えて逃げて来た米谷選手。
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メイン集団は最大のライバルである内田選手率いる弱虫ペダルサイクリングチームが牽引。
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女子の3周目、鈴選手は必死に前の樫木選手を追うが差は少しずつ開いていった。
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4周目、まとまった逃げ集団となり、これに米谷選手も入る。北川選手はメイン集団の先頭付近で古賀志林道を登って行く。
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5周目の古賀志林道頂上。米谷選手は逃げ集団の先頭を牽引してペースを上げる。北川選手もメイン集団で粘りの走り。
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6周目の田野町交差点を曲がって行く逃げ集団の米谷選手とメイン集団の北川選手。
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最終周回、3名となった逃げ集団から米谷選手と内田選手のスプリント…ほんの僅かの差で米谷選手は2位。
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健闘を称え合う2人とフィニッシュに戻って来た北川選手。
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レースを終えた3人のいろいろ詰め合わせ。
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RIDERS REPORT


 

北川選手:
試走に出てみて、映像で見ていたよりも勾配が緩く感じた。この上りなら最後まで残れそうだなと思った。作戦としては米谷さんは逃げで狙い、最後吸収されたら自分でスプリント勝負をするという感じだった。自分も前に乗れるようだったら乗っていこうと考えていた。
スタートして1周目の古賀志は少し速かった。
下りで中切れが起きたり下りきった先で伸びたりするのはわかっていたので、踏んで位置をなるべく下げないことを心掛けた。しかしこれは自分にとってはオーバーペース気味で最大心拍近く上がってしまい、そのあと3周くらい苦しんだ。上りきりは20〜30番手で通過。下り切った先では10人15人ずつくらいに割れていて自分は3個目の塊になってしまった。上りで踏んだ後でキツく1列棒状で耐える。県道くらいで集団はまとまった。しばらく集団の中で脚を休める。米谷さんはずっと、レースの先頭付近で展開して序盤から何度も飛び出していた。
レースの半分くらいだったと思う。たぶん4周目の古賀志の上りで割れた前15人くらいがごそっと抜けて行った。米谷さんも含まれていて審判から知らされるタイム差は40秒、1分と広がって行った。古賀志の上りは残ることは難しく無いが、アタックするほどの強さは自分には無かった。米谷さんが前に乗った後は、古賀志では耐えてセブンイレブンの先のアップダウンでの動きには流れの中で乗っていくようにした。
最終周の古賀志の上りはメイン集団の15番手くらいで通過。弱ペの選手が少し前にいたのでその後ろを取る。これで中切れは大丈夫だろうと思っていたら、下りの終わりの方の右コーナーで前の選手が後輪をロックさせて外に飛んで行った。それを避けて前を追うも下りきりで10mくらい集団と離れてしまった。前で走れなかったからこういうことになってしまった。自分で詰めれるところまで詰めて最後尾で耐える。集団には戻れたがラスト2キロで脚が終わってしまい、ちぎれてしまった。
勝ちたいレースだったが勝ちには程遠かった。力が弱いのも課題だが、現状の力でももっと考えて出来ることはあったと思う。次戦の霞ヶ浦まで1週間できる準備をしっかりして臨みます。

 
 

米谷選手:
シーズン後半の目標の一つとしていたレース。調子も良く、勝ちたい思いは強かった。
チームはこれまで違う人で3回勝っている。そういう意味では北川くんだが、僕はレースを厳しくする、その上で終盤も北川くんにチャンスがあれば北川くんで、ということにした。有力どころがかなり国体に行った中で最大のライバルと目したのは内田くん。朝に会った時に、レースを厳しくして中盤から抜け出したいよね、最後は2人かなと話していた。1周目から集団を伸ばしながら古賀志を前で登り、宇賀にリードしてもらって下ると後ろが見えないほど差が開き、2人になった。2人逃げも覚悟しながら回っていくと古賀志で一気に差が詰まり、回収。ここで追ってきたのが内田くんで、序盤から厳しくしていく意思をお互い確認した。
古賀志で集団を伸ばし、前でペースを作りながら下ると毎回10人ほどで抜け出すが、そのまま逃げ始められるようなペースでは回らずセブンまでには1つになってしまう。ただ毎回ダメージは与えられているので、後ろが根負けするまで2人で続けることにした。この流れで踏めていたのは内田くん、横矢くん、渡邉くん、島野くん、岩島さん、平口くんあたり。勝負の形が見えてきた。3周目のスプリント賞の後、バラバラと飛び出したグループを追って古賀志でアタックした内田くんのカウンターで、一段強いペースでアタック。頂上で内田、渡邉と3人、平坦までに予想通りのメンバーで15人弱に。北川くんは多分ここでドロップ。6周目、10人弱は少し多いと感じてもう一度強めのアタック。6人になり、後続とは完全に差が開いた。かなり脚を使ったが、思い描いた理想の状態で最終周回に入った。
ラストの古賀志も入り口から踏んでいったが、内田、橋本、横矢を引き離せない。内田、橋本とカウンターをもらい、3人で頂上をこえた。スプリントは嫌だが、早めにアタックして牽制、回収となるのは避けたかった。予想はされているだろうがセブンの先の登りと決めて、足を溜め、車間を切ったところからアタック。足を攣りつつ上りきりまで踏んだが2人とも離せず、スプリントを覚悟した。橋本くんのアタックを捌いてラスト1キロ。最後尾からのサプライズを狙ったがうまく番手をとれず、橋本、米谷、内田の並びで最終コーナー。2人とも仕掛けては来ず、練習で慣れた距離の150mから自分が先に踏み出した。自分にできるベストなスプリントだったと思うが、ライン上で僅かに差し切られた。

悔しい。もう少しだった。

最終周の古賀志にもう少し力を残しておくべきだった。まぐれをなくすために終盤の人数を減らしたくて6周目にアタックしたが、そのダメージが予想以上だった。最後の1本に集中すればもしかしたら違う展開があったかもしれない。スプリントの経験も足りなかった。練習通りのスプリントは出来たけれど、対人の駆け引きをする局面はあまりなかったので馬鹿正直な勝負になってしまった。とはいえ、レースの主導権を取って展開を作り、あと一歩まで持っていけたのは楽しかった。利害の一致から途中まで協力し、互いに力を尽くした内田くんとの勝負になったのは、結果がどうあれある意味納得できるものだった。

ほんの少し何かが違えばあのタイヤ一本分が逆だったかもしれないと思うと、まだ心が宇都宮に引き戻される。以前の優勝と勝るとも劣らない、忘れられないレースになった。

また頑張ります。

 
 

Text: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V., Edit, Photo&Comment: Kensaku SAKAI/FABtroni+camera × P.A.V.